カラスといちごとクロッカスと

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キウイは、マタタビじゃあ

2022年10月03日 07時19分20秒 | キウイ
2021.06.22撮影(毛深くて赤い若い枝、右背景に見える太い幹)

3日間(9月30日〜10月2日)、キウイについて書いてきました。

キウイには性別があるのか
キウイフルーツの成長
キウイの収穫と、それから後

今日は、キウイの植物としての分類について書いて、キウイについての連載を終わりにします。画像には簡単な説明をそれぞれつけておきます。

2013.06.12撮影(縦に伸びる成長した枝、横に伸びる木化した枝)

うちのキウイフルーツは、果肉が緑の最も商業ベースに乗っているActinidia deliciosa です。deliciosaなんて、すごい名前ですよね。英語で言うと delicious(美味しい)。

でも、キウイフルーツって、マタタビ(木天蓼)の1種なんですよ〜〜 マタタビって、ネコがアレする? そう。キウイフルーツって、「美味しいマタタビ」!!

マタタビ科(木天蓼属科 Actinidiaceae)マタタビ属(木天蓼属 Actinidia)に属する近縁種をWikipediaの「マタタビ属」から抜粋引用します。名称ごとに、印分けします。

◯ マタタビ(木天蓼 Actinidia polygama)
◯ ミヤママタタビ(深山木天蓼 Actinidia kolomikta)
◯ オニマタタビ(鬼木天蓼 Actinidia chinensis):中国原産
□ シナサルナシ(支那猿梨 Actinidia chinensis)【オニマタタビの別名】
□ タイワンサルナシ(台湾猿梨 Antinidia callosa):台湾原産
□ サルナシ(猿梨 Antinidia arguta)
☆ キウイフルーツ(Actinidia deliciosa):中国南部原産

2022.09.28撮影(緑のキウイフルーツには毛、葉柄は赤)

以上の和名を見てみると、命名法が統一されていない。学名ではないのだから、当たり前かもしれませんが。

・中国原産のものが「シナサルナシ(支那猿梨)」
・台湾原産のものが「タイワンサルナシ(台湾猿梨)」
と命名されているのなら、
・中国南部原産のキウイフルーツは「ミナミシナサルナシ(南支那猿梨)」
と命名されるべきだと思うのですが、、、

また、なぜ、Actinidia deliciosa だけが、「キウイフルーツ」という、「〇〇サルナシ」でも「〇〇マタタビ」でもない和名になったのでしょうか。それは、多分、和語を使った和名が出来上がる前に、「キウイフルーツ」という言い方が食べ物として日本で流布したからだと思います。いや、でも、それは、学問的に見て、軟弱だあ。

「キウイフルーツ」という名称は、「美味しいマタタビ(Actinidia deliciosa)」を栽培するニュージーランドの農家たちが、輸出用に命名したものです。ニュージーランド特産の鳥キウイの姿にちなんだ、という説と、単にニュージーランドと言えば鳥のキウイ、というので選んだ、という説と、ふたつあります。

2022.09.28撮影(車庫の周りをはっているキウイの「カーテン」、この裏に果実)

次に人間の食用になるものをまとめてみます。

・キウイフルーツ(Actinidia deliciosa):キウイフルーツ
・シナサルナシ(Actinidia chinensis):ゴールデンキウイ
・サルナシ(Antinidia arguta):キウイベリー(コクワ)

このうち deliciosa「美味しい」が果肉が緑の普通のキウイフルーツで、わたしが今までお話ししてきたものです。そして、chinensis「シナの、中国の」が果肉が黄色いゴールデンキウイ。と言っても、食用として販売されているものは、両者とも、果実がより大きく、より美味(びみ)なように品種改良されたもの。

2022.09.29撮影(伸びた枝の剪定は成長期に5回ぐらい)

そして、最後に挙げた arguta「あざけりの」というのは、植物の和名でよく使われる「イヌ」とか「コ(小)」とかに当たるのかな、と思いますが、Antinidia arguta にはちゃんと和名があって、それは、サルナシです。(「サルナシ」って、ひょっとして「サル」と貶めた「ナシ」?) あるいは、地域によっては、コクワといいます。(これも、「コ」と貶めた「クワ」?) 

英語では kiwi berry「キウイベリー」と言います。「ベリーのように小さなキウイ」という意味です。

このキウイベリー、わたしは、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州にあるカナダ国営の農業試験場へ行った時、そこで育てられているのを試食させてくれたことがあります。その時は、まさか、日本にある植物だとは思いませんでした。味は、まあ美味しいかな、と思いました。大きさがやや大粒のブドウを扁平にしたぐらいで、ひと口に入れるのにはちょっと大きいと思い、かじって食べたのを覚えています。畑の向こうの原野には、子グマ2頭とその母グマが遊んでいました。

2021.06.04撮影(花盛りの雄花)

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