ビーズなどで装飾された小さな宝石箱のようなモノを見つけた。
「宝物が入ってたりして!」
松田は、迷わず箱を手にした。
「開けるよ!いい?」
松田は、カウントダウンごとく、宝箱を手にして二人を見た。
「やめろよ」
直樹は思わず止めた。
「大丈夫だよ!宝が入ってるかもよ!」
松田は、ニヤリとして、箱の蓋に手を掛けた。
「ん…?開かない」
「そりゃそうだろう…宝箱だからな」
正人が笑った。
「いやいや、そしたらますます宝が入ってるって事じゃん?」
「鍵穴らしきモノは無いな。じゃ、錆び付いてるだけだ」
松田は、力ずくでこじ開けた。
ギギギ…。
小さい箱にしては、かなり渋い音をたてて、少しずつ開いていった。