おはようございます!経営コンサルタント 中小企業診断士の藤田雅三(フジタ マサカズ)です。
先日の日経MJに次のような記事がありました。
「家電ヤマグチ高値でも繁盛」
・東京都町田市の電気店「でんかのヤマグチ」
・粗利率は約39%と量販店より10ポイント近く高い。
・小売業では一般的に”利は元にあり”と言いますが、私の発想は”利は売価にあり”。うちは高売りの店なんです。
(引用:2012/10/05 日経MJより)
とのことです。
ポイントはいかに顧客を絞り込んで、手厚いサービスを提供するか、のようです。
その顧客管理は
1.クレームが多い客、極端な値引きを求める客をリストから外す。
2.累計購入金額を「100万円以上」「30万円から100万円」「30万円未満」の3つ、最終購入時期を「1年未満」「1年以上3年未満」「3年以上5年以内」の3つに区分。
3.9つのマトリックスに顧客を分ける。
4.「1年以内に購入し、累計購入金額が100万円以上」の顧客らには重点的に訪問営業やDMを配布する。
5.逆に5年以上購入していない客はどれほど昔なじみでも顧客データベースから外す。
6.絞り込みは半年に1回必ず行う。
7.重要度の高い顧客への販促を徹底する一方、新規顧客の開拓は基本的に口コミや紹介に任せる。
とのことで、現在、1年以内に購入し累計購入金額が100万円以上の客は全顧客の22%も占めるのだそうです。
ここで結構重要なのは上記7.の新規顧客の開拓だと思っています。口コミ紹介をいかに多くいただけるか。
いかに既存のお客様を大事にしても、自然減は必ずありますから、常に新規のお客様を開拓していくことは重要です。
SランクAランク顧客に手厚いサービスは当然ですが、反面、「顧客の刈り取り」「重ね売り」のしすぎにならないよう注意が必要です。
ヤマグチの新規顧客は、口コミ、紹介で1ヶ月平均60~70世帯増えているとのことですからすばらしいですね。
最終購入時期と類型購入金額の9マトリックスで顧客をセグメンテーションしているということで、いわゆるRFM分析のような感じでしょうか。
RFM分析は、Recency(最新購買日、最後の利用日)、Frequency(累計購買回数)、Monetary(累計購買金額)の3軸でセグメンテーションするわけですが、そのうちRとMで2軸3分割で9つのマトリックス分析をしているみたいですね。
ヤマグチがこうしたやり方にしたのは10数年前で、家電量販店が攻めてきた際に、当時3万人以上いた顧客を1万人強に絞り込んだとか。たしかに売上は落ちたようですが利益率が高まり、経営効率としては良くなったそう。
ヤマグチがすごいのは、こうした絞り込みだけでなく、顧客台帳への情報管理のきめ細かさ、社員12名がそれぞれ担当を400~500世帯持ち、各家庭の情報(家電製品のメーカーや購入時期の把握)を把握、買い換え提案にこれらのデータベースを活用しているようです。
そして極めつけは「裏サービス」。
ヤマグチの名刺の裏には、「家が留守になるが・・・心配!花の水やりを頼めるかな?・・・OKです!」と書いてあるそう。
雑多なよろずや相談を無料で月に数回程度引き受けるという、地域密着なサービスを付加していることも大きなポイントのようですね。
高齢化が急速に進む日本にあっては、こうした地域密着、出張、手厚い、といった裏のサービスを自社に如何に採り入れていくかがポイントになるのかもしれませんね。
見習いたいものです。
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経済産業大臣登録 中小企業診断士
NPO法人金融検定協会認定 ターンアラウンドマネージャー
JHTC認定 HACCPコーディネーター
藤田雅三