「家に入っていい?」
「え?…あ、そうだね…」
たけるも寝てると思うし、家に入れたくない…。
だけど、どのくらいここで待ったのか…と、思うと、断りにくい…。
結局、坂元を自宅に入れた。
「たけるくん…寝てるかな?…起こしたらダメ?」
「最近、朝がつらいみたいだから…」
大人の都合に巻き込みたくない。
「今度は、うちに来て」
「あ、…そうね…」
まだ、坂元の自宅には行ったことがなかった。
「これ、良かったら」
「え?」
坂元は、鍵を出した。
「鍵?」
「僕の自宅のだよ。…で、君の家のスペア鍵も貰っていい?」
「それは…」
基本的に、お付き合いの状態で、自宅のスペアキーを渡す…という考えはなかった。
「鍵はちょっと…」
「ダメなの?」
「私的には、お付き合いしている人には、渡したことはなくて…」