ギギギ…。
鈍い音をたてて宝箱が開いた。
正人が懐中電灯で照らすと、入っていたのは、鍵。
「なんの鍵だ?」
「さらに、どこか、宝のありかの鍵だったりして」
正人は笑った。
「そうかも知れないな…、こんな箱に入れて置くんだもんな…この校舎のどこかに、本物の宝箱があるのかも!」
松田は、小さな鍵をポケットに入れた。
「やめろよ。物を盗ったらヤバいよ」
「こんなの、本物の宝箱の鍵のワケないよ。もし、さらに宝箱があっても、盗んだりしないし。」
「そうそう、箱を開けるまでが、宝探し!もしも、貴重品とか出てきたら警察届けるから」
松田は、心霊スポット巡りからいつの間にか宝探しに変化してしまったように、興奮気味だった。