私の連れ合いが清瀬市議会に下掲の請願をすることになりました。彼女は福島原発事故関連の請願は既に数回しています。もちろん脱原発・反原発という立場です。市内の線量計測も継続しています。
請願は、2018年6月19日(火)福祉保健常任委員会で検討されます。午前10時半頃からの審議になりそうです。清瀬市役所4階、傍聴歓迎です。
【清瀬市に住む福島原発事故による避難者の方々に年1回(子どもは年2回)の甲状腺検査と血液像検査の保障を求める請願】
紹介議員 ふせ由女
〈請願の内容〉
清瀬に住み続けている避難家族で希望する方には、
①18歳未満の子どもたちに年2回(福島県の検査を含む)の甲状腺検査
②大人に年1回の甲状腺検査
③大人にも子どもにも年1回の血液像(白血球分画)検査
を保障してください。
〈請願の理由〉
2011年8月5日に福島県小児科医会が出した「福島の子どもたちの未来を守るために─原子力災害と子育て支援─」という声明には、
「原子力災害による子どもたちや保護者の心身の不安やストレスについても相談助言を行うなど適切に対応する。また当県の子どもたちが将来にわたり安心して生活できるよう、子育て支援を第一の目標としながら今後の医会としての活動をおこなう。」
と書かれており、(別掲)として「避難した子どもたちおよび家族への支援と健康管理」の項目では、次のように書かれています。
「県内、県外避難を余儀なくされた子どもたちおよび家族、また自主的に避難を選択した子どもたちおよびその家族への継続的な生活支援、精神的支援および将来にわたる健康管理の保障。とくに自主避難者については避難元各自治体は責任をもってその生活支援、精神的支援を行うこと。」
それにもかかわらず、この医会の前会長、太神(おおが)和廣氏は2016年に甲状腺がん検査縮小の方向で意見を述べました。そして福島県小児科医会ホームページの最新の記事は、2017年10月28日の竹内真弓氏の就任挨拶で、
「平成23年に起きた東日本大震災の被災地として全国の小児科の先生方から寄せていただいた支援金の有効活用として、前会長の太神先生のもと、予防接種啓発のリーフレットを作成し、この6年間毎年県内全ての産科・小児科医療機関や保健センター等に配布し、ワクチン接種率向上に多少なりとも貢献できたことと、被災地から避難しているお子さんたちを対象に、期間限定ではありますが無料でロタワクチン接種事業を行ったことです。」
と書かれており、甲状腺がん検査については全く触れられていません。前掲の格調高い、真心のこもった声明に対して、太神氏の提案、竹内氏の挨拶の内容が大きくかけ離れていることは一目瞭然です。
福島県は昨年3月までに子どもたちの甲状腺検査を2回行い、現在3回目を継続中です。その結果は第30回福島県「県民健康調査検討委員会」で別紙資料のように報告されており(平成28年度スタートの3回目検査はまだ半ばで途中経過の報告)、平成29年12月31日までに197人の子どもたちが「悪性ないし悪性の疑い」と診断され、161人の子どもたちが手術を受けて、そのうち良性だった子どもは一人だったと書かれています。中でも気になるのは、一次検査で、以前A1判定だった子どもたちがA2判定に移行する割合が、3頁目の資料のように、
先行検査(一回目): A1判定 154,605人(51.5%) A2判定 143,574人(47.8%)
本格検査(二回目): A1判定 108,710人(40.2%) A2判定 159,578人(59.0%)
本格検査(三回目): A1判定 63,314人(35.4%) A2判定 114,525人(64.0%) (検査継続中)
と、徐々に増えてきていることです。今後も検査を継続し、悪性の疑いがもたれたら少しでも早く対応できるように支援する必要があります。そのためには2年に一度の県民検査では間隔が空きすぎると、避難者の方々は心配しています。
今、福島県から避難している人々は事故によって故郷を壊され、昨年3月には避難住宅からも追い出され、それでも子どもたちの健康を守りたいという一心で避難先での苦しい生活を必死で続けようとしています。住宅提供を打ち切られて自殺した方もいるそうです。いじめで学校に行けない子どもたちや、体調を崩したり急死したりする大人たちも大変多いと聞きます。これは福島県小児科医会が強く願って掲げた2011年の声明とは正反対の方向に進んでいるということではないでしょうか。
