選抜高校野球の代替試として10日から始まった『2020年甲子園高校野球
交流試合』も例年の大会にひけを取らないような迫力ある試合になっている。
全チーム1試合のみという特別な試合であるがどのチームからもこの
試合にかける選手たちの意気込みや選手一人一人の様々な思いのような
ものがテレビ中継の画面からも私たちに伝わってくるようだ。
今日、明日は試合がなく、15日から引き続き残りの9試合が行われるが
15日(土曜日)の第一試合、「履正社(大阪)」対「星陵(石川)」は昨年夏の
大会の決勝戦の再現ということで多くの野球ファンの注目するところと
なっているが、前述のとおり今回既に終わったどの試合も選手たちの
思いや気迫が溢れる試合となっているのでこの試合に限らず、これから
行われるすべての試合の彼らのプレーに注目していきたい。
高校野球のファンであり勿論プロ野球のファンでもある私も時々考えるが
高校野球は「教育の一環」とはいうものの現実には大人や組織のものに
なっているという説もある。
野球少年、高校生にとって甲子園は目標ではあってもすべてではない・・・
というところにもっと目を向け、理想論かもしれないが純粋に野球に打ち込む
という姿が尊く、鍛えあげ、鍛え抜かれた精神のようなものは
その後に歩む人生のどこかで活かされるものだと信じている。
単なる春夏の大きなイベントとして、またプロ野球選手発掘の場・・・という
ことではないはずだ思う。
勿論、プロを目指すために強豪校で辛く苦しい練習に耐え、ライバルたちと
鎬を削って勝ち取った甲子園で自分の力や技をアピールすることによって
目標に近づくことを否定はしないしその努力には敬意を表したいと思う。
彼らはそのような大きな目標は持っていても、試合中は一切そんなことは
考えず、ただひたすら仲間たちとの結束、協力、信頼によって一球一打に
全神経を傾け、喜びや感動を共有しようとしているように見えるのだ。
最近の高校生はプロやメディアが注目し、騒ぎ立てても本人たちは
舞い上がるような様子もなく、むしろ冷静に自分をみつめているようだ。
私たちファンも付和雷同することなく高校生に劣らぬ冷静さを持つべきで
あると思う。
ただ、心からの応援、感激、感動には制限されるべきものはなく、
すべてのチームの一員になったつもりで歓びや残念な気持ちを
オーバーアクションで表すことには大きな拍手を送りたいと思う。