ファチマの聖母の会・プロライフ

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『胎児も立派な人間です』 3.心理学的証拠

2017年06月03日 | プロライフ
3 心理学的証拠

(注記:以下の質疑応答は1990年に人工中絶を経験したことのあるパメラ・カーにインタビューを行った際のものです。)

問: あなたは人間の生命が壊されているという感じがしましたか。もし、そうお感じになったのでしたら、それについて説明をお願いします。

答: 人工中絶を行う施設は、胎児のあらゆる組織および/又は物質(matter)を廃棄処分する権利を認める書類にサインするよう言われたことを記憶しています。どうしてこんな書類にサインしなくてはいけないのかと自問したことを覚えています。手術室に連れて行かれたとき、無知のベールが取り払われました。私は気づいたのです。自分の赤ちゃんを殺してしまったと。

人工中絶を受けたことのある女性、その夫または「愛人」ならびに医療関係者は調査の結果、ある人を失ってしまったという感覚、およびその他人工中絶にまつわる否定的な感情を抱くことが知られています。また人工中絶のあと、自殺志向の感情が生じることもあります。
以下の資料は、胎児の人工中絶に関連する感情がどのようなものであるかを示すものですが、その中には人工中絶の前、最中、そしてとりわけその後に見られる心理的証拠を含んでいます。
(中略)

3.1 人工中絶トラウマ
人工中絶トラウマとは、中絶の後に続いて起こる典型的な感情群のことです。「人工中絶トラウマ」という言葉は、次のような感情を含んでいますが、これが全てというわけではありません。
憂鬱(感)
後悔
悲しみ
罪悪感
喪失感
恐怖(悪夢あるいは突然起こる追想の際に経験される)

3.2 女性と人工中絶
最近、雑誌や新聞に掲載された数々のエピソードは、人工中絶に続いて起こる女性の感情的および心理的状態を明らかにしています。これらの記事は多岐にわたっていますが、自分の人工中絶する決断について否定的な感情をあらわした数多くの女性の体験から取られているという点では共通しています。彼女たちが体験した感情とは重度のうつ[憂鬱感]、罪悪感、悲しみ、喪失感などです。若干の女性の体験談は、彼女らが人工中絶トラウマの徴候(となる症状)を少しももっていないことを示唆するものです。しかし、多くの研究は、往々にして女性は人工中絶に続いて生じるつらい感情を抑圧ないし抑止してしまうという結論に達しています。例えばカナダで行われた研究は、アンケートの際には人工中絶後、いかなる悔恨の念も抱かなかったとしていた女性たちが多くの場合、人工中絶後生じた深い感情的・心理的影響を隠し、あるいは抑圧していたことを確証しました。次のウィルケ著『人工中絶Q&A』からの引用は、この研究についてふれています。

問:しかし、大部分のアンケートの結果は、ほとんど感情に関しての問題がないことを示しているのではないのですか。

答:はい。しかし、人工中絶について女性が実際に心の最も深いところで感じることは、その同じ女性がアンケートに答えて言うこととは、非常に異なるのです。カナダのある研究では、一定数の女性を選んで質問し、そのグループの中から無作為に半数をぬき出し、何の[感情的な]問題もないと言っている彼女たちに深層心理療法を受けさせました。カナダの研究の結果は以下のことを含んでいました。

心理療法をとおしてあらわれてきたことは、[アンケートの結果とは]まったく対照的でした。それは当の女性が人工中絶を不可避かつ唯一の[選択可能な]行動として理性的に考え、見なしていた場合も同様です。」これにより、意識的かつ理性的思考によって正当化された人工中絶の決断は、それに対する最も深いレベルでの拒絶と共存し得ることが証明されました 。この記事は、次のように続けています。「表面上の見かけに関わりなく、人工中絶はより深い感情、すなわち「いずれの場合にも激しい苦痛、悲嘆、および胎児と自分とを同一視する感覚を含んだ
を後に残すのです。」

