**********************************
行方不明になった2歳年上の姉・安西万佑子(あんざい まゆこ)。真偽の境界線から、逃れられない妹・結衣子(ゆいこ)。7あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの?
13年前、小学校3年の姉・安西万佑子(あんざい まゆこ)は失踪してしまう。行方が判らない儘、月日は過ぎ去るが、失踪から丁度2年目の日、近所の神社で姉は発見&保護される。しかし、2つ年下の妹・結衣子(ゆいこ)の心には其の日以降、或る違和感が残り続けた。
押さえ付けても、亀裂から溢れ出て来る記憶。そして、尋ねる事が出来ない問い。「戻って来てくれて、とても嬉しい。だけど、ねえ、御姉ちゃん。貴方は本当に、本物の、万佑子ちゃんですか?」。
**********************************
湊かなえさんの小説「豆の上で眠る」。最初に目にした時、「変なタイトルだなあ。」と思った。「どんな内容なのか?」が、タイトルからは全く窺い知れなかったので。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話は慣れ親しんでいるが、「えんどう豆の上に寝た御姫様」という作品は、全く知らなかった。非常に短い作品で在り、尚且つ此方に記されている様に、意味が判る様で良く判らない内容なのだが、此の作品をモチーフにしたのが「豆の上で眠る」なのだ。
似た様な作風が続き、マンネリ感を覚えている湊作品。「豆の上で眠る」は「作風を変えなければ。」という著者の思いは感じられるし、実際に一寸違った作風で、先が読みたくなるストーリー展開では在る。
だがしかし、肝心な「謎解き」の部分が弱い。全体の3分の2も行かない所で、「謎」は解けてしまったし、其の謎も30年以上前ならば「おーっ!」という驚きが在ろうけれど、今では「使い古された設定だなあ。」と思うしか無いので。
総合評価は星2.5個。