がやがや通信

雑司ヶ谷から日々のあれこれを綴っていきます。

トヨタテクノミュージアム-2 (ば)(ひ)

2010-03-31 21:38:15 | テキスタイル
 

繊維機械館内には、様々な織機や紡糸機が展示されていました。右のバッタン高機。
中央のレバーをひっぱると杼が左右に飛びます。
これだけでも手織りの作業効率が違います。思わず、欲しい...。

(ひ)杼は「ヒ」と読みます。
   ぱったんぱったんと、織りを締めたら(専門用語では「オサを打つ」というそうです)、
   経(たて)糸の上下を入れ替え(これはシステマチックにしやすい)緯(よこ)糸を通して、
   ぱったんぱったん。
   そうしたらまた経糸の上下を入れ替え、更に緯糸を返して、また、ぱったんぱったん。
   これが手動織機(専門用語でいう「高機」)の原理、同じコトの繰り返しなのですが、
   杼とはぐるぐる巻きに糸のタメをつくっておいて、緯糸を通していくガイドのことで、
   自動化とともに素早く往復し、緯糸切れにも対応していくモノへと進化していく。すんごい!
   ネーミングも杼から「シャトル」へ。経糸の間を通すのではなく、もはや飛んでいるのです!

 

日本の人力織機は着尺幅のものです。ゴッホの絵の人力織機は広幅でした。



これがG型自動織機。豊田佐吉氏は作業の効率化を図るため様々な発明をし、
世界初の無停止自動織機を実現したのがこの織機。
1人で30台くらい(4台1セットが基本単位だそうです)は監視していたそうです。
自動織機は手動織機の5倍以上の効率があり、それを一人で30台監理すると言うことは、
生産効率は150倍以上ってことです!!



(ひ)なんか紡織技術変遷の「いろは」を4時間で習得したって感じ。
   勿論(ば)の解説があってのことではありますが・・・
   でもこっちにも蘊蓄を語る余地はありました。
   工場といえば「三角ギザギザ屋根」マークを連想するのでは世代がばれますが、
   「ハイサイドライト」は理にかなったシステムです。



これが1度見てみたかった環状織機。
袋状に布が織れます。他の織機と違い、シャトルの動きが優雅です。
怖くないジェットコースターのように経糸の間をシャトルが走ります。
どうして実用化されなかったかというと、シャトルを替える時に人手がいるから。
筬が下から上に緯糸を打ち込むのでやわらかい布になります。



最新ジャカード織機。白黒の経糸(15000 本)に6色の緯糸で
写真のような精密な柄を高速で織ることが出来ます。

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