BULLET TRAIN
2022年
アメリカ
126分
アクション/犯罪/コメディ
R15+
劇場公開(2022/09/01)
監督:
デヴィッド・リーチ
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』
製作:
デヴィッド・リーチ
アントワーン・フークア
原作:
伊坂幸太郎『マリアビートル』
出演:
ブラッド・ピット・・・レディバグ
ジョーイ・キング・・・プリンス
アーロン・テイラー=ジョンソン・・・タンジェリン
ブライアン・タイリー・ヘンリー・・・レモン
アンドリュー・小路・・・キムラ
真田広之・・・エルダー
マイケル・シャノン・・・ホワイト・デス
ベニート・A・マルティネス・オカシオ・・・ウルフ
サンドラ・ブロック・・・マリア
<ストーリー>
ブリーフケースを奪うよう依頼された世界で最も運の悪い殺し屋・レディバグは、気合たっぷりに「東京発・京都行き」の超高速列車に乗り込むが、次々と殺し屋に襲われ…。
全車両、殺し屋だらけ――
連結していく10人の因縁
―感想―
普通「BULLET」だと「バレット」と読みたくなるが、「ブレット」表記なんよね。
読み方としては別に「ブレット」でも間違いではないのだけど、余りこっち表記にはしないから何か理由あるんかなあと。
一説によると2000年に製作されたアメリカ映画で『バレット・トレイン』というものが既にあるらしく、そちらと混合させない為の敢えての「ブレット」なんだとか。
ま、別にどっちゃでもいい(笑)。
さて本作だが、一言で言うとバカ映画。
それも良い意味で、の。
原作は未読だが、プロットの組み立てが抜群に素晴らしい。
初めこそ、ほぼ何の説明もないまま色んなキャラクターが顔を出し始めて、それらが「てんとう虫」のコードネームを与えられたブラピとひと悶着起こしたり、対峙したりしていく。
てんとう虫本人も訳が分かんないまま戦っているのだけど、観ている私でさえも、どういった繋がりがあって戦わされているのか正直理解はし難い。
だが話が進むにつれて、実はあいつはこいつと、こいつはあいつと、だからプラピに絡まずにはいられない、というのがどんどん分かってくる。
途中まで抱えていたモヤモヤが一気に解消されるのは堪らなく爽快。
以前鑑賞したマギーQの『マーベラス』に足りなかったのは正にこれ。
沢山の登場人物を出すからには、鑑賞者に対してしっかりと関係性を分からせる事が如何に大事か、それが本作ではお見事なまでに纏め上げられていた。
個人的に感心したのが、てんとう虫が睡眠薬を混入させたペットボトルの自販機から生まれ、最後ぶん投げられるまでの流れで、これは一つの演出としては大変面白かった。
この様に、ちょっとした小道具を利用させて話の転がりを左右させて行くアイデア有りきの演出も見所。
兎に角、色んな人間が死んでいく。
場合によっては、死んだと見せかけて生きている時もあったりして、どちらにせよ死んでても生きてても、それぞれのキャラが展開にとって十分な役割を果たしているのだから大したもんである。
てんとう虫という名は果たして幸運をもたらすのか、それとも悪運を呼び込むだけなのか。
緊急停止し切れなかった弾丸列車が大破しながら脱線し、街中でようやく止まってからもブラピの受難は続くけれど、ここでの決着によってやはり「てんとう虫」の名はポジティブ寄りだったのだなというのが分かり思わずニヤリ。
足のつま先からかかとまで楽しませてくれた娯楽アクションでした。
終盤になってようやく家族を苦しめた相手に向かって行動を移す真田広之さんの刀を使った殺陣シーンは流石の貫禄。
ブラピのアクションはどれもドタバタって感じだったが、真田広之さんのシーンはビシッと引き締まってたなあ。
日本が世界に誇れる万能便器に興味津々なブラピ、毒蛇に噛み付かれて慌てふためくブラピと、アクション同等に笑いのセンスが光っていたのも良き。
それとハリウッド映画でありがちな、なんちゃって日本ではなく、ちゃんと細部まで作り込まれている点は日本人として嬉しい限りです。
評価:★★★☆
22/12/11DVD鑑賞(新作)
レンタル開始日: 2022-12-07
メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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