以下は人工中絶の後、女性たちが共通して訴えた感情的・心理的症状の例のごく一部です。

女性たちは人工中絶の後、時には自殺を考えるほどの憂うつ感に見舞われます。何千という数の、この種のケースが報告されていますが、次のエピソードはその一例です。ある女性は、こう述べています。「私が憂うつを感じ始めたとき、それは本当につらい時でした。人工中絶のことが心の中にあらわれ出しました。つまり、自分が人工中絶したという意識です。それは非常に長い間抑圧されていました。夫は私が人工中絶をしたということを全く知りませんでした。そのことを私は誰にも打ち明けていなかったのです。それはただ、私の過去の一部でしかなかったのです。私がついに夫にそのことを言うときがやって来ました。と言うのも、そのときには、すでに私はほとんど何も出来ないような人間になっていたからです。私はただ椅子にこしかけて一日中壁を見つめ、どうしたら自殺できるかと考えていました。 」

別の女性は、こう言っています。「そのとき、私は学校をやめました。そのとき、私は自殺しようとしました。そのとき、私はどんな人間関係も続けていくことができなくなりました。家族とも、ボーイフレンドとも、友達とも。そのこと[人工中絶したこと]のために、全てが崩れ去ってしまいました。 」

もう一人の女性は、同様に激しい憂うつ感に襲われました。
「私は、この名門大学の教員という立場にありましたが、それでもこの自己嫌悪の念をふりはらうことができませんでした。ですから私は、家族が私を拒絶したとき、もう自殺しようと決めました。」

あるレポートは、2人の10代の母親が人工中絶の後、「自分の赤ちゃんが産まれることになっていた、その同じ日に自殺を図った」と伝えています 。

後悔と悲しみ
人工中絶を経験した女性がしばしば経験する他の徴候は、後悔と悲しみです。
人工中絶[手術]の後、私はすぐに後悔と悲嘆を感じて目を覚まし、叫び声を挙げたのを覚えています。そして私はそんな状態に耐えられませんでした。私はそこから抜け出さなければなりませんでした。」

別の女性は言っています。
「自分の赤ちゃんが子宮から引き剥がされる感じは、これまで経験した最悪の感覚の一つでした。機械が私の内側にあるものを吸い出そうとする間、体の中では全てが、引き出されるのを逃れようとして盛んに動いていました。その振動を感じて、私はものすごく気分が悪くなりました。自分がどれだけこれに耐えられるのか定かではありませんでした。カウンセラーは、私の動揺に気づいたに違いありません。彼女は、もうすぐに終わると言って励まそうとしてくれたからです。私は彼女の手をつかみ、強く握りしめました。機械が止まるまでの間...。クリニックから出てきた私は、まるで自分がつい今まで悪夢を見ていたように感じました。私は卑しめられ、保護をうけ、辱められ、つまらなく、堕落した存在であると―つまり、女性が体験し得るもっとも否定的な感情のすべてを味わったのです。私はあまりにも気分が悪く、[手術が終わって]ほっとすることさえありませんでした。

罪悪感
罪悪感は、女性が人工中絶の後にしばしば経験するもう一つのつらい感情です。ある女性はこう言っています。
「私がこの人工中絶の後、3、4か月の間なんとか対処しようとしながらできないでいる苦痛、つまり私の中に巣食い、どうしても取り除くことのできない自己嫌悪と恐ろしい罪悪感...」

罪悪感が人工中絶の後にしばしば現れることは、医学的研究によっても確証されています。例えば、「アメリカン・ジャーナル・オブ・サイカイアトリー」誌は「患者たちは明らかに、人工中絶以前にはよく機能していたが、その後、人工中絶に対する罪悪感によって引き起こされた種々の精神病を経験した。」 と、伝えています。

喪失感、突然の想起、悪夢、およびその他の否定的な感情
人工中絶後の女性が経験する感情には、しばしば喪失感が含まれ、この感情は突然の想起、悪夢などを伴います。「選択」という著書の中で、「人工中絶の合併症」を論じるジュディー・ブラウンは、こう述べています。
「ミネソタ大学のアンヌ・スペックハード博士による研究は、人工中絶をした女性の半数以上が中絶の体験に関連した悪夢や突然の想起に悩まされていることを発見しました。ほぼ4人中1人が幻覚を体験しています。35パーセントの女性は、死んだ赤ちゃんが夢や幻のかたちで戻ってきて現れると信じています。 」
この問題についての他の心理的研究は、人工中絶後のストレス障害についての、更なる証拠を提供しています。


