カラスといちごとクロッカスと

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アライグマと、庭で出会った

2022年10月08日 06時30分10秒 | アライグマ
2022.05.30撮影

わたしの住むカナダの西海岸、バンクーバーには、アライグマ(洗熊 Procyon lotor)がたくさん住んでいます。

土の中を探っていたり、人間のゴミを漁っていたり、します。人の多いところに住んでいるアライグマは、エサをくれるのではないか、と人間に近寄ってきたりします。わたしは見たことがありませんが、木にも登るし、必要なら、泳いだりもするそうです。

アライグマ

微笑ましいのは、親を先頭にして子どもが5〜6頭も高い塀の上をバランス良く歩いていたり、家族で戯れていたり、することです。周りに人間がいるのは、全くお構いなし。

人間の家屋の一部に潜り込んで寝ぐらにしたりすることもあります。すると、ペスト・コントロール(野生動物駆除屋さん)を雇うことになります。ここカナダでは、アライグマは「処分」されるのではなく、人の少ない遠隔地に放されることになります。アライグマ一家全てを一度に捕獲するのは、なかなか大変で、専門知識と技能と道具が必要なようです。

うちのあたりでは、前は、アライグマはほとんど見かけなかったのですが、ここ数年、住環境の変化に伴い居住範囲がこちらへ移動・拡大してきたのか、あるいは、何らかの理由でこの地域で個体数が増えているのかもしれません。

それぞれの個体の縄張りは交差するらしく、交差する部分で出会うオスとメスが仲良しし、結果、多夫多妻になるそうです。ほお、オス、メス、平等か、と思えば、オスは子育てに全く関与しないそうで、なんだ、そういう動物、多いよね、となります。

今年の5月の終わり(5月30日)に、うちのリビングの窓から、お隣の広い敷石の上に、アライグマがいるのに気づきました。基本的には夜行性の動物が、臆した様子もなく、芝生と敷石だけの隠れるところがない空間に、まだ「陽の高い」うち(カナダの夏時間の午後8時)から突っ立っているんだ、とびっくりして、すぐに、二重ガラス窓越しですが、撮影しました。それが冒頭の画像です。

その数秒後に向きを変えたのが、次の後ろ姿です。わたしのうちとは反対方向に直ぐに歩み去って見えなくなったので、その時はそれで、大胆なアライグマがいることだ、ということは忘れました。

2022.05.30撮影

上2枚の画像を撮った20分後(これは後で撮影時間を見てわかったことです)、うちの前庭に何やら動物がいることに気づきました。以下の画像が、数日前の記事の冒頭でご紹介した画像です。これも、リビングから二重ガラス窓越しに撮りました。

ケモノさんを、リビングから見た ⑴

2022.05.30撮影

その後、すぐ、お顔を見せてくれたために、このケモノさんがアライグマであることがわかります。そして、最終的には、このアライグマさんはわたしの庭から出ていきました。

ケモノさんを、リビングから見た ⑶

さて、8月も末(8月20日)に迫り、バンクーバー市の今年の散水制限はつらかったなあ、もう庭がカラカラよ、どうしよ、と思いながら、ふらふらと前庭の東の敷石(上の画像に写っている敷石)の上に歩いていきました。そして、そこで、画像で言うと左を向いてたたずみ、自分の空間を楽しんでいると、

わたしひとりじゃないじゃないですか、この空間にいるのは。でっかい生き物がそこにでんと座っている。わたしのほんの目の前の、いろいろな植物が植わっているはずのところに(季節のまだ早い、上の画像には、それらの植物が見えます)。あんまり至近距離だったので、あんまり怖いものはないわたしも、ぎくっとしました。

すぐにその生き物がアライグマであることがわかり、それにしても大きいわあ〜〜、オスの大きく成長したのからしら、存在感あるわ〜〜、近寄らない方がいいわね、とか思いながら、実は、白状すると、わたしは固まっていたんです。

すると、そのアライグマのでっかいのが、わたしを見上げた後、わたしは存在しないかのような風情で、のろのろと動き出しました。別に、わたしから逃げているわけでもないのです。

そして、それが動いた後見えたのは、お尻の乗っかっていたところ。土がハゲハゲ・・・

2022.10.07撮影

上の画像は、その時に撮っていなかったので、今、庭に出て撮ってきました。今は、もう落ち葉が始まっていますが。

上の画像に見えるチューリップ(Tulipa)は、どこに植わっているか分かるように、わざと硬い茎をやや残して切ってあったんですが、見えない! スイセン(Narcissus)類が消えちゃったのは分かるにしても、なぜここまでむき出し? アヤメ(Iris sanguinea)をこんなになぎ倒して・・・もっと手前にも、アヤメはあったはずなんですが。そこ、変、と最近思ってたんです。

2022.06.06撮影

立ち上がったアライグマさまは、その後、わたしの存在には全く興味ないように、庭のあちこちを、ゆっくりと、こっちへ来たりあっちへ行ったりしました。つまり、去っていくのではなく、庭中を思うがままに動いていたんです。

わたしは固まったまま、この大きいアライグマを目で追うだけでしたが、それがケモノ道の発見につながりました。

アライグマが立ち去った後、わたしは、前庭中を周り、ケモノ道を確認しました。

次の、前にもご紹介したケモノ道の画像は、かなりな本数あるケモノ道のうちのひとつです。

ケモノ道じゃあ
2022.08.20撮影

その後、アライグマの観察を続けたところ、わたしの前庭は、若いオス(推定)とこの大きいオス(推定)の縄張りが交錯している土地のようです。さらに、裏庭には、メスが訪れ、現在(10月)の時点では、子どもを5匹ほど連れています。

なお、大きい方のオスは、後ろ脚が1本ないようです。それで、特に動きが遅く、座り込むことが多いのかもしれません。座っている時、いかにも「よっこいしょ」という感じなんです。

若い方は、体が小さめ、細め、なので、ネコかとも取り違えてしまいます。頭部を見れば間違うことはありません。

アライグマに関しては、もっと書きたいこともありますが、今回は、ここで一旦置きます。



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