旅館39

2024-01-02 09:56:35 | 日記
「あの箱に入っているのは、たろう様だ。」


ー話はこうだ。

その昔、旅館が出来るずっと前、ある立派な一軒家があった。

その家の周辺の土地も所有して、大地主だった。そして、その家に素直な青年がいた。

その青年は、「太郎」といい、使用人の女性「夜衣」と恋に落ちた。

大地主のひとり息子の太郎には、同じように隣町の大地主の娘との結婚が約束されていた。

もちろん隣町の娘には会ったこともない。
太郎は、どうしても夜衣と結婚したい。

大反対された二人は駆け落ちをした