11月時点で死者数が第一波とほぼ同じところまで行き、警戒宣言を早く出さなくていいのかと感じていました。
結局宣言は1月に入ってから。
感染者数は1月中旬以降減ってきているものの、依然12月レベルまで下がらない・・・。
恒例ですが、NHK特設サイトのデータを月別に集計しました。
その推移をご覧ください。
まずは感染者。(単位 人)
今や、第一波・第二波の時なんて、かわいいものですね(苦笑)。
何故こんなに増えてしまったのか?
「政府の対応がまずいからだ!」
なんて騒いでいる人もいますが、それだけでは無いと思いますよ。
検査数は後程。
重傷者はほぼ死者と似た推移なので、省略。
次に死者。(単位 人)
1月は過去最大であった5月の5倍。
政府が宣言を出し渋っていた理由は色々ありそうですが、恐らく一つは
「宣言を出す事により経済が停滞。それによる失職からくる自殺の増加を懸念したもの」
と、私は思っています。
グラフで示したように、第一波に比べて第三波は遥かに危険な状態です。
にもかかわらず、1月の外出人数は第一波の2倍にもなっている、と言う調査結果が報道されました。
これって、第一波の時に比べて国民の危機意識が低い、そう取れます。
つまり、データから見る限り「今回の第三波は国民の危機意識が低く感染拡大を招いた」と言えるでしょう。
でも、国民がこの様な行動を取ったのは、メディアの報道の仕方の影響と思えます。
この集計を私が始めたのは昨年7月。
その動機は、「不安を煽る報道を続けているメディアに対する不信感」に有りました。
第一波当時から、メディアは死者よりも感染者数を重点的に報道。しかも「当時はコロナよりも遥かに多い感染者・死者数のインフルエンザ」は殆ど報道しませんでした。
この結果、得体のしれないコロナウィルスに対し、どう身を守ればいいのか? という誤った認識を持って、不安を抱いた人は多かったでしょう。
実際は、10回かかる風邪のうちの1回はコロナウィルスが原因、という、とても身近なウィルスの変異種だったわけです。
でも、そんな報道も殆ど聞いた気がしませんね。
第二波前の7月になっても、インフルエンザの話題は殆どせず、コロナの感染者数だけを主体に報道。
重傷者・死者については、区切りの良い時間帯のニュースのみ。
そして、検査数が増えた事は一度も聞いた気がしない。
必然的に、感染者が増えた事だけが強調されてしまいます。
では、実際に感染者数と検査数を比較してみます。
最初に感染者数のグラフを出していますので、次は検査数の推移。
第一波の時に比べて二波で一気に3倍も増えていることがわかるでしょう。
それを、感染者数と比較したのが、比率を表したこのグラフ。
この数値が高ければ高いほど、検査した人の中から感染した人が多く見つかった(つまりは危険)、となります。
グラフでわかる様に、8月の第二波は危険度的には第一波に比べ低かったのです。
確かに感染者数は3倍も増えましたが、それは検査数が増えたことにより感染者が多く見つかったに過ぎない。
第一波の時に検査を受けられずに隠れてしまっていた感染者が表に出て来ていれば、第二派以上の感染者数になっていた、という事が示されています。
ところが、検査数自体が増えたと報道しないから、それを聞いている我々にしてみれば、純粋に感染者数が増えた、そう受け取るのが一般的でしょう。
でも、二波の時は死者は一波の半分以下で済みました。
9月になった頃には「死者数が少ないのはコロナが変質した可能性も考えられます。」という医療関係者の発言を取り上げていましたが、受け取る側としたらどうでしょう?
感染者数が第一波の三倍も増えたのに、死者は半数で済んだ。
(実際は、第一波よりやや少ない感染者数で死者が半分だった)
この結果を受けた政府を含めた国民が、どのように考えて行動を変えるようになったか?
「第二波でコロナは弱体化した」、そう受け取っても不思議ではないですよね。
それは「GoToの推進と、それに乗っかった国民」でお判りでしょう。
誤った認識を報道から持たされたわけですよ。
そして第三波。
報道の仕方は相変わらず。
「感染者数何人」がメイン。
検査数については一言も聞かないし、感染者数や死者の比較は「感染者数は495人で、500人以下は3日連続です」とか「死者は42人で50人を5日連続で下回っています。」とか、ここ数日間の比較しかしない。
第二波で気が緩んだ国民が、この報道の仕方で危機感を覚えるわけないでしょ。
12月に入ってから「11月は第一波と同様に死者が増えていて、危険な状態です。」という報道を何故一度もしなかったのか?
あるべき報道をしていないですよね。
第三波はメディアが招いた、そう言われても仕方ないでしょ?
NHKは自らデータベースを持っているのだから、的を得た報道をすべきでしょうね。