先週の日曜日、日曜恒例の国会討論がNHKラジオで放送されていた。
いつも通り「ながらラジオ」なので詳しく聞いていなかったが、気になった野党議員の発言が有ったので、ちょっと取り上げてみます。
昨今、河野防衛大臣が何かと話題になっています。
国土防衛の為のイージスアショアが配備できなくなって、代替案を検討。
その結果「敵基地攻撃能力を持つ抑止力」の検討をされている、との事。
この「敵基地攻撃能力を持つ抑止力」について、やたら曲解をしている(もしくは政権交代だけを目的として「上げ足を取る」材料にしている?)発言を目にしています。
今回も、ある野党議員が「敵基地攻撃能力を持つ抑止力」について、「(持つと言う事は)、先制攻撃を相手国家に対して行う事になるので、それ相応の世界の理解を得られなければ・・・云々」と話していましてね。
(聞き違いなら良いのですけど・・・)
あれ?
この人、日本が先制攻撃をする事を前提で話をしている のですよ。
日本は平和憲法で「自衛の為の武力行使のみが正当化される。」とされているので、先制攻撃はやってはいけないし、実際、戦後70年以上も「先制攻撃」をしていない実績が有ります。
例えば、民主党時代に中国漁船が体当たりで攻撃してきた時も、日本は自衛武器を持っていたにもかかわらず放水と人力で漁船を拿捕しているのです。
今回、なんで「日本が先制攻撃をする」ていう話をしている のでしょうね?
当時と違う政権だから先制攻撃する、とでも言うのでしょうか?
憲法変わっていませんが・・・
先制攻撃 って何ですか?。
簡単に言うと、「相手が殴ってこない状態で、こちらから先に殴り掛かる」って事です。
お互い武器を持っていても、「相手が攻撃してくる前に、こちらが攻撃をする」って事で、武器の使用と先制攻撃は、(あくまで日本語的には)直接関係ありません。
ただ、武器を持っている場合、武器を使用せずに先制攻撃した場合で有っても、武器を使って反撃されるケースは有ります。
その辺が難しいところだとは思いますが、少なくとも「先制攻撃ができる」は「能力」であり、「先制攻撃をする」は「行動」ですから。
例えば、AさんとBさんが拳銃を持って睨みあっている。
この状態で、拳銃を先に撃った方が先制攻撃 です。(行動)
お互い相手を拳銃で攻撃できる能力は有りますよね。
自衛の為の銃を持つことが「先制攻撃」でしょうか?
この人の党も自衛隊の存在を認めていますよ。
人の場合と国との場合は違うだろ?
はい、では、ちょっと変えてみます。
下手な図ですが・・・
Aさんの後ろに射程の長いライフルを持ったCさんが自宅防衛
Bさんの後ろに射程の長いライフルを持ったDさんが自宅防衛
この図で判るように、Cさん・Dさんは、相手の自宅(敵基地)をお互いに攻撃できます。
これで考えればどうでしょうか?
この場合の「先制攻撃」も、先に相手を攻撃を仕掛ければ「先制攻撃」(行動)で有って、敵基地攻撃能力の保有は「能力」ですよね。
仮に日本の基地がDさん宅だとすると、今の日本はAさんに抵抗できる能力しか持っていません。
Cさんにも抵抗できる能力を身に着ける事は「敵基地攻撃能力」であって、「先制攻撃する」ではありません。
そうなってくると、今回の野党議員の発言は 完全な的外れ と言えそうです。
ちなみに、日曜討論関連の話題を探してみたところ、聞き間違いではなかった模様です(^^;)。