ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

売り子さん

2015-10-19 17:45:28 | 仕事
先日、ショッピングセンターで夫と待ち合わせをした。

長椅子に腰かけて、夫を待っている間、
私は、何とはなしに、向かいにあるお店の売り子さんを見ていた。

「新商品でーす。中に入ってご覧くださーい」

笑顔が柔らかい、人のよさそうな売り子さんだ。
でも、彼女の呼びかけに答える人はなく、
皆、足早に店の前を通り過ぎていく。

「いらっしゃいませー。どうぞご覧くださーい」
彼女の声がBGMのように、ずっと響いている。

よくある日常の一コマだけど、
私は、彼女がとても気の毒に思えてきた。

私はよく自分が「空気になった」ように感じて寂しくなるが、
彼女もまた「空気になって」いるように見えた。

そして、たまーに興味を持った客が店にふらりと入ってくると、
ちょこちょこと寄って行き、商品の説明をしている。
客は「見ているだけですから」と言って、
やんわりと売り子さんを遠ざけた。

私は、自分が客の立場のときは、
あまり店員さんに話しかけられるのが好きではないので、
このお客さんの行動には、納得がいった。

ただ、売り子さんをずっと見ていたら、
この売り子さんはきっと、「仕事をしている」という実感が得たくて、
お客さんに近付いて話しかけたんだろうな、と思った。

次の仕事について、ぼんやり考えていたが、
お店の売り子さんは、私にはちょっときついかもな、と思った。

売り子さんもそうだが、
街頭のティッシュ配り(受け取ってもらえない)、
コンビニやファミレスの店員(「いらっしゃいませー」と言っても無視)、
スーパーのレジ打ち(これまた無視、一人で値段をしゃべり続ける)、
ちょっと思いついただけでも、色々な仕事で、
虚しい「空気感」に堪えなければいけない場面はありそうだ。

みんな、えらいね。がんばってるね。

多少の「空気感」で、へこたれてたら、だめかな。
がんばろう。


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