しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <ナオミの策>

2024-12-02 | ルツ記
「あの方が寝るとき、その場所を見届け、後で入って行ってその足もとをまくり、そこで寝なさい。あの方はあなたがすべきことを教えてくれるでしょう。」(ルツ記3:4新改訳)

本章は神への敬虔人への誠実さに包まれている。とくにナオミの思慮深さは印象的だ。▼夜、若い娘が畑で休む男性に近づき、足もとをまくって寝るというのは、まかりまちがえば大きなまちがいに至るのは容易(ようい)に想像できよう。ましてルツは出自が淫蕩(いんとう)で有名なモアブ人だ。だが、嫁のルツと十年以上過ごし、その性格と信仰を知り抜いていたナオミは、信頼のうちに策を与えて送り出した。もう一つはボアズの人柄(ひとがら)もよく知っており、まちがいを犯すような者ではないことも見抜いていたからだろう。▼推測(すいそく)だが、ボアズがナオミ、エリメレクと同世代だとすればルツにとっては父親ほど年齢差(ねんれいさ)があることになる。若い者との再婚(さいこん)よりも、夫の家再興(いえさいこう)と信仰を第一にするモアブ出身の娘に、ボアズはひじょうな感動をおぼえたのであろう。こうしてダビデの系図が続くことになった。(このエッセイの前に、ぜひ3章全体を読んでほしい)