FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2012-05-31 11:45:35 | クライミングレッスン報告
5月12日(土) メンバー:ショータ(小5)、あかねちゃん(小3)、ともちゃん(中3)

受験生のともちゃん。
塾や学校の部活(彼女は茶道部の部長である)の合間を縫って、週に一度の割合でレッスンに通っている。
自他共に認める「運動音痴」とのことで、基本的に運動嫌い
その彼女がクライミングだけは忙しい時間の間隙をぬって習いに来てくれている
「考えることが好きなんです」と言う彼女。
こうした志向性は、クライミングがただ体を動かすだけでなく、その他の様々な文科系要素を色濃く併せ持ったスポーツであることの、小さな証左のひとつかもしれない


そんな彼女の今の目標はギャラリー壁にある10a紺■を足自由・トップロープで完登すること
ここ何回か、レッスンのたびにトライしているが、ホールドが小さいため、指が開いてしまってゴールまでもたない
それでも必ず2回はトライを続け、今日ついに完登出来たのだった
もちろん、彼女の上達は他の子よりもゆるやかだ。
でも、他者と比較せず、昨日の自分より一歩前進出来ていることを喜べるメンタルを獲得している彼女は、将来社会に出た時にしっかりとした仕事をこなせるようになるだろう。
クライミングはそうしたことを習得しやすい特質がある


ちびっこクラブを卒業したあかねちゃん。
当初はレベルアップレッスンへの参加に不安があったようだが、いざ始まってみると年上の男の子たちがやっている練習課題にも果敢にチャレンジ 物おじしない気持ちの強さが良いね
なかなかどうして、見事に対応しているぞ
登るチャンスもふえて、動きのスキルもアップしたせいかスムーズで流れる動きが出来るようになってきた

以前苦労したダイヤモンドの5.7をトップロープ、足自由で復習。今日はちょっと困っていたものの、頑張り通して完登することができた

身軽なショータ。モチベーションも割合と高いほうなので、努力次第で本人の希望通り、かなりのレベルに上がっていけそう
でも、もう5年生。リードクライミングを学ぶ段階にも突入し、そろそろ本格的な活動を開始しても良い時期になってきたのだが、その割には精神的も肉体的にもまだちょっとひ弱なところが気にかかる
逞しさを身につけて行くには、やりたいことのためには最善を尽くして練習の時間を確保するなど、気持ち的に頑張る経験も必要なのだが。。。
今日はリードの練習はせずに、トップロープで簡単なグレードを手足限定で練習したいと言うので、本人の希望通りに。足自由よりも力を使うので、5年生の割には非力なショータには良い練習になるね

保護者の方にお願いです。リードの練習に入ったら、なるべくお早めにハーネス、ロープなどの装備をご準備ください。特にロープは高価なうえに消耗品です。今までは子どもたちに無料で貸与していましたが、ロープの消耗が激しく、低所得者の私には死活問題に。。。なので、ロープをお貸しする場合はレンタル料を500円程度頂くことを検討しています。
よろしくお願いいたします




<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2012-05-30 12:03:19 | クライミングレッスン報告
5月8日(火)  メンバー:ユキちゃん(小4)、りんちゃん(中3)、ユイちゃん(高1)

ガールズメンバーのレッスン
前の時間のちびっこクラブが長引いて5分ほどこの時間に食い込んでしまったが、リーダー格のユイちゃんが「もう準備体操とストレッチは済ませました」と言う。
女の子はこういう点、なかなかしっかりしている 男の子たちなら間違いなくマンガ読んでダラダラしたまま待ってるだろうな~


さて、今日はルート中心のメニュー

ユキちゃんはずっとルート嫌いが続いていて、少し前までは5.8ぐらいまでの安心して登れるグレードを繰り返していたが、最近俄然やる気が急上昇 東京カップの時に友達を応援に行って刺激を受けたらしい。

「怖い~」と以前足解除でどうにか登った100°壁の10c黒/を、今日は手足限定で登ると言う。
安定した登りで難なく完登 次にタワーの緑/10c/dにもトライしたが、こちらは最終面の遠い一手をデッドポイントで手を出すことが出来ずリタイヤ でも、そこまでは良く頑張れた
しっかりと進歩してるぞ

ユイちゃんはツナミの赤?11c にトライ中
小さい彼女はゴール取りをプチランジしないと届かない。
1回目のトライではちょっと下部で力を使いすぎてゴール取りのムーブで腕の引きが足りずに上手くゴールがキャッチできなかった。
そのことを彼女に伝え、下部の力を使うクロスムーブを飛ばしに変えてみたら?とアドバイス。
2回目、飛ばしムーブでトライした彼女、ゴール取りの腕の引きもしっかり意識してランジを決め、レッドポイントした

