前回に続き今度は、「じゃあ、MT車は暴走しないの?」という話につきまして。
前に書きました2つの検証から、50km/hで走行中にブレーキを踏み間違えてアクセルを床まで踏んでしまった場合は、AT車はキックダウン制御によって加速体制に移る、と言う事で、暴走し易い、と言える事がわかりました。
では、発進加速の時はどうでしょう。
MT車・AT車双方とも、1速ギアで走行しているので僅か1秒で20km/hも加速してしまいます。
50km/hでは、高いギアで走行している為、1秒の間では5km/hしか加速しません。
ここでまた、機構の差が出てきます。
MT車には、第三のペダルであるクラッチペダルが存在します。
そして、クラッチペダルを踏むだけの仕事を、左足が専門で行っています。
クラッチペダルを踏む事で、エンジンからタイヤに伝わる動力を切る事が出来る為、間違ってアクセルを踏み込んでしまっても、暴走に至る事はまずありません。
イメージです。
仮に駐車場でドライバーがブレーキとアクセルを踏み間違えてしまったとしても、ブレーキを踏んでいない時間だけ走行してぶつけてしまうかもしれませんが、タイヤへの駆動力を切る事ができるので軽度な事故で済むわけです。
でも、AT限定免許の人やMTを長い間運転していない人がこれを読んでも、イマイチ説明不足なので捕捉します。
MT車は、発進停止の際にクラッチを常に踏める体制を取らないと、まともに発進停止ができない。
つまり、駐車場での車庫入れの際には常にクラッチをすぐ踏める状態で車を動かしているので、右足がブレーキと間違ってアクセルを踏んでしまっても、すぐ左足でクラッチを踏む事ができるのです。
しかし、AT車では機構上ペダル操作で動力を切る事はできません。
しいて言えば、左足でMT車のクラッチを切る様にブレーキを踏む事ができなくはないでしょうが、とっさの時に左足でブレーキを踏むなんて、常に左足ブレーキを使って走行している人でないと難しいと思います。
でも、その様な人なら足の分業ができているので、踏み間違えはしないでしょう。
また、MT車でも可能ですが、シフトレバーをNに動かす事で動力を切る事は出来ます。
しかしながら、これは私の経験ですけど、とっさの場合ペダル操作はできますが、シフトレバーを操作する動きはできませんね。
急ブレーキをかけたつもりがアクセルを踏んでしまって「えっ!?」と思った次に初めて「アクセルを踏んでしまった」と理解したら、ペダルを踏みなおす方向で対応しますね。
実際ぶつけていませんが、ブレーキのつもりでアクセルを踏みそうになった事が1度有り(状況はまたの機会に説明します)、とっさに踏みなおして事なきを得ていますから。
さて、クラッチで動力は切れるけど、高齢で運転技術が衰えたMT車のドライバーでも、クラッチきちんと切って暴走しないで済むものなの?
という疑問が上がりそうなので、それについては、次回アップします。
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