ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

さようなら、金八先生!

2011年03月28日 | TV番組関連

今は見る影も無いけれど、「報道のTBS」、「ドラマのTBS」、「歌番組のTBS」等々、様々な分野でTBSの番組が評価されていた時代が在った。「彼の頃は良かった。」と過去を振り返りたくは無いけれど、「彼の頃のTBSは本当に輝いていたし、好きな番組が多かった。」という思いが自分の中に在るのは否定出来ない。TBSが光り輝いていた時代の1979年10月26日、TBS系列で一つのドラマが放送開始となった。金曜日の午後8時に始まった此の番組に、大きな期待を掛けた人は少なかったに違いない。何しろ当時は「金曜日の午後8時」と言えば、日本テレビ系列のドラマ「太陽にほえろ!」が断トツの人気を誇っており、他局の番組は揃って討ち死に状態といった感じだったから。「金曜日の8時の番組だから、担任教師の名前は『金八』。」という所にも、制作サイドの自棄っぱちさが感じられなくも無い。

 

ところが、此の番組は大化けする。翌年3月28日に合計23話が放送となったが、平均視聴率は24.4%、最高視聴率に到っては最終回の39.9%という大ヒット番組になったのだ。「(東京都足立区立桜中学校」の3年B組を舞台に、「多感な時期の生徒達と、彼等を取り囲む教師を始めとした大人達の姿を描いた。」作品、そう「3年B組金八先生」(動画)だ。生徒達とほぼ同世代だった自分は、此のドラマにどっぷりと感情移入する事に。以降、同シリーズは全てリアル・タイムで見続けて来た。当ブログを立ち上げて間も無い頃に「金八フリーク」なる記事を書いた程、「3年B組金八先生シリーズ」は自分にとって小さくない存在なのだ。

 

「1950年8月8日生まれ」という設定の金八先生、数年前から「2011年3月には定年を迎えるのだなあ。」という思いが在った。そして昨日放送された「3年B組金八先生・ファイナル~『最後の贈る言葉』4時間スペシャル」で、金八先生は教壇を下りる事に。第1シリーズでは30歳だった武田鉄矢氏も、今年で61歳という事で金八先生とほぼ同い年。ギラギラとした若さが在った金八先生も白髪が目立つ年代になっていたし、嘗ての教え子達が大勢出演していたが、初期の頃の生徒達はすっかりおじさんやおばさんになっていた。(「加藤優」役の直江喜一氏なんぞは、其の筆頭と言って良いだろう。)*1過ぎ去った32年という年月の長さを、改めて認識。

 

第1シリーズでは黒電話が使われていたけれど、現在は携帯電話がメインで在る等、隔世の感を禁じ得ない事柄」は幾つも在る。クラスの生徒数もそうで、第1シリーズでの3年B組は全部で「32人」だったのが(当時、自分の場合は1クラス45人で、1学年で10数クラス在ったと記憶している。)、今回のファイナルでは「25人」と約2割減。制作費等の関係で元々現実よりも生徒数を少なめに設定しているのだろうけれど、少子化の影響も当然在るに違いない。

「生涯一教師」という思いを持っていたで在ろう金八先生が、定年を迎える段階でも管理職で無いのは嬉しかったりする。非現実的な設定と判ってはいてもだ。又、第1シリーズでは典型的な「でもしか教師」といった雰囲気の“カンカン”こと乾(友彦)先生(森田順平氏)が、金八先生の「良き同志」といった関係に転じて行き、矢張り「生涯一教師」として在り続けたのも興味深い所。

 

「3年B組金八先生シリーズが」最後を迎えた事で、改めて「全シリーズに於ける、個人的な思い入れの強さランキング」を記してみたい。(昨夜の放送分もそうだが、スペシャル版は除外し、対象としたのは全8シリーズ。)上記した「金八フリーク」の内容と可成りオーヴァーラップしてしまうけれど、其の点は御容赦戴きたい。

 

*************************************

=個人的な思い入れの強さランキング=

 

