松田は、楽しげに宝箱に入っていた謎の鍵をポケットに入れた。
さらに用務員室の探索は続いた。
奥にも部屋がある。
正人は、落書きだらけの引き戸に手をかけた。
「ん…ん…、開かない」
「錆び付いてるるわじゃない?」
松田も一緒に扉に手をかけた。
「本当だ…。せーので開けるよ」
「うん」
「せーの!」
正人と松田は、力ずくで扉を引いた。
ずずず…。
やっと、人ひとり通れるくらいの隙間が開いた。
「え?」
「何?」
「人が居たような気がした」
「まさか、こんか暗闇で…」
「でもさ、人が居たような匂いじゃない?」
「うん…言われてみれば…」
「汗くさい…というか…。」