銀幕大帝α

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ロストケア

2023年08月14日 14時35分08秒 | 邦画ドラマ

2023年

日本

114分

ドラマ/ミステリー

劇場公開(2023/03/24)

監督:
前田哲

『そして、バトンは渡された』

原作:
葉真中顕『ロスト・ケア』
脚本:
前田哲

主題歌:
森山直太朗『さもありなん』

出演:
松山ケンイチ・・・斯波宗典
長澤まさみ・・・大友秀美
鈴鹿央士・・・椎名幸太
坂井真紀・・・羽村洋子
戸田菜穂・・・梅田美絵
峯村リエ・・・猪口真理子
加藤菜津・・・足立由紀
やす(ずん)・・・春山登
岩谷健司・・・柊誠一郎
井上肇・・・団元晴
綾戸智恵・・・川内タエ
梶原善・・・沢登保志
藤田弓子・・・大友加代
柄本明・・・斯波正作

<ストーリー>

早朝の民家で老人と訪問介護センターの所長の死体が発見された。捜査線上に浮かんだのは、センターで働く斯波宗典。だが、彼は介護家族に慕われる献身的な介護士だった。

彼はなぜ
42人を殺したのか

―感想―

いやあ辛いっすわ。

他人事とは思えんのよ。

俺の母も高齢でケアハウスのお世話になってます。

幸いボケの症状は全くなく、歩行が困難なだけなのですが。

日本が抱える高齢化社会に警鐘を鳴らした作品とも言えるよね。

どれが間違いでどれが正解なのか観ていて分からなくなってくるが、「救う」という行為自体に疑問がわかないのは俺自身に少しは肯定したくなる気持ちがあったからだろうなあ。

介護疲れは経験してこそ身に染みる。

介護する者の言う事に介護される者が反発するというか意思疎通が出来ない場合も度々ある為、本当に苛々としてくる。

それが毎日続くとなるとストレスも半端ない。

そりゃ若くても白髪頭になりますわ。

現に俺も母のわがままに付き合う内に一気に白髪増えましたから。

その苦悩から解放される事に誰もが望む事だろう。

けど、直接手を出すとなると流石に躊躇してしまう。

貴方は自分の親を殺せますか?

 

出演している役者全員の演技が素晴らしく、それがあって描写が実にリアル。

脳梗塞で倒れ半身不随となり後に夜中外を徘徊する程の認知症老人を演じた柄本明。

名演技過ぎるが故に、息子との生活風景には胸が苦しくなる。

そして結果的に息子が選択した「救い」の一部始終の後での折り鶴に書かれていた父からの「感謝」には涙が止まらなかった。

これをラストシーンに持ってきたのはズルい、こんなのを見せられると、俺は今後なるべく母に対して優しくなろうと思った。

これまで幾度もつらく当たってしまった事を猛省。

例えどんな姿になろうとも、血の繋がった親なのだから、俺を産んでくれた母なのだから。

評価:★★★☆

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