書店を散策中、『子育ての最終的な目的はたったひとつ。経済的、社会的、精神的に自立した「自分でメシを食っていける大人」にすること』というフレーズと「人間力を育む」というキーワードが目にとまり、思わず手にした本書。
予備校で大学受験の学習指導をしていた著者が目にした、生徒たちの「意欲の乏しさ」。
これが著者が「花まる学習会」という学習塾を立ち上げる契機になったとうことですが、
それはまさに、私がこのクライミングスクールを始めたのと同じであったのです。
その昔、私は大学院に通い自分の研究を続けながら高校や予備校で国語の教員をしていたのですが、
当時、何といっても気になったのが生徒たちの目に全く輝きがなかったことです。
彼らの目を輝かせようと、必死に教材研究をし、その餌に彼らが食いつく瞬間が仕事のモチベーションとなっていました。
・・・が、すでに育ち上がってしまった彼らを根底から変えることは、制限された学校での接触時間では限界を感じていました。
もっと、意欲的で骨太な気力を育むような関わり方がしたい!
そこで思い当たったのが、自分が必死で取り組んでいた「クライミング」というツールでした。
クライミングには、ルートを見てどう登るかをイメージし、それを完登するためにムーブを自分で考え、あきらめずに試行錯誤を繰り返しながら限界までやりぬくことが重要です。
また、仲間同士でロープを確保し合い、お互いに命を預けるためにはしっかりとしたコミュニケーションを取って信頼関係を築かなければなりません。
このスポーツには「生きる力」を育む必須要素が詰まっているように思えたのです。
今まで9年間、手探りで子どもたちと関わってきましたが、その想いは確かな手ごたえとなりつつあります。
そして、そのようなときにこの本を読み、それは確信へと変わりました。
著者は本書の中で、「子どもが真の自立を果たすために、親として育んであげたい」「メシが食える大人になるための5つの基礎力」として次の5項目を示しています。
①ことばの力 ②自分で考える力 ③想い浮かべる力 ④試そうとする力 ⑤やり抜く力
そして、これら5つの力はお互いに密接にかかわっていることを踏まえながら育んでいく姿勢も大切、とも述べておられますが、これらはまさにクライミング技術を身につけて行く上で欠かせない力でもあります。
そして、これらの力を真に定着させるためには、大人の価値観で押し付けるのではなく、子どもの自発的な意欲を引き出すことが大切、とも説かれています。
将来、わが子がしっかりとした仕事をし、自分の人生を充実させて生きていくことを願う親御さん必読です
● 『わが子を「メシが食える大人」に育てる』 高濱 正伸 著 廣済堂出版
予備校で大学受験の学習指導をしていた著者が目にした、生徒たちの「意欲の乏しさ」。
これが著者が「花まる学習会」という学習塾を立ち上げる契機になったとうことですが、
それはまさに、私がこのクライミングスクールを始めたのと同じであったのです。
その昔、私は大学院に通い自分の研究を続けながら高校や予備校で国語の教員をしていたのですが、
当時、何といっても気になったのが生徒たちの目に全く輝きがなかったことです。
彼らの目を輝かせようと、必死に教材研究をし、その餌に彼らが食いつく瞬間が仕事のモチベーションとなっていました。
・・・が、すでに育ち上がってしまった彼らを根底から変えることは、制限された学校での接触時間では限界を感じていました。
もっと、意欲的で骨太な気力を育むような関わり方がしたい!
そこで思い当たったのが、自分が必死で取り組んでいた「クライミング」というツールでした。
クライミングには、ルートを見てどう登るかをイメージし、それを完登するためにムーブを自分で考え、あきらめずに試行錯誤を繰り返しながら限界までやりぬくことが重要です。
また、仲間同士でロープを確保し合い、お互いに命を預けるためにはしっかりとしたコミュニケーションを取って信頼関係を築かなければなりません。
このスポーツには「生きる力」を育む必須要素が詰まっているように思えたのです。
今まで9年間、手探りで子どもたちと関わってきましたが、その想いは確かな手ごたえとなりつつあります。
そして、そのようなときにこの本を読み、それは確信へと変わりました。
著者は本書の中で、「子どもが真の自立を果たすために、親として育んであげたい」「メシが食える大人になるための5つの基礎力」として次の5項目を示しています。
①ことばの力 ②自分で考える力 ③想い浮かべる力 ④試そうとする力 ⑤やり抜く力
そして、これら5つの力はお互いに密接にかかわっていることを踏まえながら育んでいく姿勢も大切、とも述べておられますが、これらはまさにクライミング技術を身につけて行く上で欠かせない力でもあります。
そして、これらの力を真に定着させるためには、大人の価値観で押し付けるのではなく、子どもの自発的な意欲を引き出すことが大切、とも説かれています。
将来、わが子がしっかりとした仕事をし、自分の人生を充実させて生きていくことを願う親御さん必読です
● 『わが子を「メシが食える大人」に育てる』 高濱 正伸 著 廣済堂出版