銀幕大帝α

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The NET 網に囚われた男

2018年01月16日 16時33分51秒 | 韓国ドラマ
THE NET
2016年
韓国
112分
ドラマ
劇場公開(2017/01/07)




監督:
キム・ギドク
『殺されたミンジュ』
脚本:
キム・ギドク
撮影:
キム・ギドク
出演:
リュ・スンボムナム・チョル
イ・ウォングンオ・ジヌ
キム・ヨンミン取り調べ官
チェ・グィファ室長
イ・ウヌチョルの妻



<ストーリー>
北朝鮮の漁師、ナム・チョルは、モーターボートで漁に出たある日、魚網がエンジンに絡まりボートが故障してしまう。韓国側に流された彼は韓国の警察に拘束された挙句、スパイ容疑で尋問を受けることに。

スパイでも英雄でもない。

―感想―

北の男だろうと関係なく親身になって接してくれた監察官の青年がナイスガイ。
逆に取り調べ官の男は糞野郎。
こいつ、どうしても拘束した男をスパイ扱いにしたくて躍起になり、無慈悲な暴力まで働くから、観ている私も腹立ってきて何時かギャフンと言わせてやれという気持ちだけが大きく生まれちゃったけれど、思い通りにギャフンと言わされて、自分がやった事を同じ様に仕返しされて、とここまでは期待通りの流れだったが、まさか頭おかしくなっていきなり大声でヤケクソ気味に韓国国歌を歌い出すてのにはかなりビックリした。
上から目線で横暴な態度だった人間が、ここまでコテンパンにされると、プライドズタズタに引き裂かれた事からの反動からか他の同僚が啞然としちゃう程にプッツンしちゃうものなんだね。

疑惑は晴れて無事に北に帰されるけれど、そこで待っていたのは又取り調べ。

これは、あれかなぁギドク監督ならではの名称に「北韓」と「南朝鮮」の違いはあれども、やっている事、考え方は同じ、結局どっちも朝鮮人なんだという皮肉なのかな。

果たしてあのまま言いなりになって南に亡命し、新しい女性と結婚して自由に暮らした方が幸せだったのか、それとも命を預けた北の地で監視対象にされながらも自由を求めて船に乗り射殺される事の方が彼にとっては本望だったのか。
愛国心もあるだろうけど、どっちの自由が人としての幸福なのか・・・。
何とも言い様のない悲しい結末だった。

南から持って帰って来たハテイクなぬいぐるみよりも、ボロボロになったぬいぐるみの方に男の娘が愛着を示すラストシーンにもその国の情勢が見て取れるんだよねぇ。
物は粗末にしちゃいけないという北の人達の貧しさから産み出る想いがさ。

評価:★★★★
18/01/15DVD鑑賞(準新作)
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レンタル開始日:2017-09-06
メーカー:キングレコード

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コインロッカーの女

2017年01月06日 21時04分17秒 | 韓国ドラマ
COIN LOCKER GIRL
2015年
韓国
111分
ドラマ/犯罪
劇場公開(2016/02/16)



監督:
ハン・ジュニ
脚本:
ハン・ジュニ
出演:
キム・ゴウンイリョン
キム・ヘス“母さん”
オム・テグウ・ゴン
パク・ボゴムパク・ソッキョン
コ・ギョンピョチド



<ストーリー>
地下鉄のコインロッカーに、へその緒が付いたまま捨てられていた赤ん坊。イリョンと名付けられたその子は、仁川のチャイナタウンを支配する“母さん”と呼ばれる女に育てられ…。

-感想-

育った環境があんなんだからね。
ヤクザに囲まれ、屑を相手にして、と荒れた人生を送っている中で出会った心優しき青年。
今まで接触した事も無いタイプの人間だから、そりゃあ心も揺れ動くでしょう。
粋がってはいるけれど、心は乙女なんスよ。
又、同じく親に見捨てられたという接点もあり、恋にも似た同情もあってか同胞の取立て屋から逃がそうとする。
しかし彼に待っていたのは無情な死だった。。。

