Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

夜の江の島散歩

2015-09-28 20:29:20 | 鎌倉日和



江の島といえば、老若男女が訪れる一大観光スポット。
休日ともなれば参道は多くの観光客で溢れかえり、江戸時代にも負けず劣らずの盛況です。

そんな江の島も、夕方以降は比較的静か。
神社や土産物屋さんは閉まってしまいますから、多くの人は夕日を見るか見ないかの時間に帰ってしまいます。
そのため、見物する場所は少ないですが、ゆっくりと島内を散策するには最適です。

普段とはちょっと違ったすがたを見ることができるはず。



山頂付近や稚児ヶ淵で見る夕陽を序章にして、散策を開始します。







江の島は起伏の多い土地なので、日が沈むと山に隠れた東側の地域や、谷となっている場所ではすぐに暗くなります。

参道に並ぶ土産物屋さんも店じまいを始めて、観光客は本土へと帰っていきます。









階段の多い島内の参道には街灯が設置されているので安心です。
行き先をぼんやりと照らしてくれます。

街灯にはトライフォース・・・いや、北条氏一門の家紋である三つ鱗が黄緑色に点灯しています。


「江ノ島灯籠」の季節には街灯に加えて、道端には点々と可愛らしい灯籠が設置されています。

三つ鱗はもちろん、江ノ島の伝説に基づく、天女や五頭龍が描かれた灯篭もあります。








宵の江の島さんぽのお楽しみ。
それは黄昏時の短い間に浮かび上がる、富士山のシルエットです。

江ノ島弁天大橋や稚児ヶ淵から眺めることができます。

天気が良く、空気の澄んだ日にしか見ることができない特別な風景です。
霞んでしまったり、天気が良くても、山に雲がかかってしまったりとなかなか思い通りに見ることはできません。







もうひとつは月。
月が出ると、行く先を優しく照らしてくれるので、絶好のお散歩日和です。

江ノ島では山の月と海の月、両方見ることができるので贅沢です。
木々に隠れた月も風情がありますし、月光に照らされた海も幻想的です。


中津宮手前にあるデッキは絶好のお月見スポット。
鎌倉方面から出てきた月は、ヨットハーバーを明るく照らしています。


このように、自然条件によって印象も変化するので何度訪れても楽しむことができます。










参道商店街の末端であり、江島神社の入口にあたる瑞心門付近から散策を始めます。

まっすぐ行くと、江島神社の辺津宮、左に行くと江ノ島エスカー乗り場と頂上(灯台)方面への階段、右は頂上を通過せずに奥津宮や稚児ヶ淵方面へと向かう下道です。
この辻には交番もあります。

今回は、辺津宮には行かずに左に折れて階段を登ります。
ここからいよいよ山道です。







階段を少し登った場所から、児玉神社への参道が伸びています。
この参道が実に不可思議で、境内を半周した後に本殿へと辿り着きます。

長い参道の先には神社しかないので、日が暮れると通る人は誰もいません。
もちろん、社務所にもすでに閉まっているため、静かです。

この神社は軍人・児玉源太郎を祀った神社になっています。







児玉神社の参道入り口まで戻って、もう一度階段を登ります。
階段の途中で、左斜め後ろの方向へと伸びる道があるので、そちらに行ってみます。


参道を逸れて、生活感のある路地です。
階段を登りきると、視界が開けてヨットハーバー方面が俯瞰できます。
ここから階段を下っていくと、住宅地へと入っていくようです。



江ノ島は大きく分けると、江島神社の境内を中心とする山間地域、商店街や島民の住宅地からなる生活地域、戦後埋め立て増設された地域の3つにわかれています。
今から進む先は、旧来の住宅街が立ち並ぶ生活地域と、戦後埋め立てられた地域です。

国土地理院HPの「地図・航空写真閲覧サービス」などで、昔の江ノ島の姿をみることができます。




階段を下っていくにしたがって、家々から夕飯の匂いが漂ってきます。
島の人だからか、焼き魚のような匂いもします。


住宅地を抜けると、左手にどこにでもありそうな広い公園がありますが、ここは聖天島公園と言って埋め立てされる前は島だったようです。
公園内には島の上部が残されているそうですが、少し柄の悪い人たちが公園内に集っていたので見学は断念。

埋め立て部分を東の果てまで歩きます。









東端には県営駐車場が完備されています。
駐車場の中を通り過ぎて、桟橋へと上がります。

300mはあるかと思われる桟橋はベンチと「健康散歩道」と銘打った足つぼが完備されています。

目の前は海ですが、夜なので何も見えません。


さざなみを聴きながら、足つぼとは少し不思議ですが、人も少ないので休憩するには最適です。


先端には可愛らしい湘南港灯台が建っていて、その周辺では夜釣りをしている人も多いです。
燈台の下に腰を下ろして、釣り人を眺めるのもなかなか。








桟橋を降りて、先程の住宅地を歩きます。
普通自動車は通ることが難しそうな住宅街が、微妙なカーブを描いて続いています。

商店や、民宿もあるので比較的明るいですが、歩いている人は少なく、もっぱら出会うのは猫たちです。








家と家の隙間からひょっこりと現れては何処へと消えていく猫。
江ノ島は猫のたくさんいる島としても有名で、結構猫目当てで訪れる観光客もいるそうです。

以前にねこが急速に減っているとの噂が流れていましたが、元気そうで何よりです。







餌をあげている家や、飼い猫もいるようで、たばこの自動販売機の前は彼らの溜まり場となっていました。

人馴れしている猫もおり、興味津々で近寄ってきます。
興味無さ気に寝ているねこもいます。

気まぐれです。








江の島をちいさく一周したあとは、江ノ電の江ノ島駅へと歩きます。
弁天橋を渡って、小田急の竜宮城の駅舎を横目に徒歩15分。

相変わらず、月が明るいです。







江ノ島駅は夜間はライトアップ。
日中の喧騒はどこへやら、と言った感じで、ホームに人はいません。

目の前を通り過ぎて行く2両編成の短い列車も、空気ばかり運んでいるようです。
普段とのギャップに少し寂しくなったりもします。



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