エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ざらめ雪

2018年02月04日 | ポエム
雪は磨かれて「ざらめ」となるのである。
あの大雪から、ほぼ二週間。

溶けやらぬ雪の面は、ざらめとなっている。
だがしかし、目の端にそっと忍び込む気配が奥床しい。



それだけに、哀しさが増してくる。
このところの寒波の繰り返す襲来によって、溶けきるのは先の事であろう。







「ざらめ雪乱反射する光かな」







今日は立春。
リュックの中の歳時記は、冬と春の二冊になった。

そんなリュックを負いながら歩いた。
ちいさなプランターに、スノードロップが咲いていた。



雪の冷たさを撥ね返していたのであろう。
その反動としての、数輪であった。


    荒 野人

映画「デトロイト」

2018年02月02日 | ポエム
まだ小雪のちらつく道を駅に向かった。
こんな日は映画鑑賞に限る!
と思いついたのである。
誠に、良いアイデアである、と独り合点しつつ泥濘の道を注意深く歩いたのであった。



映画『デトロイト』日本版予告編




アメリカ社会の抱える、社会的差別。
就中、人種差別の根深さを描いて出色の映画であった。



デトロイト暴動を描いているのだが、こうして白日の下に晒すアメリカ社会の奥深さも又感じ入った。







「溶けやらぬ雪に積み上ぐ人の影」







まだ観ておられない方には、お薦めである。
ぼくは、このブログをアップしながらまだ余韻に浸っている。
エンドロールを、最後まで見ていたのであった。

雪をおして出かけたことが正解であった。明日は、繪硝子の同人勉強会である。
場所は、浅草の台東区民館。
足下の確かならんことを祈る、ばかりである。

今NHKが、このデトロイト暴動の特番を放送している。
かなり、的を得た番組である。

NHKによるコメントは下記の通りである。
原爆の惨状を初めて伝えたアメリカ人ジャーナリスト、ジョン・ハーシー。ジョンの著作を研究する孫のキャノンは、トランプ大統領誕生で変貌する祖国を見つめ直している。今注目しているのは、1967年にデトロイトで白人警官が黒人青年3人を殺害した「アルジェーズ・モーテル事件」。当時ジョンは「我々も共犯者なのだ」と記した。事件から50年、キャノンが祖父の取材をもとに関係者を丹念に巡り、アメリカの半世紀を問う。


    荒 野人