3.3「父親になるはずだった男性」に対する人工中絶の影響
トラウマ後のストレス障害
それでは、もし人工中絶が行われなかったら、当の赤ん坊の父親となるはずだった男性についてはどうでしょうか。

複数の研究の結果は、男性も、特に自分の子供が人工中絶されたことを知ったとき、激しい否定的な感情を経験することを示しています。様々な理由により、胎児の解任に関わった男性は時として、人工中絶について全く何も知りません。これは第一に、女性が人工中絶のことを極秘にしておこうとすることが原因です。その結果、男性が自分の子供の人工中絶に対して示す反応については、女性の場合より、少ない報告しかありません。自分の子供が人工中絶されたことを知った男性に生じる人工中絶のトラウマ的影響の典型的なケースを以下に示します。この述懐は、胎児が人間であることの更なる心理的な証拠となっている点で非常に重要です。

ベトナム戦争の退役軍人が、説かれることの罪悪感や抑圧した感情のために、どんな風になってしまったかをきっとあなたは読んだことがあるでしょう。それは「トラウマ後ストレス障害」と呼ばれています。これは基本的に、彼らを取り巻いた市と暴力に対する激しい反応を心から消し去り、抑圧しようとする結果生じるものです。そしてこれは、私が妻の人工中絶に対して示したのと同じ種類の反応でした。私の場合、妻と一緒にクリニックから出て行くとき、ことが終わったのではありませんでした。
もう1人別の父親となるはずだった男性は、人工中絶するという妻の決定に同意したこの男性は、クリニックに入る前の体験をベトナム戦争中、彼が経験した感情の同様になぞらえて語っています。
「あの待合室に入っていくときの感じをけっして忘れることはないだろう。私はこの感じのために、その場を離れなければならなかった。私は、自分がそこで感じるだろうことについて直接の知識があったのだ。」

私はベトナム戦争末期(1970―73年)に兵士として加わり、陸軍を辞めた後は、救助隊で働いていた。私が人工中絶のクリニックで感じたのは死の空気だった。救いのない漢字、そして絶望がきりのようにかかっていた。私はそこにいることができなかった。妻にもそこにいてほしくなかった。

この男性と彼の妻とは、人工中絶をすることなしにクリニックを立ち去りました。とは言っても、彼は「自分自身のオフィスで人工中絶をしてくれる医者に診てもらう」ことに決めたのでした。始めのうち、その医師のオフィスの「優しく」、「こざっぱりとした」雰囲気は、とてもよく思われました。人工中絶は「滞りなく」済み、「そして、その日の午後は、妻と私が結婚生活の中で過ごした最も親密な時間の一つだった。すべてが済んだ。あるいは、そう私たちは思った。」
多くの人工中絶をした男女の場合と同じく、長く残る人工中絶の感情面での影響は、この2人の結婚生活を破壊してしまいました。男性はそのときの心情を次のように描写しています。
「その頃ずっと罪悪感が私の心を責めさいなみ、私は軍隊で非常にうまくやっていたことをしなければならなくなった。私は心を頑なにし、自分の感情を押し隠したのだった。だが私は感情にいつもフタをしておくことはできなかった。ちょうど兵役についていた頃の押し隠された苦痛と嫌悪感が時おり火山のように爆発したように、子供失った苦渋も火をふいてでてくるのだった。
この夫妻は人工中絶の1年後に別居し、その数か月後離婚しました。人工中絶は彼らの離婚の唯一の原因ではないとしても、たしかにその引き金となったのです。この男性は自分の体験談を次のように結んでいます。
妻と私がこの決断[人工中絶についての決断]に直面したとき、私たちは診療所からも、中絶クリニックからも、事実を聞かされていなかったのです。誰も私たちに、人工中絶が後々までおよぶ影響を残すとは言いませんでした。誰も私たちに、人工中絶に関わった人の多くが、中絶そのものが済んだ後も、罪悪感、憂鬱、後悔の念に苦しんでいるとは言ってくれなかったのです 。
この男性は、人工中絶は人生において「長い影響をもたらす決断」 の一つであると考えるようになったと述懐しています。

