数日前の東京スポーツに、「ベイスターズの2軍コーチ2人が、同チームの中堅選手に対して執拗なパワー・ハラスメントを行っている。」との記事が載っていた。「ネタ」も含めて飛ばし記事も珍しくない同紙だけに、今回の報道の真偽は判らないけれど、ネット上には「不思議だなあ。」と思ってしまう書き込みが結構在る。 上記したが如く、今回の報道の真偽を部外者の我々が知る由は無い。知っているのは当事者、そして其の周りの人間だけだろう。其れなのに「東スポの報道は全て嘘許りで、今回も同様。大好きなベイスターズで、そんな事が起こる訳が無い。」と“無根拠に”断じるのは、何とも説得力が無い。端から全面肯定するのもどうかと思うが、端から全面否定するというのもどうかと思うのだ。「大好きな人間や組織だから、其れ等に不都合な報道は端から認めない。」のいうのならば、其れは贔屓の引き倒し以外の何物でも無いし、逆に「大嫌いな人間や組織だから、其れ等に不都合な報道“だけ”認める。」というのならば、単なる「坊主憎けりゃ袈裟迄憎い」なだけ。 自分は王貞治氏や手塚治虫氏、ジャイアンツ等の大ファンだけれど、だからと言って彼等に関する否定的な報道がされたとしても、其れを端から全面否定する様なスタンスは取れない。「事実はどうなのか?」を判る範囲で確認し、誤報ならば彼等を擁護するし、事実ならば彼等を“其の点に関して”批判するだけの事。事実で在ったとしても、ファンで在り続けるか否かは、“自身の判断基準”で決めれば良いだけの話だと思う。 話を元に戻すが、今回の報道に関してベイスターズの2軍監督を務めている白井一幸氏は自身のブログの中で、パワー・ハラスメントに関して全面否定されている。又、被害者とされる選手も、自身のブログで否定。白井氏の人間性(飽く迄「TV番組等から伝わって来る感じ」だけでしか言えないけれど。)を考えると彼の主張を信じたい気持ちは在るし、大好きな野球の世界でそういった陰湿な出来事は存在しなかったと信じたくも在るが、している側は「パワー・ハラスメント」なんて全く思ってもいない言動でも、された側としては酷く傷付くケースというのは在るし、今後の影響を考えた上で当事者達が「何も無かった事にする。」という流れになった可能性だって、決してゼロとは言えないのではないだろうか。もしパワー・ハラスメントと思える言動が在った“として”、「東スポの報道は全て嘘だから。」という理由で全てが封じ込まれた“としたら”、被害者は可哀想。
「マスメディアは嘘しか報じない。」と断じる人の中には、「大好きな人物や組織に対して不都合な報道は全面否定するけれど、好都合な報道は全面肯定する。」という良い所取りだけな人が結構見受けられるが、非常におかしな事だ。今回の報道が事実か否かは全く判らないけれど、端から全面否定したり、端から全面肯定するのでは無く、きちんと検証する(又はマスメディアに検証を求める)というスタンスは、どんな事柄で在っても大事な筈なのだが・・・。