旅館42 2024-01-13 07:25:59 | 日記 「太郎さんの思いが取り憑いたのかも…」「何かしらの呪術?とかおまじないとかのせいだと思うから、あの箱を何とかした方がいいのかも知れないけど…、何をどうしたらいいのか…」「…だけど、やり方を間違えたら、私たちまで呪われるかもだし…どうしたらいいんだろう…」「衣栄ばあちゃんが知ってるかも知れないから、ちょっと待ってて」『あるもの』が何なのか、全く想像できない3人は、後は徹弥に任せることしかなかった。
旅館41 2024-01-09 09:49:59 | 日記 「『あるもの』って?」夕美は、翌日早速、徹弥と梨花に話して聞かせた。「それが、その『あるもの』は、おじいちゃんは知らないんだって…」「なんだろう…。なんか怖いものかな?」「それにしても、幹太、ガタガタ高熱を出して…太郎さんみたいだよね」「私も思った…」「やっぱり、幹太の病気、あの箱が原因なんだよ」「…信じたくないけど…そうかも知れないな…」「太郎さんの思いが取り憑いたのかも…」
旅館40 2024-01-06 08:49:46 | 日記 大反対された二人は駆け落ちをした。しかし、あっという間に連れ戻された二人は二度と会う事を許されなかった。家に籠り心の病になった太郎は、食事も摂らなくなってしまった。どんな医者に見せても治らない。ある日、太郎はガタガタと震えて高熱を出して寝込んでしまった。心配した母親は、地元で有名な祈祷師に助けを求めた。その時に、あるものをそれぞれこの箱に詰めて息子の目につかないところに安置せよ…と言われた。すると、息子は憑ものが落ちたかのように元気になり、隣町の娘と結婚した。……という話だ。
旅館39 2024-01-02 09:56:35 | 日記 「あの箱に入っているのは、たろう様だ。」ー話はこうだ。その昔、旅館が出来るずっと前、ある立派な一軒家があった。その家の周辺の土地も所有して、大地主だった。そして、その家に素直な青年がいた。その青年は、「太郎」といい、使用人の女性「夜衣」と恋に落ちた。大地主のひとり息子の太郎には、同じように隣町の大地主の娘との結婚が約束されていた。もちろん隣町の娘には会ったこともない。太郎は、どうしても夜衣と結婚したい。大反対された二人は駆け落ちをした