ごはんが作るボクが作るごはん (つまのフーさんの養生食)

やっとごはんと向き合うようになった人が作るつたない料理の地味〜な記録*一人だと昔に戻ることあり

2015年2月末、手術前入院

2015-02-27 23:23:23 | 5- つまのフーさん 手術の前後


2015年2月27日、手術の3日前に、つまのフーさんは病院へ入院しました。

翌28日の朝に担当のA医師から手術の説明があるはずでしたが、病院へ着くと、その予定が早まっていました。

そして夜9時を回った頃、まだ手術衣のままのA医師が、急ぎ足で病棟へやって来ます。

それから小さな個室に通されて、聞いた最初の言葉は、思いがけないものでした。
「状況が、かなり厳しいです。手術をするかどうか、迷うところです。」

それを言うために術前面談が早まったのだと、ボク達はそこで知りました。

「術前の抗がん剤治療の結果と、間近のCTの内容、現在の痛みの強さなどから、
内容がかなり思わしくない可能性があります。
ステージⅢと判断していましたが、Ⅳということもあり得ます。
手術で開胸しても、目視で確認したら、取り切れないという判断になるかも知れない。
その場合は、そのまま閉じることになります。
もし開けて閉じるだけだとしたら、この開胸術は、肉体的な負担があまりにも大きい手術です。
手をつけないのであれば、開胸はしない方がいいです。
しかしながらもう一つ、
手術をしなかった場合は抗がん剤治療となりますが、○○さんの場合、
一度目の抗がん剤治療は効きましたが、二度目は効果が出ていない。
ということは、このがんには、抗がん剤が効かないという可能性があります。
そうなると、進行を止めることが難しくなります。
手術をするか、しないか、‥‥‥‥どうしましょうか?」

一度持ち帰りたいほど大きな決断を迫られたわけですが、そんな猶予はない状況でした。
がんは日に日に成長しているのですから、もし手術に賭けるのであれば、それは今決めるしかありません。

「先生は、どう思われますか?」
と聞くと、
「CTのデータ上ではとても大きく気になりますが、その他の画像上では、取れる可能性も窺えます。」
それからしばらく考え込むような間があって、
「見に行く価値はある‥‥‥、と、思います。」
と、静かにA医師は答えました。

フーさんとボクは、顔を見合わせました。
そうしながらまるでSF映画のように、テレパシーで語り合ったような気がします。
そして互いの意思を確認すると、ボクは、先生の目をしっかりと見つめて言いました。
「お願いします。」
フーさんは、
「どちらの結果でも、とにかく開けて、見ていただきたいと思います。」
と頭を下げました。

先生は、
「わかりました。」
と言うと、

今度は少し大きな声で、
「チャレンジしましょう。」
と言い、この日初めて笑顔を見せました。

「はい。どうぞよろしくお願い致します。」
ボクは深く頭を下げました。

見つめつづけなくてはならない光が、遠くて、
でも、必死でその光源を探しました。
その光は遠くて小さいけれど、決して幻ではない、
そのことには確信があったので、
絶対に目を反らさないぞ、
と心に誓った夜でした。




(2019年2月20日 記)

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