1位:第2シリーズ

【主要テーマ】

校内暴力非行少年思春期心身症/集団虐め/家族の断絶等。

【感想】

腐ったミカンの方程式」で有名なシリーズ。*2当時、教育現場で大問題となっていた「校内暴力」や「虐め」がテーマで、昔の仲間を庇って学校に立て籠もった加藤優達が、最後は警察に逮捕&連行されるシーンが忘れられない。「教え子を必死で守ろうとする金八先生」と「次々と警察に取り押さえられる生徒達」というコントラストスロー・モーションで映し出され、其処中島みゆきさんが歌う「世情」(動画)が流れる。何度見ても、涙してしまう名シーンだ。

 


2位:第5シリーズ

【主要テーマ】

学級崩壊/校内暴力/引き籠り発達障害注意欠陥・多動性障害(AD/HD)少年犯罪等。

【感想】

優等生の仮面を被り、裏では卑劣な行為を繰り返す生徒・兼末健次郎(風間俊介氏)がメインのシリーズ。健次郎の家庭には人に知られたくない“闇の部分”が存在し、或る日、其れになってしまう。家庭が崩壊し、縋る者も無く、呆然と部屋に立ち尽くす健次郎の携帯電話が鳴り、電話に出ると彼の耳に金八先生の声が飛び込んで来る。其れ迄の頑なな姿勢を解き、助けを求める健次郎の耳に、近くで聞こえる救急車の音が携帯電話を通しても聞こえて来る。「若しや。」と思って部屋の窓ガラスを開けた彼の目に、門の外から携帯電話で話し掛けている金八先生の姿が映る。階段を駆け下り、玄関を飛び出して、金八先生に抱き付き&滂沱する健次郎。風間氏の演技が本当に素晴らしく、全8シリーズの中で此の第5シリーズが、最も泣いた回数が多かったと思う。


3位:第1シリーズ

【主要テーマ】

15歳の妊娠/受験戦争/命の大切さ等。

【感想】
同年代の人間が「妊娠&出産」するという設定は、当時非常に衝撃的で在った。又、アイドル全盛期をリードしたたのきんトリオ三原じゅん子(当時は「三原順子」。)さんが生徒役で出ていたのも、此のシリーズの印象度を高めている。


4位:第6シリーズ

【主要テーマ】

性同一性障害/報道と人権薬物依存家庭内暴力等。

【感想】

「理想とする教育」を追い求める金八先生と、冷徹に「現実路線」を推し進めようとする千田校長(木場勝己氏)との激しいぶつかり合いも印象に残っている。自身の考えを曲げず、でも金八先生の立ち位置も認める様な、実に思わせ振りな感じで千田校長は桜中学を去っただけに、其の後が描かれないままファイナルを迎えてしまったのは実に残念。

 

5位:第7シリーズ

【主要テーマ】

薬物依存/児童虐待/発達障害/民間人校長/命の大切さ等。

【感想】

家庭に大きな問題を抱えた生徒・丸山しゅう(八乙女光氏)がメインのシリーズ。「地域の麻薬蔓延が非常にリアルに描かれていて、禁断症状が出たしゅうが教室の床に打ちまけられた水を這い蹲って、舌で舐め取っていたシーンが何とも恐ろしかった。

 

6位:第4シリーズ

【主要テーマ】

虐め/家族の断絶/不登校等。

【感想】
第1シリーズで中学生の妊娠&出産を取り上げたが、
其の時に生まれた子供を担任として受け持つ事になった金八先生。「もうそんなに時が経ったのか。」と、自分も親感覚で見てしまった。

7位:第8シリーズ

【主要テーマ】

モンスターペアレント学校裏サイト援助交際/ルールの在り方等。

【感想】

自分が学生だった時分にも、勿論「虐め」は存在していた。でも虐めに関わる人間と言えば、広くてもクラス内だけだったが、インターネットが普及した現代では「学校裏サイト」等により、学校外の不特定多数も虐めに関与出来る環境になってしまった事を、改めて痛感させられる事に。又、「録画設定のトラブルから、最終回が未だに見られないままにいる。」という点でも、此のシリーズは印象に残る。(スペシャル版も含め、「3年B組金八先生シリーズ」で見ていないのは、此の最終回だけなのだ。)

 

