エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

八手の花

2015年11月30日 | ポエム
八手の花。
実に可愛らしい花である。
そして・・・可憐でもあるのだ。



k連でもあるのだけれど、花が咲き競う頃になると虫がついて哀れでもある。
蜜がおいしいのかどうか、ぼくは試したことが無いけれど虫が寄ってくる。

この花の形は、愛嬌に溢れてもいる。
ぼくたちが子どもの頃、絵本に描かれる宇宙人の手は、大概抗した形であった。



丸くて、小さいのだ。
それが宇宙の広さを現していたのかもしれない。







「花八手乳児は固く手を握る」







この八手の花は、いつもの散歩道に咲く。
毎年記憶の引き出しが、そろそろだぞ!
と、教えてくれる。
完全に花が咲ききる前に、見に出かける。



乳児の固く握られた「こぶし」のようでもある。
いずれにしても、毎年花を見に出かける。
楽しい習わしではある。



       荒野人

寒椿

2015年11月29日 | ポエム
寒椿が、赤く咲き競う。
その赤さは、惑うばかりである。



かてて加えて、銀杏黄葉を背景とする。
そのあでやかだは、言葉を呑むのである。

この季節「喪中」の知らせが多く届く。
新年の挨拶を失礼すると云うものだ。

今年もまた、多くの知り合いに不幸があった。
哀しいことである。







「君の居ぬ刻の速さよ寒椿」







けれども、この句では季語が動いてしまう。
寒椿で無くても良いのである。

寒椿以外の初冬の季語を入れ替えても、俳句になってしまう。



従って、推敲に推敲を重ねつつ下記のように季語を入れ替えることとしたい。
寒椿では無く、憂国忌としたいのである。







「きみの居ぬ刻の速さよ憂国忌」







水たまりは冥界への入口でもある。
この世とあの世との出入口であるのだ。

季節は間もなく、冬木立と称される。
冬将軍の猛威は、既に荒れ狂いつつあるのだ。



     荒 野人


平林寺

2015年11月28日 | ポエム
見頃にはもう少しだろうか?
けれども「いろは紅葉」の赤さは、今が見頃である。



この名刹の紅葉は京都にも負けない!
ぼくは、いつもそう言っている。
間違いないのだ。



この日、紅葉狩りの人々は多かった。
多いだけではなく、満喫している。

野火止用水沿いの平林寺である。







「洩れる陽の舞台に丸く照紅葉」







ぼくは、平林寺に入る前に「酔足軒の森」で茶を喫した。
練切の和菓子は、甘く沁み込んで来た。



抹茶は、その甘さに合っている。
楽しい一日であった。



それにつけても・・・紅葉の赤さよ!



この古刹の紅葉の見頃は、きっと12月初旬。
もう一度行かなくてはなるまい。

いやいや、行きたいものである。



      荒 野人

皇帝ダリア

2015年11月26日 | ポエム
誠に見事なダリア、である。
凛然として立つ!
のである。



高見から下界を睥睨するかのごとき、風情である。
その凛然として、変に妥協しない姿を見せるのだ。

花としても、充分に鑑賞に堪える。







「仰ぎ見る皇帝ダリア星神楽」







花は、高見にあるからであろうかおしなべて下を向いている。
その姿も見事である。

木立ダリアともよばれ、メキシコ原産の多年生の花だ。
ダリアの原種で、草丈が3~4m にもなる超大型種である。



花言葉は・・・
「乙女の純潔」「乙女の真心」「優雅」である。

なるほど・・・。



        荒 野人

快気祝いを送った

2015年11月24日 | ポエム
過日、快気祝いの粗品を送った。
入院、手術について知らせてはいなかったのだけれど「見舞いの手紙」などを頂いた。
本当に心配をpかけてしまった。

必要な方がたに快気祝いを送らせて頂いたので、ここに、添付した御礼の全文を掲載してブログの友に通知するものである。



拝 啓

山は装うことをやめ、深い眠りに入ろうとしています。
皆様には、益々ご清栄の事と拝察申し上げます。
術後三か月が経ち、冠動脈三本と心臓は定位置に収まり、切った胸骨は元に復したようです。





秋隣神の系譜の執刀医



お茶ノ水の順天堂病院での執刀でありました。
いま改めて生死の境を生きたのだと実感しております。





生死てふ人の営み身に沁むる



生死と向き合い、改めて森羅万象を畏怖し、慄然としております。
新たな営みを賜った気分であります。





儚さや問わず語りの冬の月



ここに「快気祝」を送らせていただき、御心配をおかけした皆様への御礼と致します。
ありがとうございました。
心から感謝申し上げる次第です。
あなたと、あなたの御家族の健やかなる事を祈念申し上げます。

敬 具

                       ニ0一五年十一月吉日

                            本田 茂樹