原発事故から7年後の今、国も福島県も医会も避難家族を守らず、さらなる苦境に追いやるばかりです。こうした状況の中で被曝して避難してきた方々の健康を守っていくことができるのは、避難先に住む私たちではないでしょうか。
清瀬市には現在、福島県から避難された方が23世帯、53人(18歳未満12人)、岩手、宮城県からは8世帯、13人(18歳未満2人)が住んでいると伺いました。福島県からは2年に1度の甲状腺検査の知らせが届くそうですが、何よりも病気の進行の早い子どもたちにはそれも含めて年2回の甲状腺検査が必要です。また、血液像(白血球分画)検査(放射線の影響を見分ける指針となる検査)も年に1度受けられると安心できるそうです。
この心優しい清瀬の町を誇りに思う市議の皆さまに、せめて清瀬市に住み続けている避難家族で希望する方には、上記の検査を保障してくださるようお願いいたします。
2018年6月5日
清瀬市議会議長
西畑 春政 様
清瀬・憲法九条を守る会
福田 緑
■ 第30回福島県「県民健康調査」検討委員会資料(抜粋)
[1] 先行検査 (平成29年3月31日集計) [実施年度:平成23年度~25年度]
<一次検査>(平成27年4月30日検査終了)
対象者367,649人 受診者数300,473人(受診率81.7%)結果判定数 300,473人(判定率
│判定内訳│A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │10
│人数 │154,605人 │143,574人 │298,179人 │2,293人 │1 人 │0
│割合 │(51.5%) │(47.8%) │99.2% │0.8% │0.0% │%)
<二次検査>(平成 29 年 3 月 31 日現在)
対象者数 2,293人 受診者数 2,130(受診率92.9%) 結果確定数 2,090人(確定率98.1%)
うち穿刺吸引細胞診実施は547人
│穿刺吸引細胞診等結果概要 (年齢、性分布省略) │
│悪性ないし悪性の疑い116人 (手術102人:良性結節1人、乳頭癌100人、低分化癌1人)│
[2] 本格検査(検査 2 回目) (平成29年6月30日現在) [実施年度:平成26年度~27年度]
<一次検査>
対象者381,256人 受診者数270,516人(受診率71.0%) 結果判定数 270,515人(判定率
│判定内訳│A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │10
│人数 │108,710人 │159,578人 │268,288人 │2,272人 │0人 │0
│割合 │40.2% │59.0% │99.2% │0.8% │0.00% │%)
<二次検査 >
対象者数 2,227人 受診者数 1,844(受診率82.8%) 結果確定数 1,788人(確定率97.0%)
うち穿刺吸引細胞診実施は205人
│穿刺吸引細胞診等結果概要 (年齢、性分布省略) │
│悪性ないし悪性の疑い71人 (手術52人:乳頭癌51人、その他の甲状腺癌1人) │
[3] 本格検査(検査 3 回目) (平成29年12月31日現在) [実施年度:平成28年度~29年度]
<一次検査> ※継続中
対象者数 336,654 人 (25 歳での検査対象者である平成 4・5 年度生まれを除く)
受診者数 191,669 人(受診率 56.9%) 結果判定数 179,038 人(判定率 93.4%)
│判定内訳│A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │
│人数 │63,314人 │114,525人 │177,839人 │1,199人 │0人 │
│割合 │35.4% │64.0% │99.3% │0.7% │0.00% │
<二次検査 >
対象者数 1,199人 受診者数 659(受診率55.0%) 結果確定数 573人(確定率86.9%)
うち穿刺吸引細胞診実施は31人
│穿刺吸引細胞診等結果概要 (年齢、性分布省略) │
│悪性ないし悪性の疑い10人 (手術7人:乳頭癌7人)│
※判定内容この表は、もっと細かな検討委員会資料の表から福田の責任で一部を取りだしたものである。なお、A1判定とA2判定の割合は福田が付け加えた。