8位:第3シリーズ

【主要テーマ】

生徒の無気力/教師の権力/食と健康/虐め等。

【感想】

正直言って、此のシリーズの印象は薄い。浅野忠信(当時は「佐藤忠信」。)氏や萩原聖人氏、元SMAP森且行氏、V6長野博氏等、錚々たる顔触れが生徒役には並んでいるのだけれど、放送期間が3ヶ月という短さに加えて、(他の7シリーズとは異なり)舞台が「足立区立桜中学」から「足立区立松ヶ崎中学」に代わっているのも印象が薄くなった要因だろう。

*************************************

 

「ずっと見続けて来た『3年B組金八先生シリーズ』も、此れで最後か。」と思うと、堪らなく寂しい。「『出会い』が在れば、必ず『別れ』が在るのが世の。」と判ってはいてもだ。でもずっと見続けて来た人間として、けじめの言葉を書かない訳にはいかない。

 

32年間、本当に御疲れ様でした。さようなら、金八先生!

 

*1 第1シリーズに出演していた先生達がズラリと顔を揃えていたのは、非常に懐かしかった。(野村教頭役の早崎文司氏が御存命だったら、是非とも出演して貰いたかったのだが・・・。)特に左右田(そうだ)先生役の財津一郎氏が登場したのは嬉しかったけれど、声の張りに衰えを感じてしまったのが哀しくも在った。君塚校長役の赤木春恵さんのヨレヨレ具合もショックで、が単に演技で在れば良いのだが。

 

*2 「3年B組金八先生シリーズ」と言えば、名作中の名作は「腐ったミカンの方程式」の話だと思う。だからこそ加藤優が登場したならば、松浦悟(演じていた沖田浩之氏は既に亡くなられている。)に付いても触れて欲しかった。「亡くなっている。」という設定では無く、例えば加藤優が「先生、悟は大きなプロジェクトで海外行ってるんだよ。奴も頑張ってるんだよなあ。俺も頑張らないと。」みたいな事を言う形でも良かったと思う。


コメント (6)    この記事についてブログを書く
« 火事場泥棒 | トップ | 気付かされた事 »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
意外な方が物故者に。。。 (あみーご長嶋)
2011-03-28 22:05:58
トラックバック、コメント共にありがとうございました。ということでこちらにレスを付けさせていただきます。

どうも金八について語らせると尽きない世代のようで、いまだ書きたりない感じがしております。越智はるみ役といえば藤島ジュリー景子さんですが、彼女は今やジャニーズ事務所にとって欠かせない存在でございます(タレントじゃありませんが)。そうですか、彼女の母親役が小林千登勢さんだったんですね。すっかり見落としてました(^^ゞあとヨッちゃんの親父役が雁之助はんとは・・・あまり出てませんでしたよね、裸の大将が忙しくて(笑)

それと、確か、今回のファイナル、厳密にいえば第3シリーズは桜中学が舞台ではないために紹介されていないのだそうですね(ウィキ参照)浅野忠信や森且行が出ていなかったのはそのためです。なんか変ですが。

放送が終了して、なんだか心が空っぽになったような、気が抜けたような感じです。 
返信する
>あみーご長嶋様 (giants-55)
2011-03-29 01:07:47
書き込み有難う御座いました。今回は此方にレスを付けさせて貰います。

第1シリーズからずっと見続けて来た人間ですので、他のドラマとは感情移入度が全く異なってしまう自分です。まるで自分が3年B組の生徒だった様な感覚で、一昨日のドラマは見入っていました。

32年もの歴史が在るのですから、出演されていた方には物故者が少なくないのも仕方無いのでしょうね。あみーご長嶋様の記事でも書かれておられましたが「昭和に放送されたシリーズ」、即ち第1~3シリーズだけに限っても、パッと思い浮かんだだけで次の方々が鬼籍に入られています。

*********************
【教職員】
・野村孝一郎教頭(早崎文司氏)

【生徒】
・松浦悟(沖田浩之氏)
・畔柳吉人(金杉太朗氏)

【生徒の父兄】
・浅井雪乃の父(牟田悌三氏)
・越智はるみの母(小林千登勢さん)
・梶浦裕二の父(芦屋雁之助氏)
・田中康一の父(小島三児氏)
・平山英吉の父(小鹿番氏)
・加藤優の母(千之赫子さん)
*********************

