敬意表現、待遇表現、そして配慮表現と並ぶと、日本語をとらえる視点によって議論のそれぞれの変遷がある。敬語では敬意を問う考え方がだされて、敬語における謙遜また謙譲があらためて敬語表現に位置づけられる。待遇は敬語の敬意について広義敬語としての中に卑言罵詈表現を含めるので、それを待遇表現として取り入れている。待遇は本来、客扱いをする言語表現にあって、社会言語学が好んで取り上げる隠語俗語の類までをさすものではない。にもかかわらず、待遇を人間の上下関係にあてはめて議論をしているようである。配慮表現は日本語を配慮に拠る言語と規定するところから始まったが、実はこれをポライとネス理論と結びつけて、配慮することを人間関係の利益に結びつけて解釈するようなになろ、コミュニケーションを相手との関係で利益を得るかどうかの議論は日本語の言語習慣ではなじまないものであるのであるが、日本語をその視点で眺める理論が流行る。 . . . 本文を読む