湘南の海は入るには少々濁っていますが、眺めるのには最高の海だと思っています。
新宿から小田急線で1時間ほど揺られれば着いて、ぼんやりと眺めることができる。
ここまで手ごろな海はないのではないでしょうか。
私の思う、湘南のいいところその一。
東京湾のように工場やタンカーなど産業を彷彿とさせる景色が皆無であること。
三浦半島が海洋に突き出している影響で、東京湾に出入りする大型船やタンカーははるか沿岸を通っているために見えないのです。
海に浮かんでいるものといえば、ヨットか小さな漁船くらいなもの。
とてものどかな風景です。
その二。
江ノ島や富士山、烏帽子岩といったアイコンがあること。
全く何もない自然風景というのも、拠り所がなくて飽きてしまうというもの。
湘南の海には浮世絵にも描かれた江の島の不可思議なシルエットをはじめとして、目を引くものがいくつかあります。
順光であったり、逆光であったりと季節や時間によって見え方が変わり、周囲の海と合った、ここだけの風景が見られることも重要です。
その三。
訪れるたび、空の色や雲のかたちが異なることを気付かせるほどに視野が広い。
先述したように江ノ島や、適度に突出した崎はあるものの、基本的に見えるのは海と空。
いつ来ても波の荒さとか空の色とか、以前と異なる景色に出会うことができます。
日常ではなかなか気づくことのできない自然界の色や音に敏感になることができます。
そんなこんなで、私の好きな、湘南の海の紹介をします。
海と江ノ島と富士山がセットで望むことができるのは稲村ケ崎。
突き出た崎の西側は公園として整備されており、ゆったりとした時間の中で海を眺めることができます。
ただし、トンビが多いのでお弁当を広げるのには向いていません。
富士山はなかなか都合よく現れてはくれませんが、空気の澄んだ冬場の朝夕にはよく見えます。
晴天の日は月もみえたりします。
街灯にはいつも鳥がとまっています。
日によってトンビだったりカモメだったり鳩だったり・・・
波の強い日はまるで北斎の絵画のよう。
激しい音を立てて押し寄せてきます。
基本的に海岸の砂浜には降りることができるのですが、危険で降りられない日もあります。
江ノ島のある西側に目を奪われがちですが、東には葉山の街が見えます。
三浦半島が奥の方まで続いています。
小さな川が海へと注いでいます。
砂浜を流れる川の水はとても澄んでいます。
じわじわと日が傾いてくると、砂浜の彫が深くなってちょっぴり荒野のようでかっこよい。
空の色が、なんとも言えない不思議な色へと変化していきます。
その2へつづく