我が家には二匹のタヌキがいる。
古参の風格のあるタヌキと我が家へきて10年ぐらいのタヌキである。
庭のタヌキ?・・・といぶかしげに思われる方も多いかもしれないが・・・・
実は信楽焼のタヌキなのである。
少し大きい古参のタヌキは私が勤務していた会社に1990年入社の
若者が帰省した折に土産に買ってきたくれたもので、我が家へ来て
からもう30年ほどになり、小さい方は『ぶんぶく茶釜』で有名な茂林寺
(群馬県館林市)のタヌキとして作られたちょっとおどけ顔のタヌキである。
庭のタヌキを家の中へ・・・の意味は・・・
以前は季節の変わり目や庭の植物の成長などによって庭のあちこちへ
動かしていたのだが妻のちょっとした都合で場所を変えられることもあり、
今年の春からはずう~っとハナミズキの下に50センチほどの
間隔で緑の中から家の中を見るように並んでいた。
周りの木々の葉も落ち、花や草も枯れてしまったこの時季、庭へ出る
機会も少ないが一昨日、庭へ出た時にふと目を遣ると雨で跳ね上がった
土でタヌキの顏も体も泥だらけの様子だった。
なんとなく可哀そうな気がして、洗ってやろうと思い、持ち上げて下から
空洞の部分を覗くと中も泥で汚れただけではなく、ダンゴムシが何ヵ所にも
かたまってくっついていた。
散水栓のシャワーを利用し、強く噴射しても泥と虫がなかなか落ちず、
大きなバケツに水を張り、漂白剤で洗浄と虫退治のため、一晩つけて
おき、昨日は洗剤とブラシで綺麗に洗い、すすぎと仕上げのつもりで
また水を張ったバケツの中へ。
そして今日は先ごろから綺麗になったタヌキ2匹をエアコンの室外機の
上に乗せて乾燥中。
夕刻には予定どおり室内へ入れるつもりなのだ。
さて、彼ら(?)の居場所は?・・・
玄関の棚の上?それともリビング?私の部屋?・・・いろいろと考えているが
妻はどこにおいても変わらないと思っているらしく、関心をしめさない。
乾く頃までに私の独断で決めようと思う。
小さい方はモデムを設置した小さなスチールの棚のあたりがいいかもしれない。
大きいのはテレビの横にでも・・・と考えている。
以前、仕事で信楽を通った時にいろんなサイズの信楽焼タヌキを見たことを
懐かしく思い出す。
綺麗になり、家の中で生活(?)をするこの2匹のタヌキのために、
来年ツツジの咲くころにぶんぶく茶釜の舞台となった茂林寺へ行き、
信楽焼のタヌキの意味や子供の頃に聞いたぶんぶく茶釜の話を
もう一度詳しくしらべてみたい。
そうするとこの信楽焼のタヌキにも独特の愛着がわくかもしれない。