2022.07.17撮影
学名 Campanula persicifolia
英名 Peach-leaved bellflower「桃の葉の形の葉をした鐘型の花」
和名 ないもよう
キキョウ科(Campanulaceae)ホタルブクロ属(Campanula)
キキョウ(桔梗)科のうちでもホタルブクロ(蛍袋)属の種の和名を見てみると、
・〜ホタルブクロ
・〜ギキョウ
というのが、多いです。ですから、和名のないホタルブクロ属の種は、「ホタルブクロ」「ギキョウ」のどちらにしてもいいのだと思います。
属名からすれば、「〜ホタルブクロ」の方がいいのでしょう。でも、科学的な学名が決まる前に、ホタルブクロ属の各種は、民間で「〜ギキョウ」と呼ばれていたのですから、「〜ギキョウ」が間違い、という言われはどこにもありません。
どちらで呼ばれるかは、花の形に関係あるか、「〜ホタルブクロ」と呼ばれる方が細めのラッパ状で、「〜ギキョウ」の方がキキョウの形に近いのか、とも思ったのですが、そうでもないようです。
2021.06.21撮影
今日ご紹介の植物は、学名(Campanula persicifolia)にも、英名(Peach-leaved bellflower)にも、「桃の葉の形の葉をした」という形容が入っています。これをつづめて「モモバ(桃葉)」というのはいかがでしょうか。
そして、「〜ホタルブクロ」とするか「〜ギキョウ」とするかは、わたし個人で考えでは、この「モモバ」は、「ギキョウ」がいいと思います。「モモバギキョウ」。うん、れっきとした和名に聞こえます。
2021.06.03撮影
モモバギキョウ(仮名)(Campanula persicifolia)とキキョウ(Platycodon grandifloras)は、分布がはっきりと分かれています。モモバギキョウはヨーロッパが原産地、キキョウはヨーロッパから遠く離れた東アジアが原産地です。
以下の、イギリスの「王室植物園キュー」作成の、原産地の分布図をご覧ください。緑に塗られたところが原産地で、赤紫のところは導入から野生化に至った地域です。
(上のキキョウの分布図を見てみれば、東アジア原産のキキョウがヨーロッパのオーストリアだけでポツンと野生化しています。なんで??? キキョウを恋焦がれたオーストリア在住の日本人が、種子の密輸をして、野原にばらまいたんでしょうか。)
このように、この2種は分布がはっきりと分かれているので、Campanula persicifolia を西洋のキキョウであると捉え、「モモバホタルブクロ」ではなく「モモバギキョウ」と呼んでいいと思うのであります。
2021.07.25撮影
上の画像は、軸が倒れているけれども、元気に咲いている個体です。「モモバギキョウ」は、なぜか、根が上へ、上へ、と上がっていく習性があり、そのために、根の部分がむき出しになって、そこから倒れてしまうのです。おまけに、花が多く咲くと、上の方が重くなって、倒れる原因にもなります。
上の画像に見える葉の形を、次のリンク先のモモの葉とお比べください。
次に、やや色調の異なる花をふたつ続けてどうぞ。メシベは、キキョウが5裂するのとは異なり、3裂します。
2022.08.14撮影
2021.07.28撮影
次は、マルハナバチ(Bombus)が潜り込んだところです。花粉がいっぱい花びらに落ちています。
2022.08.14撮影
白花のもどうぞ(下の画像)。
画像中の赤紫の小さい花の集まりは、キンギョソウ(金魚草 Antirrhinum majus)の親戚、リナリア・プルプレア(Linaria purpurea)です。
2013.06.12撮影
上の画像の上半分には、白花のツボミがふたつ見えます。紫の花のツボミは、冒頭の画像の右下部分に見られます。3番目の画像に出ているツボミを、下に拡大してみます。
2021.06.03撮影
ツボミの形が、ホタルブクロ(蛍袋 Campanula punctata)のツボミのように「つぼんで」いますね。あ、しまった、それなら、「モモバギキョウ」ではなく、「モモバホタルブクロ」と命名するべきであったか。でも、開いた花の形はキキョウにそっくり。花の形をとるか、ツボミの形をとるか、、、