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年賀状仕舞い:長年続けて来た年賀状の遣り取りを終了する事。
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年賀状仕舞いという言葉が使われる様に成って、もう何の位経つだろうか?SNSの普及により、「新年の挨拶は年賀状では無く、SNSで済ませる。」という人が増えて来た事が大きいのだけれど、加えて「年賀状を書くのは面倒。」という理由も結構在ると思う。
年賀状印刷等で知られるフタバが、「年賀状仕舞いをした20代から80代の200人を対象にアンケート調査を行った所、年賀状仕舞いをして『良かった。』と感じている人が、全体の8割を超えた。」と言う。或る40代・女性は「年賀状の心配が無くなっただけでも、ストレスが大幅に軽減された。年末の悩みが減って、嬉しかった。」と回答したそうだが、年賀状仕舞いを決断した人達、或いは迷っている人達の代表的な考えなのかも知れない。
7年前の記事「年賀状仕舞い」で書いた様に、自分の場合、「以前の勤務先の元上司(恐らく80代後半)からの"年賀状仕舞い宣言"が最初で在り、今の所、最後と成っている。」のだが、母の場合は近年、年賀状仕舞い宣言を受け取る事が増えて来ている。「2025年度の年賀状は、料金が其れ迄の63円/枚から85円/枚と大幅に値上がりした事で、年賀状仕舞いを決断する人がどっと増えるのでは?」と言われていたが、今年も親戚から「老々介護が大変に成って来た為、今年を以て年賀状を終わらせて貰います。」と記された年賀状が届いたとか。
昨年の記事「其の人の"本当の姿"」で書いた様に、年賀状仕舞い宣言は受け取っていないものの、6年程前から"一方的に"人間関係を断たれた経験は在る。
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「高校時代からの長い付き合いで、社会人になって以降も毎年の様に、顔を合わせて飲む友人の1人・A君に関して、自分は"一生付き合える友人"と思っていたのだが、5年前から彼と一切連絡が取れなくなってしまった。どうやら『人間関係を完全に絶つ。』という判断を、A君はした様だ。『自分に、何か落ち度が在るのか?』とも落ち込んだが、『共通の友人達も同様に、彼とは一切連絡が取れなくなった。』という事が判明するに到り、『矢張りA君は、人間関係を完全に絶ちたいのだな。』という結論に。一生付き合える友人と思っていただけに、とても残念で悲しい出来事だった。」。
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「A君にはA君形の考えが在っての決断だろうし、そういう決断をしても問題が無い程の"人間的な魅力"が自分には備わていなかった。」という事なのだろうが、寂しい思いは正直在る。
そして、同じ記事「其の人の"本当の姿"」の中で取り上げた父の元部下D氏の場合、父が亡くなって以降ずっと、もう40年以上も欠かさずに年賀状を送ってくれていた。父の下で働いていたのは半世紀近く前迄というのに、「父から、凄く可愛がって貰った。」という感謝の思いが強い様で、母も「本当に律儀な人。」と感動していた。数年前には「奥様が認知症を罹患し、其の介護に当たっています。」と年賀状に記されていたので、「あんなにも良い人が・・・本当に気の毒だなあ。」と思った物。
そんな律儀なD氏から、昨年は年賀状が届かなかった。「年賀状仕舞いなのかなあ?」と思ったりもしたが、彼の生真面目さを考えると、そうで在れば年賀状仕舞い宣言を送って来ると思う。年賀状を出したくても出せない理由、例えば「D氏本人も、何等かの病に倒れた。」というのが一番考えられるのだけれど、「何か在ったのでしょうか?」と問い合わせるのも「年賀状を催促している。」様で嫌だし、結局、様子を見る事に。
で、今年、矢張りD氏から年賀状は届かなかった。彼の律義さを十二分に知り尽くしている母は、「亡くなられた可能性も・・・其れならば、今迄の御礼を込めて、御仏前等を送りたいのだけれど・・・。」と言っている。
以前の勤務先の同僚だったE氏。自分の先輩に当たる方だが、とても癖の強い人では在った。年賀状だけの付き合いに成って30年以上だが、欠かさずに送ってくれていた。ところが昨年、初めて年賀状が届かなかった。「とても癖の強い人だったし、(定年等の理由から)会社を辞めた事が切っ掛けで、人間関係を絶つ決断をしたのかなあ?」と思ったりもしていたのだが、今年は彼から年賀状が届いた。文面を見て吃驚したのは、「一昨年に大病を患った事で会社を辞め、今は実家に戻っている。」と記されていた事。知らなかった事とはいえ、勝手に「人間関係を絶つ決断をしたのかなあ?」と想像してしまったのは本当に申し訳無かったし、自分も含めて「健康面を真剣に考えなければいけない年令に成ったのだなあ。」と改めて感じた。
実は私も、今年の年賀状で、初めて数十人に「年賀状仕舞い」のコメントを付けて送りました。
2年前に後期高齢者の仲間入りをした事もありますが、一番の理由は葉書代がいきなり85円に値上がりした事です。只でさえ物価高で生活が苦しいのに、こんなに高くなっては出す意欲も失せます。何せ値上り率35%ですからね。
そうしたら、今年届いた年賀状の中にも、年賀状仕舞いのものがかなりありました。お互い同時に年賀状仕舞いを出し合った先も数人ありました。みんな考える事は同じなのですね。
ニュースによると、今年の年賀状発行枚数は10億7000万枚。2021年の発行枚数が21億3443万枚でしたから、たった4年で半分以下になったわけです。
さらに郵便局の発表によると、元日に全国で配達された枚数は約4億9100万枚で、去年を34%下回ると発表されました。前年より発行枚数を3億7000万枚も減らしたのに、なんと5億7900万枚も売れ残った勘定になります。印刷業者が買い取った分も含まれるでしょうが、多分これも相当売れ残ったでしょうね。
今年はまだ「年賀状仕舞い」の為に年賀状を出した方も多いでしょうから、来年はこの分がまるまる減るわけで、おそらく来年はもっと年賀状が激減するに違いありません。
年賀はがきを止めて、メール年賀状にした人も多いでしょうね。私も仲のいい数人はメール年賀状に変えました。
将来はひょっとしたら年賀はがきそのものがなくなるかも知れませんね。これも時代の流れと言っていいでしょう。一抹の寂しさはありますが。
今年を以て、Kei様は年賀状仕舞いをされるんですね。作成の煩雑さも在りますが、矢張り「年賀状の料金が大幅に上がった事で、『今回を以て止め様。』と判断される方が増えたで在ろう。」事は、凄く理解出来ます。
今年の年賀状、自分の場合は"年賀状仕舞い宣言"が記された物は皆無だったのですが、30年以上欠かさずに届いていた数人から、年賀状が届きませんでした。実質的な年賀状仕舞いなのでしょうし、そういう判断をされた事を尊重したい気持ちは在るのですが、自分の場合だったら年賀状仕舞い宣言を記した最後の年賀状を送るし、「こんな感じで、関係が途絶えてしまうんだなあ。」という一抹の寂しさは、正直在ります。
今年の年賀状、正に惨憺たる状況なんですね。諸々を考え合わせると、「そう成るだろうなあ。」と納得出来る所は在るのですが、幼い頃より"当たり前の様に続いていた習慣"が、将来的に消え失せてしまうのだとしたら、残念な思いも。仰る様に、時代の流れなのでしょうが・・・。