「加藤優の母を演じていた千之赫子さんが、既に鬼籍に入られていた。」というのはあみーご長嶋様の記事にて知ったのですが、彼の「腐ったミカンの方程式」から5年後の1985年に、51歳の若さで病死されていたのですね。松浦悟と加藤優の演技も然る事乍ら、息子の非行に苦悩する母を演じていた千之赫子さんの演技も忘れ難いです。

第3シリーズは舞台となった学校が異なる等の要因から、すっかり“鬼っ子”的な扱いになっているのが気の毒でなりません。一昨日の放送でも一切触れていなかったし。確かに印象が薄いシリーズでは在るのですが、主題歌の「声援」は強く印象に残っているし、好きな歌なんですけどね。
返信する
第一シリーズの (spa supernova)
2011-03-31 23:13:37
優等生の岡村君役の人が柔和な中年になっていて驚きました。見慣れてる鶴見辰吾や三原じゅん子の変化にはあまり驚かないが、30年前から見ると鶴見は別人のようになっている。つちやかおりも別人(昔はかわいかったが)。笠間ナントカという子(役名)はスペシャルでヤクザの情婦になっていた設定だったので、笠間さん(役名)が居たときホっとしました。虚構なのに(笑)。
トシちゃんが出られなかったのは残念。

第二のマッキンカクシ高校進学するとか言ってた子は好みのタイプだったのでその子の現在は結構気にしていました。彼女もつちや系の変化だったかなあ。ひかる一平は太った以外あまり変化がなかった。

あと風間俊介が大人になっていた(当たり前か)とか面白かったです。

岡本健一はスペシャルに出てたので、実は親子二代でスペシャル版主役だったのですね。

虚構なのに卒業式のシーンがすごくリアルなのが面白かったな。
返信する
>spa supernova様 (giants-55)
2011-04-01 01:24:28
書き込み有難う御座いました。

長期に亘って放送されたシリーズ物はどうしても感情移入度が高くなってしまうものですが、「3年B組金八先生シリーズ」の場合は生徒達と同世代の人間にとって特に其の度合いが半端では無いでしょうね。虚構の世界と判っていても、ついつい涙してしまった。卒業式のシーンは生徒も金八先生も、本当の子弟の様な感じが漂っていたし。

「政治家になったら、女優業は一切行わない。」と断言した三原じゅん子さん。「あんなに迄他者(谷亮子さん)攻撃をしていた以上、どんな形でも出演するのは如何なものか?」と否定的な思いを持っていたけれど、結果的には出演して良かった様に感じました。名前を呼ばれた際、金八先生に何か一言言いたかったのだろうけれど、「女優を引退する。」と大見得を切った以上は、「せめて台詞を言うのは控えよう。」という彼女なりの意思が感じられたし。

トシちゃん、実は番組出演のオファーを待っていたみたいですね。爆笑問題の田中氏が、彼から聞いた話として暴露していました。喧嘩別れの様な形でジャニーズ事務所を辞めた事で、未だにテレビ局サイドに「圧力」が掛かっていたのかもしれませんが、此のドラマの功労者の一人だっただけに出て欲しかった。ヨッちゃんは何で出なかったのだろうか?

ひかる一平氏や直江喜一氏もそうですが、矢張り中年になると体型や頭髪に「年齢」が現れますね。自分も人の事は言えませんが。

親子二代と言えば「阿部トシエ役のつちやかおりさん(第1シリーズ)」と「大西悠司役の布川隼汰氏(第8シリーズ)」もリアル親子として有名ですね。
返信する
3年B組金八先生2と加藤優のファンサイト (金八2ファン)
2011-04-03 23:39:28
初めまして。giants-55さんもシリーズ2が一番なんですね。嬉しいです^^ それにしても金八先生について詳しいですね。とても参考になりました。ありがとうございます。
返信する
ありがとうございます。 (金八2ファン)
2011-04-05 20:05:26
こんばんは。金八2ファンです。
わざわざ私のブログにお越しいただき、しかもコメントまで残していただきありがとうございます。
giants-55さんのブログをリンク集の中の管理人推奨ブログというところにリンクさせていただきましたが、一度ご確認いただき、差し支えなければ相互リンクしていただけますでしょうか。ご検討いただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。