ルートで大きな動きがまだ出来ないユキちゃんが、それを見ていて「ワ~かっこいい~」ユキちゃんも頑張ってルートで飛べるようになろうね

手が届きそうなところにいる目標の存在が、身近にいるって大事だね

やはり、ユキちゃんにとって身近なお姉さんであり目標でもあるりんちゃん。
ツナミの12bピンク?に気合いを入れてトライ
1便目ですんなりレッドポイントを決めた
ロワーダウンしながら「やった~ グレード更新」と大喜び
「今日は楽に登れました」とのこと。おめでとう

心がけが良かったせいか、全員が成果が出せたレッスンだった




<レッスン日誌>ちびっこクラブ@pump2 

2012-05-29 11:42:10 | クライミングレッスン報告
5月8日  メンバー:リオンくん(小3)、はや君(小1)、ゲンちゃん(小2)、トージ(小2)

新メンバーにゲンちゃん、体験を兼ねた単発参加にトージを加えたちびっこクラブ@pump2。
今回のメンバーは男の子4人組となった。

小さい子どもたちのクラスなので、遊びの要素や全身運動の要素も取り入れながらの内容となるようレッスン構成を気をつけているが、基本的な動き方や前向きな姿勢や考え方はしっかり押さえたい。「鉄は熱いうちに打て」なのである 

昔高校の教員をしていた時、高校生にまで育ち上がってしまった生徒の気持ちの持ち方や意識を変えることの困難さに関して、軽い無力感と失望感を覚えたことがある。
ある習慣・意識を体に根付かせるためには適切な「時期」があるのではないか。。。


とは言え、小さいうちは、クライミングが楽しいと感じることが最重要課題。
将来厳しいトレーニングに耐えて「強くなりたい」と願うまでに、クライミングの楽しさや充実感を存分に味わってもらいたいのだ。


「ひっぱりっこ」や「片手ボールキャッチ」などの遊びの要素も含めた準備体操の後、ゲーム「どんじゃんけん」から。
ゲームの後は重心移動と足遣いを徹底したトラバース(横移動)の練習。
ここでまた少し「遊び」要素を取り入れる。
先ず、ボルダーエリアに新しく見学用にしつらえられた少し高いところにある小部屋まで、マンモスの形のホールドたちを伝って登り、下りるポイントを見定めてジャンプする。これはボルダリングなどの着地の練習やマントルの練習も兼ねている。
次に「波」と名付けられた大きな張り出しを持つ壁で、ホールドにぶら下がったり、頭が下になったり(でんぐりがえし)したあと、ルーフの動きの練習をちょっと。身の軽い小さな子どもたちは、意外とルーフの動きの体得が早い重心を感じる良い練習にもなるので、必ず入れることにしている。

これらの練習が終わったら、クライミングの必要事項の学習。
今回は「ホールド」の形のなまえ。「ピンチ」だの「カチ」だの「ガバ」だの、ひいたカードに書いてあるホールドの名前と同じ形のホールドを必死で探していた

最後にルート。
今日はみんなで「ギャラリー」壁の「てっぺん征服」が目標だ
リオンくんは途中で怖くなりリタイヤ はや君と体験のトージの2人が征服成功 ゲンちゃんは自分で決めた目標までを達成できた

甲府幕岩から太刀岡山へ

2012-05-28 22:15:25 | 日記
今日は甲府幕岩へ
このエリアに前回行ったのはいつだろう?
5年は行っていない気がします。

甲府幕岩は下地も良くて居心地の良いエリア。
山深いところなので空気もすがすがしく、気持ち良い天気で新緑が美しい

以前登ったはずのルートも全くのうろ覚えなので、一番手前の「豊饒の森」エリアのやさしい課題からスタート。

「イエローマウンテン」5.9は長くてなかなか良いルート。「わささび」10bはガバで動きが大きく面白い。
「ピリカ」10b/cはこのグレードにしては結構ムズイ でも、足で立って行く練習に良い課題です。
「WORK ON」11aはカチカチルート。でも、ホールドの使い方が多彩でこれもなかなか。
「ナイトミュージック」12aはカンテの動きが面白いけれど、ホールドが分からずオンサイトならず
ここの岩はホールドを見つけにくいかも
お昼を食べて、次のトライでレッドポイント と思った矢先、空が暗くなり、遠くで雷鳴が。。。。
ちょっとあやしいぞ、と思っているとみるみる雷鳴が近くなり大粒の雨が・・・

雷の中、慌ててヌンチャクを回収 作業をしているそばから稲光が・・・クワバラ、クワバラ。。。ホント怖かったです。。。
雷雨の中を車に戻り、しばらく待機。
ざっと降った雨はすぐに通り過ぎ、一瞬の青空が。
そこで、もう一度岩場に戻ってみようと歩きだしたらまた雨。。。

