ウクライナから移民としてアメリカへ渡り、武器の密輸商人となったユーリーがたどる衝撃の運命。ユーリーのキャラクター像や、エピソードの数々は、実在の武器商人の証言を基に作られている。ソ連の崩壊により、余った武器を、アフリカの独裁国家などに横流しするユーリーを、インターポールの刑事ジャックが追跡。そこに、ユーリーの妻や弟との悲痛なドラマが絡んでいく。
『ガタカ』や『トゥルーマンショウ』のアンドリュー・ニコル監督がニコラス・ケイジを主演に迎えて贈るサスペンスアクション。“史上最強の武器商人”と呼ばれた男・ユーリーの実像を描く。撮影風景やインタビューなどの特典映像も収録する。R-15作品。
感想
前半はウクライナからの移民のニコラス・ケイジが武器商人としてのしあがっている様をややコミカルに軽いタッチで描く・
しかし、後半は武器と戦争、武器商人と国家などの真実をするどく、指摘している。
テーマが思いのだが、説教くさくならずに楽しめる。
おすすめ
危険な顧客を相手にした、ユーリーの臨機応変の対応が見もので、ニコラス・ケイジが、本心を表情に出さないユーリーにハマリ役。「リベリア」といった実際の国名や「ビン・ラディン」、さらにはアメリカ大統領の責任にも言及するなど、あまりにも現実的な要素やセリフに、観ているこちらが「ここまで描いていいのか?」と心配になるほどだ。世界に存在する銃の数なども、恐ろしい現実を伝える。ただ、映画作品として、全体にサスペンスなのか、人間ドラマなのか、はたまたブラックコメディなのかが曖昧。ジャンルを特定させない不可解さも、アンドリュー・ニコル監督の作風なのだが