これを基点に、主人公は「家族」に反旗を翻す事となる。

血で血を洗い、自分が味わった無念と屈辱をきっちりと晴らす為に静かに行動を移していく。
韓国映画らしく暴力的な描写に一切の迷いがない。
相手が例え共に過ごして来た「家族」であろうとも、決意を邪魔する者には武器を手に持ち立ち向かっていく。
そしてこれらの行為は怒りの果ての組織壊滅へと繋がり、慕っていた“母さん”すらにも衝動を抑えられないまま心の叫びを爆発させて刃を突いてしまうであった。

捨てられていたコインロッカー。
養子縁組の書類を残していたコインロッカー。
初めと最後では全く意味が異なる小さな空間。
最低な場所に入れられた主人公が、今度は驚きの形で“母さん”の愛情を受け取り、これまでの人生を見詰め直すも、決断に至るのは“母さん”がやってきた仕事の引継ぎ。
これはもうきっぱりと裏社会から足を洗うよりも、敢えて“母さん”から貰った想いに彼女が態度で答えたという事になるだろう。
ただ一連の事件を経験した事で主人公の仕事に対する考え方は変わったと思う。
最後の最後に受け取った“母さん”からの優しさを彼女自身が生き方へと活かし、以前よりも平和的な道を歩んで行く、そんな気持ちの固め方を表情からも汲み取れるラストシーンだった。

主役を務めたのは新進女優のキム・ゴウンさんだが、前からルックスが剛力に似ているなあとあくまでも私個人の印象ではありますが、例え顔が似ていようとも女優としての器が丸っきり異なる。
剛力よ、エヴァンゲリオンのコスプレなんてしている場合じゃねぇぞ。
少しはキム・ゴウンさんの爪の垢でも煎じて飲め!
これが魂の篭った演技だ!
剛力だけじゃない、日本の若手女優皆にも言えること。
並みの演技でイケメン俳優と程度の低いラブロマンスなんてやっている場合か。
ちょっとは海外の女優さんの演技力をその目で観て意識を高めて貰いたいものだ。
こういう見事なまでのリアクションが取れる女優さんを観ると、改めて日本の若手と比べるとレベルが月とすっぽんだなと映画に挑む姿勢・役に入り込む準備が韓国では相当高いてのがはっきりと見えてくる。
“母さん”役のキム・ヘスが全身から放っていた危険極まりないオーラも日本女優じゃあそう簡単には真似出来ないだろうな。
韓国映画界って全てにおいて本当に徹底的だから凄いよ。

あー!この作品が昨年の「未体験ゾーン」の本命だったのか!?
他にも面白い作品はあったけれど、本作が頭一つ以上飛び抜けて完成度が高かった。
期間限定での公開ってのが勿体無いやね。
韓国映画だからって事でこんなにも素晴らしい作品がひっそりと公開されてひっそりと殆どの映画好きの目に止まらないまま姿を消してしまう日本の映画市場の今の現実に寂しさを感じちゃうよ。

評価:★★★★
17/01/06DVD鑑賞(旧作)
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レンタル開始日:2016-04-02
メーカー:アルバトロス

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あいつの声

2016年02月07日 20時26分00秒 | 韓国ドラマ
VOICE OF A MURDERER
2007年
韓国
122分
ドラマ
劇場公開(2011/09/03)



監督:
パク・チンピョ
脚本:
パク・チンピョ
出演:
ソル・ギョング
キム・ナムジュ
キム・ヨンチョル
チョン・ヘジン

声の出演:
カン・ドンウォン



<ストーリー>
1990年代、ニュースキャスター、ハン・ギョンベの息子が誘拐される。犯人は脅迫電話で現金1億ウォンを要求。誘拐専門の刑事が捜査を開始するが、手掛かりは電話の声のみだった。

-感想-

韓国で起きた未解決事件を題材にしたドラマです。
これってさ、我々韓国警察は役立たず者ばかりの集まりですよ~、て宣伝してるみたいでさぁ、自国の悪い部分をあからさまにしても良いのか?大丈夫か?と自虐的な作りに苦笑いばかり出てくるんですが。
んまぁ、韓国警察は無能ちゅうのは今更の事でも無いですけども。
一度失態を犯した刑事(トランク)をそのまま又使う時点でアカンでしょ。
日本だと直ぐに交代させられるのとちゃうかなぁ。
親も親だしさ。
なんか危機意識が薄いんだよね、どいつもこいつも。
だから観ていてすっげぇ苛々してくるのよ。
そんなヘラヘラした捜査してたら、そりゃ助かる子供も助からんわ。
最新?技術の科学捜査を導入しても意味なし。
朝鮮人が使用している時点で、その使い方合っているのかと疑いたくもなる。
現にドヤ顔逮捕しても全部人間違いやし。

