桐山 靖雄 著
『変身の原理』以降にあらわれた超能力開発の本や密教関係の本においても、わたくしの
ように、著者自身がその力を体得していると、言言している本はない。だから、超能力を
もつ方法を書き、自分自身がその能力をもっているとはっきり宣言しているということ、
これが『変身の原理』の大きな特徴といえよう。
この本が出版されたのは、昭和四十六年(一九七一年)である。そして、それ以来、わた
くしは、わたくしの体得した超人的な力を現実に発揮し、曲りなりにそれを実証してきた
と思っている。
したがって、『変身の原理』を読む人は、単なる密教の紹介書としてではなく、これは
桐山靖雄の世の中に対する宣言であり、あるいは、言一言1 であるという認識のもとに読ん
でいただきたいと思う。そして、わたくしがその中で宣言したことは、今日にいたるこの
十一年間で一応実現してきたと思う。わたくしのいまの力の源泉は、まさしくこの一冊の
本によって説明されているわけである。
そして、わたくしを変身させたこの力は、さらに窮極のものに向かってわたくしを強力
に変身させてゆくことになるのである。
『密教-1超能力の秘密』と大脳生理学
この本は、『変身の原理』をさらに一歩、前進させた本である。刊行は、昭和四十七年
(一九七二年)である。『変身の原理』で説いた密教の方法を、さらに理論的に裏づけし、密
教の内奥を紹介したわけである。
この本でわたくしは、はじめてクンダリニー・ヨーガの「チャクラ」を説いた。日本で
「チャクラ」を紹介した最初の本であると思う。
この本が出る前年あたりに、C・W・リードビーターが『ザーチャクラス』という本を
出した。この本は、当時の日本ではまだ翻訳されていなかった。わたくしは、英語があま
り読めないが、自分自身の修行体験によって、掲載されている絵を見ただけで、リードビ
ーターが書いているチャクラの内容が把握できた。
リードビーターは、「チャクラ」を集中力の中心と訳し、「チャクラという語はサンスク
リト
それから、この『密教』の中で、変身の原理を、市川亀久弥さんの『創造工学』のサナギから蝶に
変化する、あの変身に対応して説いたわけである。
これは非常に斬新な論理の展開であったとわたくしは、いまでも誇りにしている。
それに、これは『変身の原理Lと共通していることであり、前述の中村保男さんの『オカルト』
の「あとがき」で紹介されているのであるが、大脳生理学というものをはじめて宗教の世界にもちこんだのは、この本であった。それまで、
側頭葉とか前頭葉という大脳生理学の世界が、宗教の次元で話題にされたことはほとんど
なかったと思う。
故時実利彦博士の本は、大脳生理学の本としてかなり読まれたが、それを宗教の分野に
もちこみ、マンーパワー開発との関連で述べたのは、わたくしが最初であった。人間の脳
細胞ニューロンは百四十億から百五十億ある。その三パーセントくらいしか人間は使って
いない。だから、あとの九〇何パーセントを開発すれば超能力が得られるというような説
き方をしたのは、とにかくわたくしの本がはじめてである。
また、この本で誇りに思っているのは、公害問題にしろ、遺伝子工学の問題にしろ、一
般の新聞や雑誌が取りあげるはるか以前にこの本で、すでに取り上げているということで
ある。たとえば、公害がいずれ大きな社会的、国家的な問題になることを指摘しているし、
また、遺伝子工学の進歩で、クローン人間の出現の可能性などに触れたが、これなどこの
本の出版後数年も経った、いまから二、三年前あたりから全国紙が取り上げはじめたにす
ぎない。
そういう意味で、一つの時代を画した本であったと思う。わたくしは、自信をもって、
白画自賛している。
このあと、この本の延長線上にある本の出版がつづく。昭和四十八年(一九七三年)に出版
した四回念力しは、『変身の原理』と、『密教-超能力の秘密』とを、通俗的にわかりやすく
したものである。
登録情報
- 単行本: 515ページ
- 出版社: 平河出版社; 改訂版 (1972/07)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4892030104
- ISBN-13: 978-4892030109
- 発売日: 1972/07
- 梱包サイズ: 18.6 x 13.2 x 3.4 cm
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