※文章中の「がん」はひらがなで書いたが、県民健康調査の資料は「癌」と書かれていたので、漢字を使った。
請願は、2018年6月19日(火)福祉保健常任委員会で検討されます。午前10時半頃からの審議になりそうです。清瀬市役所4階、傍聴歓迎です。
【清瀬市に住む福島原発事故による避難者の方々に年1回(子どもは年2回)の甲状腺検査と血液像検査の保障を求める請願】
紹介議員 ふせ由女
〈請願の内容〉
清瀬に住み続けている避難家族で希望する方には、
①18歳未満の子どもたちに年2回(福島県の検査を含む)の甲状腺検査
②大人に年1回の甲状腺検査
③大人にも子どもにも年1回の血液像(白血球分画)検査
を保障してください。
〈請願の理由〉
2011年8月5日に福島県小児科医会が出した「福島の子どもたちの未来を守るために─原子力災害と子育て支援─」という声明には、
「原子力災害による子どもたちや保護者の心身の不安やストレスについても相談助言を行うなど適切に対応する。また当県の子どもたちが将来にわたり安心して生活できるよう、子育て支援を第一の目標としながら今後の医会としての活動をおこなう。」
と書かれており、(別掲)として「避難した子どもたちおよび家族への支援と健康管理」の項目では、次のように書かれています。
「県内、県外避難を余儀なくされた子どもたちおよび家族、また自主的に避難を選択した子どもたちおよびその家族への継続的な生活支援、精神的支援および将来にわたる健康管理の保障。とくに自主避難者については避難元各自治体は責任をもってその生活支援、精神的支援を行うこと。」
それにもかかわらず、この医会の前会長、太神(おおが)和廣氏は2016年に甲状腺がん検査縮小の方向で意見を述べました。そして福島県小児科医会ホームページの最新の記事は、2017年10月28日の竹内真弓氏の就任挨拶で、
「平成23年に起きた東日本大震災の被災地として全国の小児科の先生方から寄せていただいた支援金の有効活用として、前会長の太神先生のもと、予防接種啓発のリーフレットを作成し、この6年間毎年県内全ての産科・小児科医療機関や保健センター等に配布し、ワクチン接種率向上に多少なりとも貢献できたことと、被災地から避難しているお子さんたちを対象に、期間限定ではありますが無料でロタワクチン接種事業を行ったことです。」
と書かれており、甲状腺がん検査については全く触れられていません。前掲の格調高い、真心のこもった声明に対して、太神氏の提案、竹内氏の挨拶の内容が大きくかけ離れていることは一目瞭然です。
福島県は昨年3月までに子どもたちの甲状腺検査を2回行い、現在3回目を継続中です。その結果は第30回福島県「県民健康調査検討委員会」で別紙資料のように報告されており(平成28年度スタートの3回目検査はまだ半ばで途中経過の報告)、平成29年12月31日までに197人の子どもたちが「悪性ないし悪性の疑い」と診断され、161人の子どもたちが手術を受けて、そのうち良性だった子どもは一人だったと書かれています。中でも気になるのは、一次検査で、以前A1判定だった子どもたちがA2判定に移行する割合が、3頁目の資料のように、
先行検査(一回目): A1判定 154,605人(51.5%) A2判定 143,574人(47.8%)
本格検査(二回目): A1判定 108,710人(40.2%) A2判定 159,578人(59.0%)
本格検査(三回目): A1判定 63,314人(35.4%) A2判定 114,525人(64.0%) (検査継続中)
と、徐々に増えてきていることです。今後も検査を継続し、悪性の疑いがもたれたら少しでも早く対応できるように支援する必要があります。そのためには2年に一度の県民検査では間隔が空きすぎると、避難者の方々は心配しています。
今、福島県から避難している人々は事故によって故郷を壊され、昨年3月には避難住宅からも追い出され、それでも子どもたちの健康を守りたいという一心で避難先での苦しい生活を必死で続けようとしています。住宅提供を打ち切られて自殺した方もいるそうです。いじめで学校に行けない子どもたちや、体調を崩したり急死したりする大人たちも大変多いと聞きます。これは福島県小児科医会が強く願って掲げた2011年の声明とは正反対の方向に進んでいるということではないでしょうか。