やっぱり韓国の警察に任せるとダメだこりゃ。

もうこの際、死んだ子供の事は忘れて、新しい赤ちゃんを授かっちゃえよ!
なんて不謹慎だけどボソッと呟いたら、主人公が全く同じ事を妻に言い出したものだから吹き出してしまった。
直後に私は韓国人と考えが一緒なのかよ、と自分の思考の低さにガックリきて情けなくなった。
下衆な男に成り下がってしまう所だったわイカンイカン。

ラストでは本物の犯人の肉声テープが流れるんだけども、それを聴くと電話での遣り取りはほぼ忠実に作品の中で再現はしてたんやね。
こうやってオリジナルの録音テープを流し観客に伝える事で、この痛ましい事件は忘れちゃいけないという監督の想いが少なからずとも込められてはいるんだろうなぁ。
日本人の私からすれば、韓国警察はバカだよという裏メッセージの方が強かったけどもね。

それにしても韓国の街は何処も彼処も渋滞だらけやん。
色んな意味で住み難そうな国ですわ。

評価:★★★
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メビウス

2015年07月12日 13時26分14秒 | 韓国ドラマ
MOEBIUS
2013年
韓国
83分
ドラマ
R18+
劇場公開(2014/12/06)



監督:
キム・ギドク
『嘆きのピエタ』
製作総指揮:
キム・ギドク
脚本:
キム・ギドク
撮影:
キム・ギドク
編集:
キム・ギドク
出演:
チョ・ジェヒョン
ソ・ヨンジュ息子
イ・ウヌ母/女



<ストーリー>
父と母、息子の3人が暮らす上流家庭。ある日、近くに住む女と夫の不定に気付いた妻は、嫉妬に狂い夫の性器を切り取ろうとする。

人間の業が、廻(めぐ)る。

-感想-

こえぇ~し、いてぇ~し、無茶苦茶だしで、直視するのがちょっと無理。
でも手で目を覆いながらも指の隙間から話が気になって、流れを目撃したくなるそんな演出の力は秘められていた。

ある意味、異質で実験的な作品。

台詞が一切ないのだ。

呻き声や叫び声はあるが、画面上で誰かが言葉を発するというのは全く出てこない。
ただひたすら、演じ者の行動を目だけで追う事になる。
しかもパソコン上に英語の文字が度々現れるが、それすらも字幕が付かない。
英語力が極端に乏しい私としては、何が書いてあるのかさっぱり分からないので、父親がその後に起こす行いを見て何となく理解は可能になる。

この様に、幾ら恐ろしい場面に遭遇しそうな雰囲気になろうとも、耳だけで状況判断なんて出来るはずもないので、しっかり内容を把握する為には頑張って画面に目を向けておかなければならない。
なんちゅう内容を見せるんだよ、てずっと心の中で呟いてましたわ。
加えて、聾唖者しか登場しない映画を作ったらこういう作品になるんだろうなぁとも思った。

息子はひたすら被害者。
親に全責任あり。
身勝手すぎるでしょ、父親も母親も。
夫婦間で解決させろよ、無関係な息子を巻き込むなよ。
大切な生殖器をぶった切られた息子が哀れでならない。

つか、そのブツを食っちまう母親、ホラーだろ。
気持ち悪すぎる・・・。

父親が浮気していた女を巡って息子も参加する事となる中盤以降。
女を好きになるけれど、欲情はあっても肝心な時にアレが起たない。
しかし、ふらりと急に家へと帰ってきた母親の胸の谷間を見た瞬間に息子の息子は過剰に反応する。
それに気付いた母親は、自分が犯した罪を清算するが如く、息子が寝るベッドへと身を忍ばせるのだが、それを静止しようと父親は妻の体を奪い腰を振り続ける。
だが、そんな父親のアソコにも存在するべきものがもう無かった。

