連日熱戦が繰り広げられている世界柔道。
三日目は男子66kg級に内柴、73kg級に高松。女子52kg級に横澤、57kg級に宮本が登場する。アテネ金メダルの内柴、銀メダルの横澤はいいとして、あとの二人はアテネでは体調不良から初戦敗退となった高松と今回が初出場となる宮本と昨日以上にパンチが弱いのが少し気がかり(だからパンチの問題じゃないってば
)
結果は銀2個。金メダル獲得ならず。
まずは女子57kg級。アテネでは女子で唯一メダルを逃した階級。これまで活躍してきたシドニーの銅メダリストでアテネの代表だった日下部が一線を退いた(?)ためのニューフェイス登場。ダンスで培われたリズム感と柔軟性がどんな柔道を見せてくれるかと期待大だった。スタジオで使われている写真もかなり威圧的な表情が印象的だった。
と言っておきながら、試合が始まった瞬間の第一声(私のね)は「げ!コーチが山口香じゃない?」だった
山口香は日下部の専属だったのか。あの独特の図太い声で、「まだまだまだ。」「そこ!今!」といった掛け声を聞くのを少し楽しみにしていたのだが
こんな感じで話を逸らしたくなるくらい、宮本の結果は残念だった。キューバの強豪選手を相手に初戦敗退、さらに敗者復活戦の初戦でもキレイに一本を決められて敗退。まったく柔道をさせてもらえないまま終わってしまったように思う。
ただ、紹介VTRに過去の試合映像がちょっとしかないことからも、まだまだ「世界」を相手にした試合経験が少ない選手だということが分かる。(その分かり方もどうかと思うが)まだ若いし、これからの成長を期待したい。
ところで、この階級は朝鮮のケイ・スンヒが2連覇を飾ったようだ。思い出されるのはアトランタ女子48kg級での優勝。つまり、田村亮子のまさかの敗戦のシーン。徐々に階級を上げて、ついにこの階級での絶対王者となったか…。ちょっと複雑な思いだ。
次に男子73kg級の高松。アテネに続き初戦敗退、敗者復活に進めず。今回は体調も万全で調子が良いということだったのでホントに残念だ。この階級も日本人メダリストを思い出せなくなるくらい世界の壁が出来てしまっているように思う。今回の高松が自分の柔道をまったくさせてもらえずに終わってしまったのは、それだけ試合巧者が犇いているということなのだろう。でも、日本柔道は一本を取る柔道。その一本を取る柔道でこの階級、あるいは一つ上の81kg級で日本人絶対王者の誕生。それが成し遂げられた時、日本柔道は完成するのだ!っていう物語を期待したいところ。
実際、バルセロナでの吉田秀彦(当時78kg級)、古賀稔彦(当時71kg級)の金メダルはまさに日本柔道の強さを見せ付けていたと思う。
いや、今がダメってわけじゃないし、バルセロナではそれまで山下、斎藤が守ってきた重量級の金メダルが獲得できなかったわけだけども。
かなり話が逸れたので、今大会に戻そう
次は女子52kg級。ゴールデンスコアって酷よね。ポイントつかなかったらあのまま5分間やるのか…。そんなツライ試合を勝って決勝まで進んだのに、思い届かず。またしても銀メダルに終わってしまった。インタビューではあえて次の大会で無念を晴らすという言葉を飲み込んでいたように思えた。(スタジオではあっさりその言葉で片付けていたけど)アテネで銀メダルに終わった後も、引退を考えていたという話が出ていたように、あと2年思いを保てるか考えてしまっているのではないかと思えた。残念だった。
最後に男子66kg級。
内柴の技は華麗っていうより泥臭いよね。なんとしても技をかけるという執念で一本を取っているような感じがする。決してキレイではない。技のキレではなく、それこそスタジオの篠原が言っていたように、センスで技を決めているよう。でも、それは立ち技の話。今大会では寝技でも一本を取れるということを見せつけた。しかし、決勝では相手のペースに巻き込まれてキレイな一本を決められてしまった。
若いとは言いにくい年齢。それでも「自分は強くないですから。」と唇を噛み締めて言った彼の言葉からは、このままでは終われないという思いが伝わってきた。
銀メダルに終わっても、同階級3連覇を狙っていた王者を倒した実力は本物。次の大会で雪辱を晴らす姿を見たい。
明日は最軽量級と無差別級。個人種目の最終日。男子の野村、女子の谷という絶対王者がいない最軽量級は目が離せない。
つーことは、明日が一番パンチが弱い。ああ、それが一番の気がかり(関係ないってば!)