2019年
日本
47分
ホラー
劇場公開(2019/10/05)
監督:
中元雄
『一文字拳 序章 ―最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い―』
出演:
高江洲波江
田辺奈菜美
安田ユウ
<ストーリー>
人里離れた郊外の廃工場にやってきた、小さな映像制作会社の撮影クルーたち。低予算映画ながら雰囲気のある大きな廃工場でのロケが実現し、意気揚々とする一同は、順調に撮影を進めていくが、実はその廃工場には、人のはらわたを集める猟奇殺人鬼「はらわたマン」が眠っていた。眠りから覚めたはらわたマンは、ひとりまたひとりと撮影クルーを血祭りにあげていき……。
―感想―
上記のストーリー説明は「映画.com」から引っ張ってきたものだけど、これも何かちょっと違うんだよなあ。
ざっくりと要約すると、「はらわたマン」というタイトルのホラー映画を撮る為に廃墟にやって来た学生達だったが、そこには先客として本物のスナッフ映画を撮っているチームがおり、その現場を目撃してしまった事で学生たちは命を狙われるが、追い詰められた恐怖が一気に逆襲の精神に早変わりし「お前らの撮ってるのは二流だ!」とブチギレ、逆にスナッフチームを一人ずつ順番にぶっ殺しまくる、そんな話。
前日に観た『いけにえマン』とは打って変わってコメディ要素はゼロに近く、ほぼ正統なスラッシャーホラーとなっている。
只、『いけにえマン』の後日譚ではあるので、メインキャラは引き継がれているが、スナッフチームには大迫茂生さん等、新たなキャストを投入。
そういえば『一文字拳』の後日譚『帰ってきた一文字拳』でも大迫茂生さんが出演してましたな、後日譚俳優かよってね。
「お前ら見たなああ!」と鬼の形相でカメラを回しながら追い掛けてくる大迫さん。
逆ギレされて、反対に襲われる側となり泣きの形相となる大迫さん。
この人、場面に応じて表情を面白い様にコロコロ変えてくれるから、ほんま芸達者やなて思うわ。
とは言え、このままだと大迫さんの一人勝ちというか一人舞台になっちゃうから、生徒役の俳優も、スナッフチーム側の俳優も、大迫さんに負けてられるか!てな具合に全力で表情演技している辺りは好感度抜群であります。
あれだけの人数殺しておきながら、何のお咎めも無く、学生たちは個々に新しい道を進んでいるといったラストは御愛嬌てことで。
パロディ、オマージュに特化させた演出の面白さから言えば『いけにえマン』、血糊やグロ表現の多さから言えば『はらわたマン』。
同じ世界線ながらも、ここまで全く違う毛色の作品に仕上がってしまうんやね。
個人的には『いけにえマン』の方が好みだけど、これと同種の内容かと思って『はらわたマン』を観てしまうと、良い意味で裏切られるでしょうね俺みたいに。
あと、どっちの作品にも言える事だけど、ポスターも予告編も凄く丁寧に作られているのは当たり前だが、普通少しはネタバレ気味な感じになるやん?
それが無いんよ、特に予告編。
実際に観て貰ってから本編を鑑賞すれば納得するはず、ここまで映画ファンをまんまと騙すフェイク気味な予告を作れて、それにより「全然違うやんw」と二度美味しい思いをさせてくれるのは凄い才能だと思うよ、うん。
評価:★★★
23/01/30DVD鑑賞(準新作)
レンタル開始日: 2022-07-01
メーカー: JIGGY FILMS
関連作:
『いけにえマン(2019)』(同時上映)