特定の組織を取り上げて小説を書く際、内容にリアリティーを持たせたいのならば、その組織の詳細を或る程度熟知している必要が在る。唯、やたらと細かい描写をすれば良いという訳でも無い。得てしてそういうケースは、説明調になり勝ち。「リアリティーの追求」と「過度な説明調」というのは紙一重で、正に作家の力量が問われる部分だろう。
近年、「警察小説」と呼ばれるジャンルが人気を博している。自分も西村京太郎氏や横山秀夫氏、雫井脩介氏、今野敏氏、佐々木譲氏等の作品を読み漁っているが、以前記した様に最近の西村作品には過度な説明調が鼻に付く所を感じているものの、その他の作家に関しては絶妙なバランスをキープしている様に思う。
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最大瞬間風速32m。十勝平野が十年振りの超大型爆弾低気圧に覆われた日の午後、帯広近郊の小さな町・志茂別では幾つかの悪意が蠢いていた。暴力団組長宅襲撃犯、不倫の清算を決意した人妻、冴えない人生の終着点で職場の金を持ち出すサラリーマン・・・。それぞれの事情を隠した逃亡者達が辿り着いたペンション「グリーンルーフ」で、恐怖の一夜の幕が開く。全ての交通が遮断された町に、警察官は川久保篤巡査部長の他は居らず・・・。
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佐々木譲氏の「暴雪圏」は、「駐在警官・川久保篤シリーズ」の第二弾。第一弾の「制服捜査」もなかなかの内容だったが、この作品もストーリーに引き込まれる面白さが在った。人口僅か6千人程という小さな町で生じる様々な悪意。最初は全く無関係だった者達が、やがて何者かに呼び寄せられる様に一つのペンションに集まるのだが、その過程で悪意が犯罪という形で表出するケースも在れば、他者の悪意によって自らの悪意が消滅し(乃至は影を潜め)たりするケースも在り、一寸した歯車の食い違いで「悪」に転落してしまい兼ねない人間の弱さを感じる。
冒頭で「大昔に起こった或る悲劇」を紹介しており、それが「ストーリー展開上、何等かの意味を持ち得るのだろう。」と踏んでいたのだが、その点では期待外れな内容だった。「吹雪の恐ろしさ」や「閉ざされた空間で起こった事柄の“真実”は、結局の所当事者しか判り得ない。」という意味合いで取り上げた逸話だったのだろうか?又、悪意が消滅した(乃至は影を潜めた)人達の“その後”も気になり、そういった点では消化不良気味さも残る。
総合評価は星3つ。
近年、「警察小説」と呼ばれるジャンルが人気を博している。自分も西村京太郎氏や横山秀夫氏、雫井脩介氏、今野敏氏、佐々木譲氏等の作品を読み漁っているが、以前記した様に最近の西村作品には過度な説明調が鼻に付く所を感じているものの、その他の作家に関しては絶妙なバランスをキープしている様に思う。
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最大瞬間風速32m。十勝平野が十年振りの超大型爆弾低気圧に覆われた日の午後、帯広近郊の小さな町・志茂別では幾つかの悪意が蠢いていた。暴力団組長宅襲撃犯、不倫の清算を決意した人妻、冴えない人生の終着点で職場の金を持ち出すサラリーマン・・・。それぞれの事情を隠した逃亡者達が辿り着いたペンション「グリーンルーフ」で、恐怖の一夜の幕が開く。全ての交通が遮断された町に、警察官は川久保篤巡査部長の他は居らず・・・。
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佐々木譲氏の「暴雪圏」は、「駐在警官・川久保篤シリーズ」の第二弾。第一弾の「制服捜査」もなかなかの内容だったが、この作品もストーリーに引き込まれる面白さが在った。人口僅か6千人程という小さな町で生じる様々な悪意。最初は全く無関係だった者達が、やがて何者かに呼び寄せられる様に一つのペンションに集まるのだが、その過程で悪意が犯罪という形で表出するケースも在れば、他者の悪意によって自らの悪意が消滅し(乃至は影を潜め)たりするケースも在り、一寸した歯車の食い違いで「悪」に転落してしまい兼ねない人間の弱さを感じる。
