君は誰?31

2024-12-11 08:09:57 | 日記
松田は持っていた鍵を、扉の鍵穴に差し込んだ。

カチャ…。

「開いた…!」

「開けて大丈夫かな?」

正人が急に不安そうな声をあげた。

「大丈夫だよ。たぶんチョークとか黒板消しとか、学校で必要なものが入ってるんじゃない?」

松田が力を込めて開けようとした。

「ちょっと待って!」

思わず直樹が松田の手を止める。

「なんで?」

「チョークとか黒板消しとか、そんなもののために、わざわざ用務員さんが鍵を掛けたりするかな?しかも、その鍵も宝箱みたいな箱にまで入れて…。」

「考えすぎだよ。」

松田は再び取っ手に手をかけた。

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