無辜は無罪と同じい。しかし意味内容には無罪には有罪と対概念を考える。
漢字の文字統一が、無辜と無罪と置き換わっての用法になったと字通には説明する。
>声符は古(こ)。辛は刑罰として入墨するときの針器。辜とは入墨を加える刑をいう。字通より 辜
>鼻に墨刑を加える意で、そのような刑を受けることをいう。
「秦、罪を以ての字と爲す」とあり、秦の文字統一のとき、そのように改めたのであろう 字通より 罪
それでは無辜には何を考えるか。 innocent 何の罪もない、と言われて、無垢のというイメージになるか。
無辜の民、無辜の命となると、
>欧米の支援を受けたウクライナの激しい抵抗に、ロシアが民間施設も含めたなりふり構わぬ攻撃を仕掛け、無辜(むこ)の命が失われ続けている。
日経新聞、社説より
という用い方になる。
http://www.1-em.net/sampo/sisyogokyo/gokyo/syokyo/index.htm#%E6%B9%AF%E8%AA%A5
>爾萬方百姓、罹其凶害、弗忍荼毒、竝告無辜于上下神祇。天道福善禍淫。降災于夏、以彰厥罪。
爾萬方の百姓、其の凶害に罹りて、荼毒[とどく]に忍びず、竝[とも]に辜[つみ]無きを上下の神祇に告ぐ。天道は善に福[さいわ]いし淫に禍いす。災いを夏に降して、以て厥の罪を彰らかにせり。
http://fukushima-net.com/sites/meigen/815
> 爾(なんじ)萬方(バンポウ)の百姓(ヒャクセイ)、
汝たち万邦の人々は
其の凶害に罹(かか)り、荼毒(トドク)に忍びず、
その害悪を受けて、ひどい苦しみに堪え切れず、
竝(あまね)く無辜を上下(ショウカ)の神祇(シンギ)に告ぐ。
広く無実の罪を天地の神々に訴えたのである。
天道は善に福(さいはひ)し
天の道理というものは、善なるものには幸いを与え、
淫に禍(わざわひ)す。
間違ったものには禍いを与えるものである。
災を夏に降して、以て厥(そ)の罪を彰(あきらか)にす。
そこで、天は災禍を夏に降すことによって、その罪を明らかにしたのである。