私はふとしたときに思い出したように二十四節気や七十二候に触れ、
納得したり、季節とのずれを感じたりしながらも古人の感覚や感情と
実生活の結びつきにいつも感心する。
気がつけば既に立秋を過ぎて一週間ほどになる。
暦の上では「残暑」にあたるこの時期・・・実際にはまさに「暑中」で
暑さの真っ最中・・・日々猛暑の記録が更新されるような毎日が
続いている。
私が子供の頃は暑い日でも35度から40度などという気温は
考えられもしなかった。
一昨日各地を襲ったゲリラ豪雨はここさいたま市にも予想以上の雨を
もたらし絵手紙教室が終わるのを車内で待っていた私にも、これが
豪雨か・・・と実感できるくらい凄いものだった。
降り出したと思うとすぐに大粒どころかよく言われるような滝のような
雨となり、車の天井を打つ音が雨の勢いを一層強く表していた。
駐車場前の狭い道路は瞬く間に川のようになり、買い物の帰り
だったのだろうか、自転車の女性はよろけるように降りて下を
向いたまま一歩一歩踏みしめるように膝までも届きそうな水の中を
腰を曲げながら自転車を押していた。
雨の中でも雷光は鋭く拡がり、歩く人は首をすくめ、いち早く
通り過ぎようとする姿にも不安が表れているようだった。
強烈な雨は2時間弱であがり、空も次第に明るくなり、夕刻には少し
涼しさを感じるようにもなったが雷雨に見舞われた地域やその周辺でも被害などはなかっただろうか・・・。
昨日も午後3時過ぎに急に曇ったかと思うと雷が発生し、いつまでも鳴り止まず、庭に出てみると生暖かい風がまつわりついてきた。
立秋を過ぎたとは言えまだまだ夏は終わらないようだ。
(私にとってはカンカン照りや熱い日差しは嬉しいことだが・・・)
昨日はさいたま市と隣接する戸田市や川口市でも一昨日の
さいたま市のような激しい雷雨があり、テレビの映像でも人々の
驚くその様子が伝えられている。
さて、今日は・・・と七十二候を見ると・・・
二十四節気『立秋』の「次候=寒蝉鳴(ひぐらしなく)」とあり、
そろそろヒグラシが鳴き始める頃となっている。
アブラゼミほど多くは見かけないがあの透き通った羽やぷっくりとした
腹と「カナカナカナ」という鳴き声に多くの人たちは移りゆく季節を
感じるのではないだろうか・・・
ヒグラシは主に夕方の日暮れ時に鳴くということから「日を暮れさせるもの」ということが名前の由来とされているようだ。
また一般的に、あの「カナカナカナ」というもの悲しくもある鳴き声から
夏の終わり頃から初秋にかけて鳴く・・・というイメージがあるが
実際には6月下旬から7月に発生するものが多く、活動期は初夏から
晩夏までだという。
ヒグラシの声が聞こえなくなる頃にはカレンダーの残りの枚数も
少なくなっていることを思うとこのコロナ禍の中での時の経過は
ちょっと寂しすぎるような気がする。
よく、こんな時だからこそ・・と言われるがそのとおり、今こそ
一人一人が諦めたり悲観したりせずに自分にできるしっかりとした
感染防止対策を取り、明るく自信を持って着実に前へ足を踏み出そう。