「信仰による、真のわが子テモテへ。父なる神と私たちの主キリスト・イエスから、恵みとあわれみと平安がありますように。」(Ⅰテモテ1:2新改訳)
パウロが愛弟子(まなでし)テモテに送った手紙には、やさしさがにじみ出ている。彼は生涯かけて自分について来てくれたテモテに、肉親以上の愛情と感謝をおぼえていた。それは、父なる神がパウロに注がれた愛そのものでもあった。▼この章には「あわれみ」という語が三回出て来る(2、13、16)。ふり返れば、彼が入信以前に犯して来た暴力(ぼうりょく)、キリスト者たちを迫害した行為は取り返しのつかない罪であった。だが神はご自身の恵みとあわれみ、想像もできない寛容(かんよう)によってゆるして下さったのである。だから彼は、どんなに大きな働きをしたからといっても、主の前に誇(ほこ)ることはできなかった。もし誇るとすれば、自分に無条件に与えられた主のあわれみと寛容がどんなに大きいものであったか、ただそれだけである。使徒の心にあふれていたキリストの愛といつくしみ、彼はそれを忠実な弟子テモテにも引きついでもらいたいと願いながらこの手紙を送ったにちがいない。
罪に満てる世界
①罪に満てる世界 そこに住む世人に いのち得よとイエスは血潮流しませり
②罪は海のごとく わが心おおえど 神はさらに強き 恵みもて救えり
③誰ぞ 我の罪をことごとく洗うは 見よ血潮は汝れを雪よりも白くせん
④たえに奇しき愛を 限りなき恵みを 今ぞ誰も受けよ ためらわずそのまま
{折返}ああ恵み 計り知れぬ恵み ああ恵み われにさえおよべり
<新聖歌343 詞:Julia H. Johnston.1849-1919>