続ストーカー50

2023-06-10 09:42:30 | 日記
ただ怯えているわけにもいかない…。


怯えながら、恐る恐る…そっとドアスコープを覗き込んだ。


…誰もいない…。


すっ…すっ…す……。

すっ…すっ…。

息づかいだ。


振り返ると、たけるが立っていた。

不穏な物音に気づいて、たけるも目を覚まして、玄関先を見つめていた。

…トン…トン…トン…。

扉を叩く音は弱まった。


続ストーカー49

2023-06-07 07:17:21 | 日記
夜も静まりかえったころ、
七美は、気になる物音で目が覚めた。


…トン…トン…トン…。

………何の音?

…トン…トン…トン…。

扉を叩く音?

…え?こんな時間に…誰…?

トン…トン…トン…。

響き渡るほど強い叩き方ではなく、力弱く室内の人にだけ聞こえるような叩き方だ。

…ともすれば、隣の部屋の訪問者だろうか…と思われるほど静かに叩く。

昨日のビールの缶の事を思うと、怖い…。

しかし、ただ怯えているわけにもいかない…。


続ストーカー48

2023-06-03 09:34:38 | 日記
誰かが、玄関先に置いたビールの缶。

おそらく、この玄関先で誰かがビールを飲んでいたんだろう…。

坂元である証拠は無い…。どうするべきか…。

翌日の夜は、戸締まりをしっかりして、たけると寄り添って寝ることにした。

「大丈夫だよ、昨日のは、ご近所さんなんじゃない?」

「酔っ払って、通路で酔いつぶれたのかもね…」

たけるも、自分を納得させるようにつぶやいた。

深夜、周りが静まり返ると、近所の生活音まで聞こえてくる。

人が歩く音…、遠くを走る車の音…、普段気にならない音まで聞こえて来た。

…夜も深まり、しん…と静まりかえり、七美もうとうと…としたころ…。

気になる物音で目が覚めた…。