ここは諦めて、太刀岡に転戦することにしました。

近くにありながら、甲府幕岩よりも少し低いところにある太刀岡はそれほど降られなかったようで岩も乾いていました。
岩が部分的に崩落して少し難しくなったと言う「パンクス・イン・ザ・ダーク」11c/d?と「おさわがせしました」11d/12aを触りましたが、次の宿題になってしまいました。
「パンクス・イン・ザ・ダーク」はテクニカルな好ルートですが、岩の崩落を差し引いてもグレードより難しく感じました。
「おさわがせしました」11d/12aもグレードより難しく感じましたが、とても美しいラインで内容も面白い
今日は自分の状態が終わってしまっていてテン山になってしまいましたが、きちんと登っておきたいルートでした。

今日は写真を撮るのをすっかり忘れていました。。。太刀岡山の帰り際、岩場を振り返って。




<アウトドアレッスン日誌>中級アウトドアレッスン

2012-05-27 22:44:24 | クライミングレッスン報告
5月6日(日) メンバー:しいちゃん(小6)、コーヘイ(中1)、タクミ(中1)、りんちゃん(中3)、ユイト(中3)

5月の中級アウトドアは河又の予定だったが、最近雨が多くて石灰岩は染み出しが心配であるのに加えて、今日は激しい雷雨や竜巻が懸念される予報。河又は急なアプローチを20分くらい歩くので、いざ何かあった時に子どもたちの安全性が十分確保できるかが心配 なのでエリアを幕岩に変更することにした。
幕岩なら岩の乾きも早く、雷雨に見舞われても安全なところまで割とすぐに降りられる。

幕岩でのレッスンが続いたので、一期生はウォーミングアップで「シルクロード」や「いんちきするな」を登り、結び替えのテストを行う。ユイトが最初に合格 コーヘイとりんちゃんはやり直しで二度目に合格。また確認テストをするので、忘れないように。命にかかわる技術だからね

タクミはマスタースタイルでのリード、しいちゃんは一度トップロープでリハーサルした後リードの練習。
少しずつ外岩でのリードクライミングに慣れて行こうね

中級のアウトドアレッスンは、子どもたちが自立して外岩での活動をして行けるようにして行く技術支援だ。
なので、なるべく自分たちだけで外岩に登りに来たシチュエーションをとるようにしている。
自分たちでトポを見て調べ、登りたいルートも自分たちで決める。
基本的に安全にトライ出来て内容的にも良いお勧めルートのガイドラインは示してはあるが。
そして、目標ルートもマスタースタイルで安全にトライして行けるように指導するよう気をつけている。
人にお膳立てしてもらうばかりでは力がつかない。登りたいルートは自分で始末をつけられるようになってこそ一人前だ。


次に「アボリジニ」10a。
コーヘイやりんちゃんはすでにレッドポイントしているが、再度復習。
外岩になかなか来られないユイトは、こういう悪いスタンスに立ちこんで行く課題がどうも苦手
でも、これも練習しないとコツが分からない。
今日は岩と体の角度をアドバイスすると、基本姿勢のコツがつかめたようでトップアウト出来た


タクミとしいちゃんも今日はリードでトライ
タクミは大分苦労したが、どうにかトップアウト。
前回トップロープで一撃だったしいちゃん。
次はリードで と気合いを入れて取り組んだが惜しくもフォール
一度集中が切れたら、ボロボロになった

お昼をはさんで午後は少し離れたエリアにある「帰還兵」10cや「シャックシャイン」10dもトライする予定だったので、
これらにトライしたいメンバーには先に行って準備していてもらうことに。
しいちゃんは一人残って「アボリジニ」に再トライ
私は少し彼女の登りを見てから移動しようと思っていた矢先・・・

あっという間に空が暗くなり、いやな風が。。。
大粒の雨が落ちたかと思ったら雷が鳴り出した

コーヘイとタクミが慌てて戻って来て、「先生、雷」と言うので、「荷物をまとめてすぐに売店のところまで下りなさい他の人にも伝えて」と声をかけ、しいちゃんママに子どもたちをお願いして先に行ってもらうことにした。
私はクイックドローなどを回収し、ロープを巻いていると雨が上がった。。。
さほど地面も濡れないまま、あっけない雷雨の終焉だった。
・・・と、りんちゃんが雨具上下に身を包み、ザックカバーもして完全武装で現れた。
「あれっ まだいたのみんな先に下りてるよ。」と言うと「あ、はい。。。濡れるといやだな、と思って準備してました。」とのこと。。。のんびりしてるな~

売店のところまで下りると、さっきの暗さはどこへやら、きれいに晴れ渡った空が戻ってきた
時間が少し余ったので、みんなでハッキーをやったり隠れ鬼ごっこをしたり。
シンメンバーのしいちゃんを加えて、図らずも子どもたち同士の良い交流会になったようだった