「その後また夜の幻を見ていると、なんと、第四の獣が現れた。それは恐ろしくて不気味で、非常に強かった。大きな鉄の牙を持っていて、食らってはかみ砕き、その残りを足で踏みつけていた。これは前に現れたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。」(ダニエル7:7新改訳)
第四の獣とはローマ帝国のことで、聖書預言から言えば現代はローマ帝国の延長線上にある。そしてローマの特徴は鉄の文明である。それまでの国々は金属器として鉄を使っていたがほんのわずかであった。ところが今日、世界の鉄鋼生産量は年間数百万トンを軽く越える。それは人類が用いる金属の90%を占め、想像もしなかった建造物、武器その他の製品が製造されているのである。しかもダニエルが見たローマは恐ろしく不気味で、鉄の牙であらゆるものを噛み砕いた上、踏みつけていた。つまりこの文明と帝国はいちじるしく攻撃的、暴力的なのである。おまけにローマは武器や軍事力においてバビロンやギリシャなどと比較にならない発達を遂げ、想像もできないものを作り出している。▼バビロン、ペルシャ、ギリシャは動物になぞらえることができた。つまり、ライオン、熊、ヒョウというふうに・・。それらは狂暴ではあるが、まだ地上動物にたとえられた。しかしローマはそうはできない。ダニエルは「それは恐ろしくで不気味で、非常に強かった。食らってはかみ砕き、その残りを足で踏みつけていた」と動物名を当てはめることができずに記している。まさにローマ末期といわれる現代文明はこれにあてはまる。最後にこの帝国から現れる究極の反抗者こそ「反キリスト」よばれる王である。私たちの世界は急速にその極点に向かっていることをおぼえたい。▼残酷で容赦(ようしゃ)しない時代がそこまで来ていると考えたほうがよいであろう。しかし幸いにもその支配は数年しか続かないであろう。いと高き方が彼をほろぼし、聖徒たちが治める永遠の国が必ず到来するのだ。神は貴方がその相続人になることを望んでおられる。イエス・キリストを信じることによって・・・。