長月晦日、九月三十日、気候は暑いのに移ろいとく、夜長の季節になる。日没はやまり、薄明の時間も短くなった。つるべ落とし。釣瓶は井戸を連想できるか、江戸時代の風物になるから、陽が沈むさまとその直後の闇に経験するか、となると、待てよ、井戸につるべ落としの目に合わないとわからないことだとなると、言い得て妙なりと思うのは、実は怖い。そうすると妖怪がでてくる話になりそう。木の上から落ちて来て、人間を襲う、人間を食べるなどといわれる、釣瓶下ろしとも言う。夜業すんだか、釣瓶下ろそか、ぎいぎい、などとのたまわるから、これは夕闇でないということで、>「釣瓶下し」「釣瓶落とし」の名称が確認できるものは東海地方、近畿地方のみである と、ウイキペディアに見える。
*歌舞伎・牡丹平家譚(重盛諫言)(1876)「一時(とき)あれど秋の日の釣瓶落しに暮れ易し」