3.4 医療従事者からの証言
悲しみや、生命を失わせたという感覚といった消極的な感情は、人工中絶に携わる医療従事者の証言においても、はっきりと表れています。そしてこのことは胎児が人間であるという事実の心理的証拠に、さらなる重みを与えます。たとえば、人工中絶手術についてある看護婦が率直に語っていることを聞いてみましょう。

私たちは、ここで人工中絶をしています。それが私たちの仕事のすべてです。時々、もうこれ以上、[胎児の]血まみれの残骸の入ったボウル[たらい]を手にすること、[人工中絶を行った女性へ]優しい、励ましの言葉をかけることに耐えられないと感じる、気だるく、殺伐とした瞬間(とき)があります。ですから私は処置室を後にして、新たなカルテを取りに行くのです...。[そして]もう一つ別のボウルを準備します。また一つの手短で心をささくれ立たせる[生命の]喪失です。」

この看護婦はさらにこう自分の気持ちを伝えています。「女性のふくれ上がった腹部がぎこちなく流れる数秒間の中に元の柔らかな状態に戻っていくのを見て、私自身のおなかも悲しみで急変します。」 さらに、彼女は「けれども多くの女性は、その音を聞くとき、悲嘆の大海が自分の下に開けるのを感じるようです。」

別の記事は医療従事者が胎児が単なる「かたまり」でないことをわきまえているという事実を明るみに出しています。人工中絶を執り行った医師についてのこの記事には、次のようなくだりがあります。
『人工中絶の後、医師は残余物を調べて胎児の全ての部分と胎盤とが取り除かれていることを確認しなければなりません。何であれ、子宮内に残る組織があれば、感染の原因となってしまいます。ブース医師はsocの中身を浅い皿に絞り出し、指であちこちつつきました。「ほら、ちっちゃなちっちゃな手が見えるでしょ。」と、彼は言いました 。
同じ職場にいる別の従業員は、こう言いました。「私たちはみんな、それ(人工中絶された胎児)が形が無ければいいと思っている。だけど[実際は]そうじゃない...。そして、それは苦しいことだ。大きな感情の痛みがあるんだ。」』
これらの証言は人工中絶の際に人間[の生命]が失われるという意識があることを証明しています。医療従事者はしばしば、術後に感じる悲しみ、およびその他のネガティブな感情について物語っています。

外科医のマグダ・デネス氏は自著の研究の中で人工中絶は悲しみであると同時に必要なことであると主張しています。同氏によれば人工中絶は必要なことです。なぜなら、女性はこれを必要としているのだから。そして、それは悲しみです。なぜなら、人間の生命が取り去られてしまうのだから 。

別の医師は『沈黙の叫び』(人工中絶についてのドキュメンタリー)有名な映画を観た後、非常に「気分が悪く」なりました。この医師は映画の製作者であるナタンソン医師の同僚でした。しかし、ナタンソン医師が人工中絶を行うのをやめたのに、この医師はそれを続けていました。この映画を見るまでは...。

ジャーナリストのジム・エドワーズは同映画がこの医師に与えた心理的影響をこう表現しています。「しばらくその映像を見るだけで十分だった。超音波技術者と同様、人工中絶手術を行ってきたこの医者はスクリーン上で見たことのために。

『沈黙の叫び The Silent Scream』(1984)は、YouTubeでも視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=4Hb3DFELq4Y




バーナード・ナサンソンは産科医で、妊娠中絶を推進するNARAL(National Abortion Rights Action League 妊娠中絶権擁護全国連盟)の創始者でしたが、中絶で何が起こっているかを深く知るにつれ中絶反対の活動家に転向しました。

ナサンソンは、『理性の陰り Eclipse Of Reason』という続編映画も製作しました。
YouTubeでも視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=_nff8I2FVnI


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