冒頭で「大昔に起こった或る悲劇」を紹介しており、それが「ストーリー展開上、何等かの意味を持ち得るのだろう。」と踏んでいたのだが、その点では期待外れな内容だった。「吹雪の恐ろしさ」や「閉ざされた空間で起こった事柄の“真実”は、結局の所当事者しか判り得ない。」という意味合いで取り上げた逸話だったのだろうか?又、悪意が消滅した(乃至は影を潜めた)人達の“その後”も気になり、そういった点では消化不良気味さも残る。
総合評価は星3つ。
大分前に報じられていたのですが、茅葺屋根作りの体験ツアーが結構人気を博しているという事でした。茅葺屋根作りには人手&金銭がそれなりに必要で、地方ではその維持に頭を悩ませていたそうですが、「御金を出してでも、そういった体験をしてみたい人が居るのではないか?」との声で募集を始めた所、応募者が殺到したとか。応募者は「貴重な体験」が出来、地方としては「人手&経費削減」を図れるという事で、両者にとって万々歳といったケースと言えますね。
因みに自分の場合、真っ暗闇の中で食事を取るという「暗闇ディナー」に一寸興味が。暗闇で何も見えないからこそ、味覚が普通以上に研ぎ澄まされるとの事ですが、果たしてどんなものか。
スティーブン・キング氏の作品、面白そうですね。実は今更乍らなのですが、大ヒットした海外ドラマ「LOST」をCS放送で見ています。何となく御紹介戴いたスティーブン・キング氏の作品に雰囲気が似ていますね。
西村さんの十津川シリーズ。^±^
説明口調なのはテレビでもわかります。
個人的には夏樹静子さんが好きです。^±^
鮎川哲也さんの本に載ってました。大昔ですがね。
「暴雪圏」おもしろそうですね。
そう、茅葺屋根作りの体験は人気があるようですね。
私も時間があれば参加してみたいです^^
最近はそういう日本家屋に出来ればすんでみたいと思っているのでリアルにやってみたいです。
「LOST」は最初の方だけ見ましたが、あまりに長いので続きませんでした。 秘密の扉のナンバーを記入してロト6で4等に当たったことがあります。 結構最近見たキングの「ミスト」という作品もそういえば、謎の霧に包まれて身動きができず、スーパーマーケットに閉じ込められた人たちが追い詰められていくストーリーでした。 あまりにも悲惨なラストでした。
西村作品は面白いのですが、近年は頁稼ぎとも思える様な記述が目に付き、その辺が少々辟易としております。デビュー当時の社会派タッチの作品も好きでしたので、又そういう作品も著して欲しいのですが。
夏樹静子女史の作品は「天使が消えていく」や「Wの悲劇」等を読んでいますが、社会問題を取り上げた作品が初期の頃の西村作品とダブる所が在り、良いですね。
洋風の家には洋風の家の良さが在り、嫌いでは無いのですが、やはり居て落ち着くのは日本家屋。囲炉裏に薪をくべ、その煙で茅葺屋根を燻す事で防虫効果をも生み出す。生活の知恵ですね。
「食の好み」もそうですが、年を経る事で若い頃と趣味&嗜好は結構変わりますね。昔は部屋にごてごてと物を置く方でしたが、今は極力シンプルな方が良い。地方を旅して古い日本家屋に出会うと、縁側でボケーっと庭を見て過ごすのが好きです。
マヌケ様と似た様な経験を、10年以上前にした事が在ります。同僚と昼飯を取った後、オフィスに戻る途中で見掛けた路上駐車している1台の車。何気無くナンバープレートを見ると、4桁の内3つが同じ番号。何故か気になり、途中の宝くじ売り場でナンバー4をその番号で2口買った所、配列違いでは在りましたが当選。結構な副収入になった訳ですが、今でも何故あの番号が気になったのか謎。
でも、ちょっとだけ読んでしまい、またgiants-55さんのコメントを読ませていただくと、自分でも読んでみたい気持ちに駆られます。ちび達が寝静まった夜にでも読んでみようかな・・・。
ところで、暗闇の中でやる鍋はなかなか乙なものです(笑) 大学時代、似たようなものをやり、スリッパを入れられたことがありました。その横にチョコレートが浮かんでいて・・・。
あれは、食べるものではないですね。
また暗闇で思い出しましたが、やはり大学時代に友達数人と泊まりに行くと、必ず「ミッドナイトまくら投げ」をやりました。部屋を真っ暗にして、手当たり次第に枕や布団を投げまくり、手ごたえがあったところに集中攻撃をくらわす…という何とも卑怯極まりない遊びでしたが、真っ暗闇ということもあってか、なかなか夢中になりました(笑)