旅館27

2023-11-17 09:57:46 | 日記
「ひとりで勝手に物置小屋に入った…って、どういうことなんだよ」

徹弥と夕美は物置小屋に向かった。

その日は雨模様で、物置小屋の中は一層暗かった。

ゴコゴ…と、重い引戸を開けると、ホコリが舞う。


暗闇に目が慣れるまで時間が掛かる。

ギギッ…ギギッ…、一歩一歩進むと床板が軋む。

「幹太…?」

声が物置小屋の空気に吸い込まれていく。

「幹太…?いる…?」

し…ん…と静まり返る。