エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

奄美便り9「土盛海岸」

2014年07月31日 | ポエム
奄美を代表する海岸である。
寄せる波、砕ける波、そして透明な波・・・そのオンパレードである。
地球の清浄さが沁み込んでくる海岸である。



水平線の彼方に、憂さを捨てる。
水平線の彼方から、夢が来るのだ。

波は、そのリフレィンを無意識のうちに重ねていく。



現にあって、ぼくは悠久に遊ぶ。
日差しもほどよいのだ。



土盛海岸(奄美大島)










「仕業見る億光年の夏の波」







この日は、曇天であったけれどこれほど奇麗な海岸である。
土盛海岸は,リーフで守られている。

珊瑚礁は海を鎮め、穏やかに肉体を包む。
リーフの白い波は、母の胎内の結界であるのだ。



浜の白砂は、類い稀である。
しかして、この海岸には「やどかり」が多く生息する。



やどかりが造ったばかりの「巣穴」である。
�惜き出した砂が、まだレアであることからそれが知れる。



この子の巣穴だった。



       荒 野人


岡本太郎の暑さ

2014年07月30日 | ポエム
昨日は、岡本太郎と出会った。
空のキャンバスで、である。

昨日とは、打って変わって雲の峰は影をひそめ雲は大胆に刷(は)かれている。
インクのたまりから、宙に向かって飛びだし、突き出しているのである。



岡本太郎が、ほくそ笑んでいる。
多色で無い事だけが、岡本らしくない。

けれど、彼岸の彼方でモノクロームに目覚めたのかもしれない。



芸術は爆発だ!
と叫んでいる、あの狂気の如きパトスが懐かしくもある。

この空の下で、だがしかし風は涼やかであった。







「蝉時雨浴びて自転車走り去る」







蝉時雨は、あくことなく続いた。
穹では、岡本太郎が遊んでいる。




       荒 野人

雲の峰

2014年07月29日 | ポエム
雲の峰・・・入道雲である。
学名、積乱雲。



実に見事な奴だ!
夏の暑さを象徴するのだが、豪雨の先ぶれになってしまった。
熱帯化する前は、夕立の先ぶれで眺めるのが楽しかったものだ。



この雲を峰と見立てた、先人の感性は脱帽するしかない。
良く見ているのだろう。

写生していると、確かに「雲の峰」だ。







「雲の峰むくむくおどろおどろしく」







この雲などは、おどろおどろしい。
邪まな思惑が感じ取れるではないか。



この雲は、世界全体を覆う。
小さきコスモスであるのだけれど・・・。

しかし、しばらく眺めていたのだが雲の形が変わった。



雲の峰が「ほぐれていく」のだった。



       荒 野人

サルビア

2014年07月28日 | ポエム
サルビアの花は、真紅なのだ。



その赤さが凄い。
鮮烈と言っても良い。
サルビアの赤さは、罪である。

サルビアの花言葉は・・・。
「尊敬」「知恵」「良い家庭」「家族愛」である。

西洋での花言葉「Language of flowers」
「esteem(尊敬、尊重)」「wisdom(知恵、賢さ)」「domestic virtue(家庭の徳)」である。







「いさぎよき罪の色する緋衣草」







サルビア・スプレンデンス (Salvia splendens) はシソ科アキギリ属に属するブラジル原産の草本だ。
標準和名としてはヒゴロモソウ(緋衣草)があるが、あまり使われない。



          荒 野人

奄美便り8「アダンの実」

2014年07月27日 | ポエム
アダンの実は、遠目でパイナップルのようだ。



だがしかし、アダンは木の上で黄色く実るのだ。



奄美の象徴である。
奄美大島の空港のモニュメントは、海亀にのった少年がアダンjの黄色い実を掲げている。



なんとアダンの実にも、花言葉があるのである。
「常に新しい美 」「勇ましさ」 「勇敢」「新しい恋」「繊細な美」「上品な美しさ」「華やか」 などだ。

奄美へようこその看板の横にも、アダンの実が生っている。



不思議な実であるし、何より鮮やかだ。



このアダンは、ホテルの庭である。



誰も拾わない。
実を食べる事は無いのである。







「この島で健やかなりしアダンの実」







このアダンの木はタコノキ科である。
葉っぱと幹は、その繊維で織物をする。
有用な植物である。



      荒 野人