原発事故から7年後の今、国も福島県も医会も避難家族を守らず、さらなる苦境に追いやるばかりです。こうした状況の中で被曝して避難してきた方々の健康を守っていくことができるのは、避難先に住む私たちではないでしょうか。
清瀬市には現在、福島県から避難された方が23世帯、53人(18歳未満12人)、岩手、宮城県からは8世帯、13人(18歳未満2人)が住んでいると伺いました。福島県からは2年に1度の甲状腺検査の知らせが届くそうですが、何よりも病気の進行の早い子どもたちにはそれも含めて年2回の甲状腺検査が必要です。また、血液像(白血球分画)検査(放射線の影響を見分ける指針となる検査)も年に1度受けられると安心できるそうです。
この心優しい清瀬の町を誇りに思う市議の皆さまに、せめて清瀬市に住み続けている避難家族で希望する方には、上記の検査を保障してくださるようお願いいたします。
2018年6月5日
清瀬市議会議長
西畑 春政 様
清瀬・憲法九条を守る会
福田 緑
■ 第30回福島県「県民健康調査」検討委員会資料(抜粋)
[1] 先行検査 (平成29年3月31日集計) [実施年度:平成23年度~25年度]
<一次検査>(平成27年4月30日検査終了)
対象者367,649人 受診者数300,473人(受診率81.7%)結果判定数 300,473人(判定率
│判定内訳│A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │10
│人数 │154,605人 │143,574人 │298,179人 │2,293人 │1 人 │0
│割合 │(51.5%) │(47.8%) │99.2% │0.8% │0.0% │%)
<二次検査>(平成 29 年 3 月 31 日現在)
対象者数 2,293人 受診者数 2,130(受診率92.9%) 結果確定数 2,090人(確定率98.1%)
うち穿刺吸引細胞診実施は547人
│穿刺吸引細胞診等結果概要 (年齢、性分布省略) │
│悪性ないし悪性の疑い116人 (手術102人:良性結節1人、乳頭癌100人、低分化癌1人)│
[2] 本格検査(検査 2 回目) (平成29年6月30日現在) [実施年度:平成26年度~27年度]
<一次検査>
対象者381,256人 受診者数270,516人(受診率71.0%) 結果判定数 270,515人(判定率
│判定内訳│A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │10
│人数 │108,710人 │159,578人 │268,288人 │2,272人 │0人 │0
│割合 │40.2% │59.0% │99.2% │0.8% │0.00% │%)
<二次検査 >
対象者数 2,227人 受診者数 1,844(受診率82.8%) 結果確定数 1,788人(確定率97.0%)
うち穿刺吸引細胞診実施は205人
│穿刺吸引細胞診等結果概要 (年齢、性分布省略) │
│悪性ないし悪性の疑い71人 (手術52人:乳頭癌51人、その他の甲状腺癌1人) │
[3] 本格検査(検査 3 回目) (平成29年12月31日現在) [実施年度:平成28年度~29年度]
<一次検査> ※継続中
対象者数 336,654 人 (25 歳での検査対象者である平成 4・5 年度生まれを除く)
受診者数 191,669 人(受診率 56.9%) 結果判定数 179,038 人(判定率 93.4%)
│判定内訳│A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │
│人数 │63,314人 │114,525人 │177,839人 │1,199人 │0人 │
│割合 │35.4% │64.0% │99.3% │0.7% │0.00% │
<二次検査 >
対象者数 1,199人 受診者数 659(受診率55.0%) 結果確定数 573人(確定率86.9%)
うち穿刺吸引細胞診実施は31人
│穿刺吸引細胞診等結果概要 (年齢、性分布省略) │
│悪性ないし悪性の疑い10人 (手術7人:乳頭癌7人)│
※判定内容この表は、もっと細かな検討委員会資料の表から福田の責任で一部を取りだしたものである。なお、A1判定とA2判定の割合は福田が付け加えた。
※文章中の「がん」はひらがなで書いたが、県民健康調査の資料は「癌」と書かれていたので、漢字を使った。