松田は持っていた鍵を、扉の鍵穴に差し込んだ。
カチャ…。
「開いた…!」
「開けて大丈夫かな?」
正人が急に不安そうな声をあげた。
「大丈夫だよ。たぶんチョークとか黒板消しとか、学校で必要なものが入ってるんじゃない?」
松田が力を込めて開けようとした。
「ちょっと待って!」
思わず直樹が松田の手を止める。
「なんで?」
「チョークとか黒板消しとか、そんなもののために、わざわざ用務員さんが鍵を掛けたりするかな?しかも、その鍵も宝箱みたいな箱にまで入れて…。」
「考えすぎだよ。」
松田は再び取っ手に手をかけた。
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