父親の浮気と母親の瞬発的な感情の高ぶりで起きた狂気とにより破滅への道を極めてしまった裕福な一家。
ある程度の観る勇気は必要かもしれないが、どうしても最後まで成り行きを見届けたいという気持ちは生まれさせてくれるので(そこがギドク監督の演出マジック)、興味本位で借りてしまった人は修行だと思って頑張って画面全体に目を集中させて、事の悲惨な顛末を恐怖から驚きに変えながら刮目すべし。

ペニスが無い人が自慰とは別の方法で絶頂を覚えるあのやり方。
痛さ的な描写が苦手な人はマジ要注意。
激痛が快感へと移行していくようだが、その後にまた激痛。
興味ある人はやってみれば?(笑)
どう見ても痛そうにしか思えず私はそのシーン、顔を歪めて「ひぃぃっ!」てなっちゃったなぁ。

あそうそう、妻と愛人は一人二役でイ・ウヌさんが演じています。
後で知ったんだけど。
いやそれくらい、別人として役に成りきっちゃっているのよ。
惜しげもなく、おっぱい出しちゃったりしてこの人の女優根性すげぇわ。

評価:★★★
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新しき世界

2015年02月17日 21時21分25秒 | 韓国ドラマ
NEW WORLD
2013年
韓国
134分
犯罪/ドラマ
PG12
劇場公開(2014/02/01)



監督:
パク・フンジョン
脚本:
パク・フンジョン
出演:
イ・ジョンジェ潜入捜査官イ・ジャソン
チェ・ミンシクソウル警察カン・ヒョンチョル課長
ファン・ジョンミンゴールド・ムーンの実質No.2 チョン・チョン
パク・ソンウンイ・ジュング
ソン・ジヒョシヌ
チュ・ジンモコ局長
チェ・イルファチャン・スギ理事
チャン・グァンヤン理事
キム・ビョンオク中国から来た朝鮮族の殺し屋



<ストーリー>
韓国最大の犯罪組織で8年間潜入捜査している警察官・ジャソン。組織のNo.2・チョンの右腕となった彼は、複雑な思いを抱き始める。

“父”への忠誠か、
“兄”との絆か。


-感想-

秘宝ベストの未視聴作品を借りてみよう!3本目。
1本目はこちらへ『ドラッグ・ウォー 毒戦』
2本目はこちらへ『GODZILLA ゴジラ(2014)』

秘宝2014ベスト24位。

韓国版『仁義なき戦い』もしくは『ゴッドファーザー』もしくは『インファナル・アフェア』。

下っ端の警官が潜入捜査を経て会長まで伸し上がって行く話なのだが、決して単調には描かず、内容を寄り濃く時にはバイオレンス風味を出しながらヤクザ社会とその組織を潰そうとする警察の様子を克明に映し出す事に成功した傑作。

ヤクザにも弱肉強食の世界があるんだな、そういった恐ろしくも目を見張る様な一部始終をまざまざと見せ付けられた作品だった。

警察という肩書きを全て捨て、組織のTOPになったジャソン。
裏切り者だと知りながらも彼を見逃したチョン・チョン。
何故に?と思われたが、エンドロール直前にある6年前の2人の姿を観る限り、兄弟関係はこの時点からかなり深く結ばれていた模様。
他の者に会長の座を奪われる位なら、例え警察の犬だとしても絆を強めていたジャソンに託そうと、ジャソンならどうにかしてくれるだろうと、そんな願いにも似た気持ちがチョン・チョンにはあったのかもしれない。

他の連中はいけ好かない奴等ばかりだったが、チョン・チョンの少し恍けた柔らかく熱き性格にはジャソン同様に「兄貴」と慕いたくなる心持は生まれる。

警察の犬が仲間の中に居るとチョン・チョンがその人物を暴露しようとした時のジャソンの極度な焦り具合、命を狙われたチョン・チョンがエレベーター内で大勢の構成員相手に独りでナイフを振り回し血塗れになりながらも応戦するシーン、この2つが大きな見所ポイント。
イ・ジョンジェとファン・ジョンミン、それぞれの表現力・演技力がとてつもなく素晴らしいのでじっくりその目で味わい、迫真の演技とはこういうものだというのを改めて心で感じて取って欲しい。

評価:★★★★
15/02/17DVD鑑賞(準新作)
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レンタル開始日:2014-08-02
メーカー:彩プロ

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