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プーチンとオリガルヒ

2022-04-29 02:46:04 | 政治
「オリガルヒのたそがれ?」、というエッセイがThe Unz Reviewに掲載されています
ロシアの国情を理解するのに非常に役に立つ内容なので、一部内容を抜粋・要約してご説明しようと思います
例によって、本文はとても長いので、完全翻訳するだけ時間の無駄だと思います

4月7日、The algemeiner というニュースサイトに、ロシアの有名なユダヤ人オリガルヒ、モシェ・カントールが
イギリス政府によって制裁された、というニュース記事が出ました
イギリスの外務大臣リズ・トラスは
「私たちの最新の制裁措置は、ロシアからのエネルギーの輸入に終止符を打ち、多くの個人と企業を制裁し、プーチンの戦闘機を破壊するだろう」
と声明で述べました
フォーブスによると、純資産が76億ドルと言われるカントールは 、世界ホロコーストフォーラムの会長、欧州ユダヤ人基金の議長
世界ユダヤ人会議政策評議会の議長も務めている大物で、イスラエルとロシア、イギリスの市民権を持っています

カントールは通常、ロンドンのウィニングトン・ロードの大邸宅に居住していますが、どうやら差し押さえられたとのことで
イギリスに続いて、他のEU諸国が足並みをそろえて独自制裁を科したことで、彼の資産は凍結され、渡航は禁止されました

下記の名前は、2018年にアメリカ政府が制裁対象として検討していたユダヤ系ロシア人オリガルヒのリストの一部ですが
驚くべきことに、彼らは経済制裁の対象として議論されているだけでなく、蓄財された資産の種類から民族的なつながりに至るまで
あらゆることについて、カントールと同じように調べられているようです

リストはCNNの記事からの抜粋です
Petr Aven,   Mikhail Fridman,   German Kahn,   Roman Abramovich,   Alexander Klyachin,   Yuri Milner,
Vadim Moshkovich,  Mikhail Prokhorov,  Andrey Rappoport,  Arkady Rotenberg,  Boris Rotenberg,  Igor Rotenberg,
Viktor Vekselberg,   God Nisanov,   Oleg Deripaska,   Alexander Abramov,   Gavril Yushvaev,   Zarakh Iliev,
Vladimir Yevtushenkov,   Arkady Volozh,   Eugene Schvidler,   Leonid Simanovskiy,   Yuri Shefler,   Kirill Shamalov,
Aleksandr Mamut,   Lev Kvetnoy,   Yevgeniy Kasperskiy,   Yuriy Gushchin,   Oleg Boyko,   Leonid Boguslavskiy
これを見ると、ロシア国内の人口比0.1%のユダヤ系ロシア人が、全オリガルヒの30%を占めていることには驚くばかりですがね

歴史的に見ると、1998年のロシアのエリツィン大統領時代の終わり頃
ロシアはほとんど6人のユダヤ系銀行家に支配されていたことがアイリッシュ・タイムズの記事に書かれています

ボリス・ベレゾフスキー、ウラジミール・グジンスキー、アレクサンドル・スモレンスキー、ミハイル・ホドルコフスキー、ミハイル・フリードマン、ヴィタリー・マルキン
彼らユダヤ系金融資本家がオリガルヒとして、石油やマスコミ、その他金属工業などの企業を支配していました
唯一の例外はウラジミール・ポターニンというロシア人で、彼はインターロス・グループの総帥となり
ニッケルなどの金属や石油会社を経営する唯一の非ユダヤ系オリガルヒでしたが
彼が選ばれた背景には、「ユダヤ人に対する嫉妬を軽減する」という狙いがあったようで、彼はユダヤ人資本家達のフロント役でした

彼ら(6人+1)の7人のオリガルヒのリーダーはボリス・ベレゾフスキーでしたが
実は、彼が病気であったエリツィンの後継者として選んだのがウラジミール・プーチンでした
私はプーチンを反グローバリストだと理解していますが、その愛国者としての最初の仕事は、ユダヤ系オリガルヒを追放することでした
ベレゾフスキーに引き立てられ、1999年に大統領に就任したプーチンでしたが
ガーディアンの記事によると、彼はベレゾフスキーのORTテレビを差し押さえ、ベレゾフスキーを国外追放しました
ベゾレフスキー以外のユダヤ系金融資本家オリガルヒたちも、ほぼ同じ運命をたどりました
ウラジミール・グジンスキーは2000年に資金の不正流用の告発を受け、国外逃亡しました
ミハイル・ホドルコフスキーは2003年に詐欺の容疑で逮捕され、10年の服役と資産没収の末にスイス・イギリスに逃げました
アレクサンドル・スモレンスキーは資産の多くを売り払い、身を落とし、ウィーンに引っ越したと伝えられています
ヴィタリー・マルキンはトロントに数百万ドルを投資してカナダへの移住を20年ほどこころみ、イスラエルの市民権も得ています
唯一、非ユダヤ系オリガルヒ、ウラジミール・ポターニンだけがプーチン政権下で最も成功したオリガルヒになっています

もう一人、ウクライナ出身のユダヤ系元オリガルヒ、ミハイル・フリードマンは現在ロンドンに住んているようですが
彼が最近、ブルームバーグのインタビューに答えているようで、その内容が、ロシアの国情がよくわかるものになってます
フリードマンはこう言っています
「オリガルヒへの制裁は、ロシア国内において経済界からプーチンへの政治的圧力になる、と西側は思っているようだが
実際にはそのような政治的影響力はオリガルヒにはない」
確かに、例えば日本などでも、経済界から圧力がかかれば、首相にも相当な圧力がかかるはずで
西側諸国が「ロシアも状況は同じはず」と考えていたとしてもおかしくはありません
そこでミハイル・フリードマンのインタビューの一部分だけ翻訳しています

以下翻訳※※※※  彼にとって今何がはっきりしているかと言うと、EU諸国が、ロシアで実権力がどのように機能しているかを理解していないということです。制裁の要点が、彼のようなオリガルヒからプーチンに圧力をかけるように動機付けることであるならば、それは非現実的というよりもっと悪いと彼は言います。「私はいかなる国営企業にも国営のポジションにもついたことがありません」とフリードマンは言います。「EUの担当者が、制裁措置によってプーチン氏に近づき、戦争をやめるように言うことができれば、それはうまくいくだろうと信じているなら、私たちは皆が大きな問題を抱えているであろうと思います。つまり、この決定を下している人々は、ロシアがどのように機能しているかについて何も理解していないということです。そして、それは将来にとって危険なことです。」 ※※※※翻訳終わり


以上、まだ続きがあるのですが、長くなりますので今日はこれで終わります



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